《転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~》第十二話 卒業(12/2修正)

カインは空いた時間で創造魔法の作に費やした。

新しい魔法はこうだ。

『世界地図ワールドマップ』

▽視界に地図を表示

『思考行加速クロックアップ』

▽思考と行が早くなる

『並列思考パラレルシンク』

▽違うことを同時処理できる。

『転移』(時空魔法)

▽頭で考えた箇所に瞬間移できる。

一度行った場所にしか行けない。

『創造制作クリエイティブメイク』

▽素材をイメージ通りの形に変化させる。素材がない場合は魔力を消費して創造する。

『複合魔法』

▽並列思考により複數の元素魔法を複合できる。

四元素魔法についても、超級までつかえるようになった。

魔法は初級・中級・上級・超級・帝級・神級とあり、帝級以上は現世で使える人はいない。

超級でも使える人は現世では、數える程しかいない。しかも魔力量の関係で、一回使うのが限界だ。

領都付近で、一度上級魔法を試した時は、轟音と火柱が領都の外壁から見えたらしく大騒ぎとなった。

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ミリィとニーナからは、上級魔法以上は止と言い渡された。

「カインの上級魔法は、普通のレベルじゃない。注意しないと危険」

訓練がない日は、まだ話していない時空魔法の『転移』を使い、魔の森の奧深くまで探検している。

もちろん魔とはこっそり戦っている。冒険者登録をしていなくても、素材の売買は出來るが、さすがに森の奧地にいる魔は出せない。當分はアイテムボックスの中に死蔵予定だ。

今、カインが立っているのは魔の奧地數十キロ進んだところだ。周りには木がない。一面の焼け野原となっており數百メートルが円の様に広がっている。

夜寢る時間になってから部屋を抜け出し、『転移』を使い拠點にきて魔法の訓練をしている。

以前、ここで超級魔法の『獄炎地獄インフェルノ』を唱えたら辺り一帯が吹き飛んだ。

これを領都の近くでやってしまったらと冷や汗をかいた。

ニーナからも人前で大規模な魔法を使ったら大騒ぎになるから、中級魔法までに抑えるように言われている。

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「もうししたら、王都に行かないといけないから、魔法の訓練はし休憩かな。ミリィさんとニーナさんの依頼の期限だから、し寂しくなっちゃうなぁ」

々とお世話になったし、何かプレゼント贈りたいな。

「そうえいばミリィさんが魔法袋マジックバッグしいって言ってたよな。一応、時空魔法使えるしつくってみようか」

そういってアイテムボックスから、赤と緑の魔の革を2枚取り出した。

「ミリィさんは赤で、ニーナさんが緑ってイメージだな。使い勝手がいいから、ウエストポーチみたいなのがいいかな」

魔力を手に込める。

『創造制作クリエイティブメイク』

素材がり輝きはじめる。りが消えた時には、手に二つのポーチが出來上がっていた。

「次は、時空魔法か。アイテムボックスをイメージすればできるかな」

アイテムボックスをイメージしながら魔力を込める。

二つのポーチは、またり輝き始めた。りが落ち著いたら出來上がりだ。

「普通の魔法袋マジックバッグの容量がわからないけど、これくらいなら平気かな」

一般的な魔法袋マジックバッグは二メートル四方くらいのスペースが基本で、十メートルの大きさがあればS級冒険者でもしがる程貴重なものだ。

カインがそんなことを知るはずもない。

カインが作った魔法ポーチマジックポーチは五十メートル四方のスペースを持つ、國寶以上のものになった。

「これで二人とも喜んでもらえるかな」

喜んでいる二人を想像しながら、『転移』を使い部屋に戻った。

◇◇◇

今日は訓練最後の日だ。

実際にもう教えてもらうことは何もないので、保護者同伴ということで、領都の外に來ている。

カイン一人で、ウルフの群れを狩っているのを、後ろで見ているだけだが。

「もうカインが五歳って思えない。私たちより強いし」

「今日で最後。し寂しい」

後ろでそうつぶやいてる二人だった。

二十匹ほどの群れを殲滅したあとに、二人のところに戻る。

「今日はこれでおしまいよ。二ヶ月よく頑張ったわね。まぁすぐに私たちを抜かして、教えることなんて、ほとんどなかったけど」

「そういえば、今までのお禮と思って、お二人にプレゼントがあるんです。僕が作りました」

アイテムボックスから、二つのポーチを取り出す。赤のポーチをミリィさんに、緑のポーチをニーナさんに渡した。

「カイン。ありがと……って、この革の素材はっ!?」

「カイン、この素材って?」

二人が恐る恐る聞いてくる。

「あ、実はこっそり魔の森に行って狩った素材です。赤いのブラッドオーガで、緑のがアースドラゴンかな」

「「……」」

二人とも絶句してた。

なぜならブラッドオーガもアースドラゴンも魔ランクでいうとAランクだ。

冒険者のAランクパーティで一匹を仕留めるのがやっとの魔なのだ。

それを軽く五歳児が「狩ってきました~」なんて言われても信じられない。

まぁカインが規格外なのは一番知っているので理解はできるけど。

「そのポーチ、一応、空間魔法で拡張しているので、是非使ってください。前にミリィさんが魔法袋マジックバッグしいって言ってたの、思い出して作ってみたんです」

「カインくん……ちょっといいかしら。このポーチの容量って……」

「あ、そこらへんはセーブしましたよ。あんまり大きすぎると、また常識がないって言われると思ったので、両方とも五十メートル四方くらいにしてあります」

「「……」」

「カインくん……。私が買おうか悩んでた魔法袋マジックバッグは二メートル四方で、金貨10枚するのよ」

この世界のお金は銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、白金貨の六種類となっている。

銅貨十枚=大銅貨一枚

大銅貨十枚=銀貨一枚

銀貨十枚=大銀貨一枚

大銀貨十枚で金貨一枚

金貨十枚=白金貨一枚

各十進法だ。

銅貨一枚=100円

大銅貨一枚=1,000円

銀貨一枚=10,000円

大銀貨一枚=100,000円

金貨一枚=1,000,000円

白金貨一枚=10,000,000円

金貨十枚ってことは、一千萬円!!

「もしかしてこのサイズの魔法ポーチマジックポーチって……」

「「國寶クラスね」」

またやっちまったっ!!!!!

「こんなの持ってたら、いつ襲われるか……」

ニーナが心配してる。

「ニーナさん。それは大丈夫。その二つは、ミリィさんとニーナさんと僕の三人しか、使えないようにしてあるから。他の人が持とうとすると中の重さが、全て加わるようになっているの」

「「まさかの國寶以上クラス」」

二人とも同時だった。

「これは、絶対に人には言えないわね。いいねニーナ!」

「わかってる」

「本當にありがとう。そこまで教えることなかったのによかったの?」

「いいんです。お二人のおかげで外にも出れましたし」

「「じゃぁ、これは私たちからのお禮ね」」

そう言って、カインの前に二人とも膝をついて同じ目線になった。

二人が抱きしめてくれたあと、同時に両頬にキスをしてくれた。

うほっ。

自分の顔が熱くなっているのがよくわかる。

「な、な、なにを……」

揺するカイン。

「二人からのプレゼント。大人になって冒険者になったら、手助けしてもらいたい時は言いなさい。いつでも駆けつけるから」

そして二人との契約期間が終わった。

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