《転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~》第二十話 王都お披目會1

王都でのお披目會の日を迎えた。

屋敷から出かけるのは、ガルム、サラ、俺の三人だ。

執事のセバスが馬車の者をしてくれている。

レイネはお披目會とは関係ないので、家で留守番だ。

「レイネ、マリアの言うことを聞くのよ」

サラがレイネに伝える。

「わかってるわよ。せっかくカインくんのお披目だったから見たかったけど、著替えてる時ずっと見れたからしは満足できたし」

レイネは著替える時にずっと部屋にいたのだ。しかもシルビアも一緒に。

「カイン様が著替えるのに、専屬のメイドがいないでどうするのですか」

と言いながら、キラキラした目でずっと見てただけだけどな。

「それでは行ってくる」

ガルムが馬車に乗る。

「レイネ姉さまいってきますね。シルビアも留守たのんだよ」

「いってらっしゃいませ」

サラもカインも馬車に乗って出発した。

「カインよ、お前はこの前の謁見で男爵になった。その年で獨立して敘されることはまずない。今日のお披目でも注目されるだろう。十分に注意しろよ。特に娘の紹介してくる親には注意だ。王殿下とシルク嬢と婚約したことはまだだからな」

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「わかりました、父上。上手く対応してみます」

「五歳とは思えない考え方だよな、まったく」

ガルムも呆れてる。

「そろそろ、王城に到著いたします」

者をしているセバスから聲がかかった。

「いよいよですね、なんだか張します」

そして王城に到著した。

控え室のホールでは、貴族と子供達がすでに結構いた。

子供だけで三十人位だろうか、両親を含めると百人位がホールにいる。

両親もグループごとに分かれて、ワインを飲みながら會談をしているように見える。

あれが派閥グループなのかな。

あそこには敘勲の時に反対して睨みつけられたコルジーノ侯爵もいた。

生意気そうな子供を連れて。子供の後ろには二人の子供がついているじだ。

ホールにり、家族で挨拶に回る。王家の人たちはまだ來ていないのでエリック公爵のところへ行く。となりにはシルク嬢もいたしね。こっちに向かって笑顔で小さく手を振ってくれてる。

思わず、小さく手を振り返してしまったのを、エリック公爵に見られた。

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公爵はシルク嬢と俺の顔を順番に見返して、にっこり笑ってくれた。

その笑顔が怖いんですけどね。

「エリック公爵、先日は々とお世話になりました。改めて紹介します。三男のカインです」

ガルムが紹介してくれる。この前謁見のあとで話したけど、あの話は緒だから初対面風に対応している。

「辺境伯ガルム・フォン・シルフォード・グラシアの三男、カイン・フォン・シルフォードです。よろしくお願いいたします」

姿勢を正して挨拶をする。どうだ完璧だろ?

「これはこれは、英雄カイン男爵ですね。公爵をやっておりますエリック・フォン・サンタナ・マルビークです。改めてうちのシルクを助けてもらってありがとう」

エリック公爵が笑顔で挨拶してくれる。

「うちの次のシルクになります。これからもよろしくお願いしますね」

エリック公爵がウインクしてくる。そしてシルク嬢を前に出てくる。

「シルク・フォン・サンタナです。カイン様には危ないところを救っていただきありがとうございます」

シルクは、薄いピンクのドレスを著ていた。長い髪は頭の上でセットしお姫様みたいに可かった。

「シルク嬢、ドレスも良く似合ってます。とても可いですね」

高校生プラス五歳の俺だ、五歳児を見ても可いとしか思えないし。

だが、効果抜群だったのかシルクは顔を真っ赤にしてしまった。

「カイン様ほんとに似合ってます?」

「うん。とっても似合ってるよ。素敵ですシルク嬢」

「カイン様もその蒼の服とっても素敵です。カイン様にとても似合ってますわ」

二人の世界にっていると、エリック公爵がわざとらしく咳き込んだ。

「ガルム辺境伯、カイン男爵は五歳で、そこまでの扱いになれてるのは、大丈夫なのですか?先々心配ですなぁ」

思い切り皮に聞こえた。まだ五歳になんてしないよっ!

「いやはや、姉のレイネがお転婆でしてな、気を付けないと機嫌を悪くするのでそれで慣れているのかと」

二人で笑っている。

「それでは、またあとで」

と言って、違うグループにっていった。シルクが小さく手を振ってくれたので振り返す。

「カイン、の扱いに慣れすぎてやしないか?」

こっそりとガルムがカインに聞いてきた。

「レイネ姉さまは、おだてるとご機嫌になりますからね。相手の顔みて気をつけるようにしてるんです」

「ほんと五歳らしくないな」

苦笑いするガルムだった。

ガルムの知っている貴族たちに挨拶を回っていたら、やっぱり先日の敘爵のことと、オークたちを殲滅した話になった。他にも年上と年下のどちらが好みかとか……。ガルムの言ってた通りだ。

やはり親としてみれば、上級貴族の嫡男に娘を嫁に出したいらしい。それか敘爵されて獨立した貴族かだ。五歳で敘爵されたということは優秀だと思われてるのかもしれない。まぁ派手に殲滅戦なんてやったから當たり前か。

親からの言葉に、當たり障りない言葉で返事をしながら、挨拶を回った。

しの間、會談して々と挨拶して回っていたら、急に音楽がなった。靜かになったあとに陛下と王妃、第三王テレスティア王殿下が出てきた。

陛下が中央の椅子に座り、その橫には王妃が、反対側にはテレスティア王殿下が座った。

一段高いところにいたが、白いドレスでティアラを乗せていてとても可かった。

薄く化粧もしているみたいだ。

他の子供たちも、ボケーっと見とれている。

そして陛下の挨拶がはじまった。

「今日は遠いところから集まってもらって謝する。今ここにいる子供たちは、今年五歳の洗禮をけたものだ。將來、この國にとって中樞で働いて國が発展するように日々努力してもらいたい。それでは乾杯をしよう」

來場者がグラスを持つ。子供達はもちろんジュースだ。

「乾杯」

「「「「「「「「「「乾杯」」」」」」」」」」

乾杯が終わったあとは、皆、子供を連れて陛下のところに挨拶にいく。

その辺は、ガルム任せだ。できればあの陛下とそんなに話したくもないし。

何を仕組まれるかわからないし。

「そろそろ陛下のところにいくぞ」

ガルムに聲をかけられ、陛下のところに向かう。

「これは陛下、テレスティア王殿下おめでとうございます。三男のカインでございます」

「カイン・フォン・シルフォード男爵でございます。本日はお招きいただきありがとうございます」

ガルムとカインが挨拶する。

「ガルム、カインよ、よく來てくれた。今日は楽しんでくれ」

「カイン様、今日の服も素敵です。よくお似合いです」

陛下にテレスティア王殿下だ。

「テレスティア王殿下もとてもしいです。出てきたときは、天使が現れたかと思いました」

テレスティアが真っ赤になっている。

「ガルム、どうやったらこの、こんなスケコマシに育つんだ? 見てみろテレスを」

真っ赤な顔して、次第に手で両頬を抑えクネクネしていた。

陛下もガルムも苦笑いしかできない。

「そういえば陛下、本日は獻上したいものがありますのでお持ちいたしました。アイテムボックスから出してもよろしいでしょうか」

カインが陛下に許可をもらう。

「うむ。構わんぞ」

陛下が頷く。

カインはアイテムボックスからひとつのセットを出した。リバーシだ。しかも王家に獻上するものとしてこれだけで金貨一枚した。

「王都のサラカーン商會と手を組み、開発した娯楽品になります。名前を『リバーシ』といいます。商業神様に登録を行い、今後販売する予定でございます。まずは販売する前に獻上をと」

「うむ。娯楽品とな。カイン、この式が終わったら応接に案する。これの話を聞きたい。良いな?」

無言の圧力がきた。

ただの獻上品のつもりが、面倒なことになりそうな予

「わかりました。終わりましたらお伺いいたします」

冷や汗を垂らしながら返答する。

次の人も待っているので、橫にずれる。

テレスをみたが、まだ顔を赤くして妄想しているみたいだ。

「カイン。知らない間にそんなことまで手を出してたのか」

ガルムも呆れ顔だ。

「先日、母上とレイネ姉さまと買いに行ったときに、グラシア領でのお披目會にきてもらっていた商會の人と會ったのです。それで相談をさせてもらって作ってみました。まだいくつか持っているのであとで渡しますね」

「まったく、魔法、剣技、アイテムボックスの次は商売か。良くやるわ」

「男爵を拝命して、給金が出るとのことでしたが、もらった屋敷の維持を含めると、足りないかもしれないと思い、商売を考えました。ただ、私では信用もありませんし、商売できないのでアイデア料をもらって販売することにしたのです」

「わかったわかった。カインももう敘爵されたし立派な貴族だ。自分で責任を持ってやってみるとよい。私はこれから々と回るつもりだ、たまには子供らしく子供達だけで話してこい」

「カイン、変な子に引っかからないようにね~」

そう言ってガルムとサラは行ってしまった。

やっと開放された。これからは報収集してみよう。

カインは子供たちのグループに向けて歩いて行った。

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