《クラス転移で俺だけずば抜けチート!?》50話 大切なもの

「それで柊さん、試したいことってなんなのですか?」

俺は今、依頼を達するためにシェレールさんと一緒に西の森にいるオーガを探している。

「まぁちょっとな。でも本當に上手くできるかわからないから危険だと思ったら直ぐに逃げるんだぞ。」

「それは分かっています。ですが、もしかしてその試したいことって柊さんのをまた傷付けてしまうようなものなのですか?」

「………」

シェレールさんの言っていることに俺は、返事ができない。

その技は、まだどれくらい危険なのかも分からないからな。

もしかしたら本當に俺のがボロボロになるかもしれない。

「……まぁ、大丈夫だろ。」

「……柊さんがいつも私たちのために頑張ってくれているのはみんな知っています。私たちはそんな柊さんが大好きです。ですが、みんな柊さんが傷付くようなことんでいません。なので、そんな危険なことしないでください!」

シェレールさんの思いが俺の心を揺らす。

「シェレールさんがいや、みんなが俺のことをこんなに思ってくれて本當に嬉しい。」

Advertisement

「っ!だったら……」

「だからこそ、俺が強くならなきゃいけない。それに今の俺より強い敵が現れた時、対処ができない。だからせめてみんなを守るくらいの力を付けとかないといけないのだ。」

「………」

シェレールさんも俺の思いに心が揺れている。

「……私は……」

「?」

「……私は守られたくありません!」

「………は?」

「自分のくらい自分で守ります!それに柊さんより強い敵が現れたって皆で協力すればいいじゃないですか!」

「………」

「………」

二人ともその場で喋らなくなる。

だが突然巨大な足音みたいなものが聞こえてきた。

「「っ!!」」

多分俺たちが探していたオーガなのだろう。

知によるとすぐそこまで來ている。

「シェレールさん、まずは依頼を達するぞ。」

「は、はい。ですが……」

「ああ、分かってるって。今日のところは、俺の試したいことはしないよ。」

「ホッ、ありがとうございます。」

「お禮はいいから。まずは、オーガを倒すぞ。」

「はい!」

まぁ、俺の試したいことは夜にこっそりとやればいいか。

俺がそう思っていると木々が倒されるような音やそれが踏みつけられるような音が近くから聞こえる。

そして間もなくオーガが姿を現す。

高さ5メートル程だろうか。

「大きいな。」

「大きいですね。」

オーガは俺たちの世界では鬼のように扱われているけどまさにそれだった。

「シェレールさん、大丈夫?」

「はい、もちろん。柊さんに自分のくらい自分で守れるって言ったんですからこれくらいで怖がってはだめですよ。」

そうは言ってもやはりの子だからな。しは怖いだろう。

オーガが1歩ずつ近づいてくる度に地面が揺れる。

「ぐあぁぁぁぁぁ!!!」

そして突如びだし持っていた金棒みたいなものを振りあげた。

「っ!シェレールさん、危ない!」

オーガが振り上げた金棒がシェレールさんに向かって振り下ろされる。

俺は、咄嗟に守ろうとしたがこれじゃ追いつかない!

俺は、間に合わないと思って目を瞑る。

くそっ!俺がもっと強かったら助けられていたはずなのに!

くそっ!くそっ!

俺は、自分を責める。

が、その必要がなかったことを俺は知る。

目を開くとシェレールさんは、風魔法でその金棒を防いでいた。

「……あ、あれ?」

俺は、何が起こったのか分からなかった。

も、もしかしてシェレールさんって本當にオーガが怖くなかったの?

それに詠唱した聲も聞こえなかった。

「シェレールさん、大丈夫なの?」

「はい、もちろん大丈夫です。」

「オーガ本當に怖くなかったんだな。それに魔法も無詠唱だったし。」

「全く怖くないって言ったら噓になりますけど先程も言ったようにこれくらい怖がっていたら自分のなんか守れませんよ。それと無詠唱はなんとか頑張って習得しました。皆さんもたぶん何か新しい力を得ているのではないでしょうか。」

「そうなのか。」

「これも皆さん柊さんに傷ついてしくないって思っているからですよ。」

「…そうか。…ありがとう、シェレールさん。それにみんなにもお禮言っておかなくちゃな。」

「今はそれよりもオーガを倒さなくてはいけませんよ。」

俺は、オーガのことをふと思い出し吹っ飛んだ方を見ると數メートル先に目を回しているオーガがいた。

「シェレールさんもだいぶ強くなったんだな。」

「あはは、やり過ぎたかも?」

まぁ、早く終わるのに越したことないから別にいいんだけどね。

俺は、オーガの首元に剣を刺し息のを止めた。

それから依頼達の証拠に必要な鼻を切り落とし俺たちは、西の森を出た。

「なんか本當に俺が強くなる必要はなくなったみたいだな。」

「柊さん、私たちは柊さんが強くなることを嫌なのではありませんよ。柊さんが傷つくのが嫌なのです。」

「なんか、シェレールさん、俺よりも2歳も歳が下なのに俺よりも大人っぽいな。」

「これでも元王ですからね。」

「悪かったな。俺、本當にみんなを守っていけるかすごい不安だったんだ。みんなを守るには力が必要だからどうしても力がしかったんだ。でも、そのせいで大事なものを見落としていたよ。みんなも俺を支えてくれているってことを。」

「柊さん……」

「でももう大丈夫だ!シェレールさんのおかげで俺も何が一番大事なのか分かったよ。これからはみんなで強くなっていこうな。」

「はい!」

俺は、今まであった不安を取り除くことが出來た。

今考えてみると何でこんなに不安に思っていたのか不思議に思うほどだ。

大丈夫、今の俺にはみんながそばにいてくれるんだ。前の世界じゃどうやっても出來なかった仲間が。

    人が読んでいる<クラス転移で俺だけずば抜けチート!?>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください