《転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~》第二十四話 自宅お披目會1

人員も全てそろった。

これで安心して、のんびりと生活ができるなって思ったら、父親から一言言われた。

「新しく王都に屋敷を構えた貴族は、お披目パーティーを開く必要があるからな、早めに開くようにしろよ」

え?なにそれ?

「そんなものを開く必要があるのですが……」

「最近は新たに敘爵される貴族はないからな。嫡男に譲るのはあるが。新しく貴族になったものはお披目をし、各貴族に挨拶をするのだ」

あたらしく來た執事のコランに目を向けた。

「存じております。執事の見習いをしている時に習いました。リストについては後日、叔父のセバスと打ち合わせを行う予定になっておりました」

執事としても優秀だった。とても助かった。

「そうだな、セバスに教えてもらうとよいだろう」

そう言い自分の馬車に乗り帰っていった。

ロビーには、コラン、シルビアをはじめうちで働いてくれる人たちを集めた。

「仕事をしている最中にすまない。改めてカイン・フォン・シルフォード男爵です。まだ子供ですが々と助けてもらうこともあると思います。どうぞよろしく」

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カインが挨拶をする。

「「「「「「「よろしくお願いいたします」」」」」」」」

皆頭を下げて挨拶をしてくれる。

「それじゃ、まず、さっき言ってたお披目會のリスト作だね! 手紙を送らないといけないし」

セバスの助けもあり、リストを作し案狀を送った。お披目會は二ヶ月後だ。

手紙が屆くのも十日以上かかる貴族もいるからだ。王都におらず土地を治めている領主は代理を出してくるか、お祝いの手紙だけで済ますことが多いそうだ。

パーティーのたびに王都に來ていたら大変だもんね。

王都の貴族たちにも一応手紙を出している。出したくなかったコルジーノ侯爵にも出した。

エリック公爵とマグナ宰相には案を出したが、陛下には出していない。

コランに聞いたが、王家に案を出すこと自ほとんどないそうだ。出しても公爵ら上級貴族だけとなる。

新人男爵のために王家に案を出す人はいないでしょ。

を出してから十日ほど経った時、王城から出廷するように連絡がきた。

今回は自分の馬車に乗り、王城へ向かう。歩いていこうとしたらコランに止められた。

「それだけはやめてくださいっ。貴族としての対面があります」

止めるのに必死だったので、言うことを聞いて馬車に乗った。

王城につき、案されるいつもの応接室。ここは紅茶もお菓子も味しい。

し時間が経ち、陛下、エリック公爵、マグナ宰相がってきた。

陛下がご機嫌ナナメな顔をしている。マグナ宰相は相変わらずだがエリック公爵は笑顔だ。

陛下が話始めた。

「カインよ。なんだか屋敷のお披目會があるらしいの。エリックとマグナのところには案狀が屆いてるのだが、わしのところには來ておらんのだ。なぜじゃ?」

目を細めてこっちを見てる。

機嫌が悪い理由はこれかよ。

「敘爵したのはわしじゃ。そしてテレスティアの婚約者であるお主が、なぜ未來の妻の父親に案をださないのだ? エリックはわしのところに案狀を見せつけて自慢しやがったのじゃぞ!!」

「カインくんを攻めるのは駄目ですよ~。お披目會で陛下を呼ぶのは普通の貴族ではできないでしょ」

エリック公爵がフォローしてくれる。

「そこじゃ! お主は普通の貴族ではない! そしてわしの未來の義息子だ。なぜよばない?」

王城に呼ばれた時にこうなるかもしれないと、コランから言われていた。

アイテムボックスの中には案狀がっている。

「いえ、陛下にはお手紙ではなく、直接渡したほうがよろしいのではないかと持ち歩いておりました。ただ、なかなかお伺いすることができず申し訳ありません」

謝りながら、案狀を差し出す。

「うむ! そうじゃろう。エリック、言ったじゃろ? ちゃんとわしの分があるはずだと」

エリック公爵もマグナ宰相も苦笑いしている。

「當日はテレスティアも連れて行く予定だ。料理に酒、楽しみにしておるぞ」

さすがに忙しいらしく、案狀を手に取り、ご機嫌で部屋を出て行った。

「カインくんも大変だね~。男爵の就任と屋敷お披目で陛下が來ることなんて絶対ないのに。あの調子だと絶対行くね!頑張ってね~」

エリックも出て行って一人になった。

「ふぅ。コランの言った通りだったか。持ってきてよかった」

ため息しか出ないカインであった。

馬車に乗り、自分の屋敷に戻る。ことの次第をコランに話した。

「陛下がお見えになるのですか、それなら相當な準備をしないといけませんね」

「料理や酒に関しては、父上にも相談しよう。料理人も來てもらうように手配しておく」

次の日には、ガルムのところに向かった。

「なにぃっ!!! 陛下までくるだと!!!」

最初からそれだ。

「普通は來ないし、案狀を出すのも失禮だということで出さなかったのですが……」

ガルムに王城に呼ばれて、陛下とのやり取りを話した。

ガルムはため息をつき、椅子に寄りかかる。

「その対応で間違っていない。案狀を持ってなかったら不機嫌だけでは済まなかっただろう。それにしても料理人はこちらからも応援を出す、他に必要なものはあるか?」

「私兵の騎士も貸していただければ、まだ私兵と呼べるのは誰もいませんので。あと料理とお酒ですかね。食などはこちらで用意します」

ガルムの約束を取り付けてから屋敷に戻った。

まず、うちで働く人を全て集めた。

「今回のお披目會だが、陛下も來ることになった。皆、大変だろうが頑張ってほしい」

最初のその一言で、メイドがめまいを起こした。

「パーティーをするにあたって、食などを購する必要がありますがどうしましょうか」

コランが訪ねてくる。

「それは、僕でなんとかする。カップも含めてだ」

世界辭典ワールドディクショナリィと創造制作クリエイティブメイクを使う予定だ。魔力は十分にある。食もグラスも全て作ってしまおう。

「コラン、サラカーン商會のタマニスさんに酒の手配を頼んでおいてくれ。細かいものも頼んでいいですから」

「カイン様わかりました」

一通り、手配が済んだあとはカインしかできないことだ。

ホールに置いてあるテーブルのところに行き、魔力を高める。

「グラスで有名なのはベネチアンガラスだよなやっぱり。つくり方は世界辭典ワールドディクショナリィで調べてどんどんつくるか」

調べたものを次々と作り出していく。グラスも數種類つくり、皿も大量につくった。

お土産にはベネチアンガラスのペアグラスだ。

途中、シルビアが見に來たが、グラスの余りにも綺麗さにうっとりと見れていた。

フォークもナイフも勢いでつくってしまった。他とそんなに変わらないからいいよね。

あとは料理の容だ。

せっかくのパーティーだ。誰もが驚く料理を出したい。

こんな時こそ前世の知識とレシピだ。

材料名は違う場合でも同じような味を整えられるはず……。

レシピを々と調べて、料理長と打ち合わせをした。

試作を繰り返し、満足いくものが出來上がった。

そうしてお披目會當日を迎えた。

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