《転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~》第二十五話 自宅お披目會2
お披目會當日を迎えた。
事前準備は十分に出來ていた。ガルムの家からも手伝いにきてもらっている。
カインは次々とくる來客に挨拶をしていた。
陛下はし遅れて參加と聞いているので安心している。
いきなり來られたら他の來客が困すると言われ気を利かしてくれたみたいだ。
案狀全ての貴族が來るわけではなく、領地からお祝いの品と手紙だったり、代理のものだったりした。順次案係がホールへ案する。
エリック公爵はシルク嬢と奧さんを連れてきてくれていた。もちろんホールにて驚きの聲を上げたのは言うまでもない。
「最初のホールから驚かせるとはねぇ~。しかもこの屋敷こんなに新しくなかったよね?」
エリック公爵の鋭いつっこみをカインにいれた。
「この家で將來住むんだぁ」
と暴走気味のシルクの一面もあった。エリック公爵は隣で苦笑いをしている。
來た客全てが、最初のホールでドラゴンに圧倒される。
ホールにった瞬間にSS級の魔の剝製が飾られているのだ。驚かないはずがない。
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最初に來た客がホールで悲鳴をあげたこともあり、事前に説明するようにしている。
そして來客はパーティーホールにはいってまた圧倒される。
この世界では金屬のグラスが多い、市民は木でできているカップを使っているのだ。
テーブルに並べられているグラスは全てヴェネチアンガラス製にしてみた。
この世界では作れないのがわかっているからだ。
皿にも綺麗に模様がっている。
最初日本工蕓のガラスのグラスを用意しようかと思ったが、この世界は中世ヨーロッパ風に近い、それならヨーロッパのガラス工蕓のほうが良いかと思ったのだ。
ひたすら魔法にてグラスと皿を作り、最後は魔力がなくなり気絶した。
料理も順次運んでいる。今回の料理は前世のレシピから選んだのだ。
この世界の食事では、やはり上級貴族よりいい食材を集めるのは難しい。
それなら完全に切り離して異世界の料理にすることにした。
ローストビーフ、ハンバーグ、フライドポテト、からあげなどこちらにはない料理だ。
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そしてドリンクはシャンパンをつくった。この世界の基本はワインだ。炭酸の飲み自がないのだ。ただし、炭酸の苦手の人もいると思うのでもちろんワインも用意してある。
子供用のノンアルコールシャンパンももちろんある。僕もそれだ。まだ五歳だし。
世界辭典ワールドディクショナリィのおかげでなんとか出來上がった。
案狀を出した人のほとんどがきた。こなくていい人は來てないので助かったが。
貴族と同伴した家族含め百人近い人がホールにった。
そして時間になり開演となった。
カインが中央の壇上に立つ。
「本日は、お忙しい中若輩な私のためにお集まりいただきありがとうございます。縁あって陛下より男爵の位と屋敷を拝領いただき、今日無事にお披目をすることができましたカイン・フォン・シルフォードでございます。ささやかではございますがお酒と食事を用意させていただきました。本日はお楽しみください。それでは乾杯」
「「「「「「「「「「「乾杯」」」」」」」」」」」」
乾杯用で用意したのはシャンパンだ。
「なんだこのグラスはっ!? ガラスで出來ている、しかもこのしい模様はいったい。しかもこのシュワシュワした飲みはなんだ!? 覚と甘さがたまらん」
あちこちで驚きの聲があがる。
功である。
珍しい料理も口にした貴族も驚いている。ハンバーグなんてこの世界にはなかったのだ。
らかな食と溢れ出るに旨さを噛み締めながら喜んでいる。
出席してくれた貴族は良いだ。
「カイン! あとでこの料理のつくり方教えろ!」
手伝ってくれているガルムまでこの有様である。レイネに至っては料理のところから離れない。
「父上、料理長にレシピを渡してありますから、今後家でもつくれますよ」
「この飲みといい、料理といい初めてだ。今度その報を教えろよ」
さすがに前世の知識とは言えないし、適當にごかましている。
「カインくん、このグラス素晴らしいね。どうだろう。私のとこにもし卸してくれないかな?」
エリック公爵だ。
「今日來ていただいた方には、お土産としてこのグラスをペアでつけてお渡しする予定ですよ」
「おぉ。それはありがたい! できればこの飲みもしいな」
「では、數本一緒に用意させましょう。冷たくして飲むのが味しくいただけるコツです」
「うんうん。ありがとう。ほら、あそこを見てみなよ。普通は男を捕まえるには胃袋をって言うけど、シルクのほうが捕まえられてるね」
笑って、指を向けた先には、レイネと一緒にご飯に夢中になっているシルクだった。
シルクも気にってもらえたようでよかった。
そのままエリック公爵と雑談をしていると、コランがこちらにきた。
耳元で囁いてくる。
「陛下と王妃様、テレスティア王殿下がお見えになられました」
「うん。わかった。お迎えの準備をしよう」
そうして、壇上に向かう。
「楽しい會談の途中で申し訳ありません。ただいま陛下がお見えになられました。これから場いたしますのでよろしくお願いします」
また驚きの聲が上がった。男爵程度のパーティに王がわざわざ來たのだ。
普通ならありえないことだ。
そして扉が開き、王家の方々が場してくる。
全員がその場で膝をつき禮をとる。
そのまま壇上まであがり、カインの隣に立つ。
「皆、會談しているところを済まないな。うちのテレスティアを助けてもらった小さな英雄のお披目じゃからこさせてもらった。主役はカイン男爵じゃ、気にせずに楽しむとよい」
そう言って、陛下が壇上から降りて、食事のテーブルに向かった。
メイドが皿に料理も盛り、陛下に差し出す。
一緒にシャンパンとワインもだ。
「むむ。なんだこのグラスは? ガラスで出來ておるじゃないか。しかもこの模様。カイン! これはどうした?」
「ははっ、ここにあるグラスと皿は私が作りました。料理に関しても助言させてもらっております」
「し王家に回せ、代価は払う」
「わかりました。出來ましたら獻上いたします」
「うむ。それにしてもこの料理はなんだ?このはらかいのにが溢れ出してくる。この料理もお主が考えたのか?」
「はい。うちの料理長に助言して作ってもらいました。「はんばーぐ」といいます。褒めるなら料理長をお願いいたします。よろしければレシピをまとめてあとで王城に獻上いたします」
「助かる。カイン、今日はこれてわしは満足じゃ。テレスもそうじゃろ?」
「はい、お父様、カイン様、今日はお招きいただきありがとうございます」
「いえ、こちらこそ。このような場所に來ていただきありがとうございました」
「あとカイン、聞きたいことがある。あのホールのドラゴンはお主が倒したのか」
陛下の顔が一瞬真面目になった。
「……はい……。その通りです」
「うむ。わかった。お主の実力も含めてな。後日また話し合うことになりそうだな」
「……わかりました陛下」
陛下から離れた時に、コランが來た。
「コルジーノ侯爵が嫡男ハビット殿と一緒にお見えになられました」
面倒なのが來た。もう來ないと思っていたのに。
仕方なく口のホールに向かう。
玄関ホールの扉を出たところに、向かうと馬車から二人が降りてきた。
「なんだ小さい建じゃの。こんな犬小屋みたいなとこでお披目してるとは男爵もたかがしれておるな」
「父様、そうですね、うちの屋敷に比べれるまでもありません」
「これはこれは、コルジーノ侯爵閣下、ハビット殿も本日はありがとうございます。小さな屋敷ですか是非ともゆっくりしてください。ホールにご案いたしますのでどうぞ」
カインは知らない振りして玄関ホールを開ける。
なにも知らない二人は、口にった瞬間、目の前にあるドラゴンをみた。
「「ヒィィィィィ。ド、ド、ドラゴン……」」
二人揃って腰を抜かしてそのまま逃げようとした。
「これは申し訳ございません。これはドラゴンの剝製でございます。グラシア領は魔の森のとなりにございますので、そこで狩った魔を展示させてもらっております」
カインが頭を下げる。顔は相変わらず黒い笑顔だが。
持ち直した、コルジーノ侯爵が息巻く。
「品を置かず、このようなものを置いておくとは品がないの。さすが辺境の出ということか」
かなり強気に出てくる。
「はい、まだ蕓がよくわかっておりませんので、飾るものがございません。これからご指導ください」
「うむ。わかった。これからも指導してやろうじゃないか」
し気持ちの悪い笑顔を見せながら、コルジーノ侯爵が言う。
「もう全員いらっしゃっておりますので、ホールへご案いたします」
カインが頭を下げて案する。
「うむ。主賓はやはり遅れてでないとな」
「父様、男爵風のパーティですから出席者もたかがしれております。はやく行きましょう」
一番の主賓は王家の人たちだが、あえてそのことは口にしない。
エリック公爵やマグナ侯爵もいるけどね。
そして、ホールを開けて中に案する。
コルジーノ侯爵とハビットを王家の人たちが視線にらないように案する。
「炭酸がった飲みです。ハビット殿にはアルコールがっていない飲みになっておりますのでご安心してお飲みください」
「男爵程度の飲みなど、たかがしれておる、はやくだせ」
メイドがすぐに來てグラスを渡し、シャンパンを注ぐ。
グラスをもって、その豪華さに驚く。
そして一口飲んで、さらにコルジーノ侯爵は驚いた。
「これはすごい。このグラスもそうだが、酒もうまい」
文句をつけるつもりがつい本音が出てしまったみたいだ。
メイドが料理も取り分け、目の前に置く。
一口食べて、目を大きく開く。
「なんだこの食べは。今まで食べたことがない!」
「沢山用意してございますので、ごゆるりとお楽しみください」
取り分けた料理を親子が食べ盡くしていく。
テーブルマナーも出來ていない狀態だ。
周りにいる、子爵、男爵クラスも冷たい視線をおくる。
酒をどんどんあおっていく。
「カイン男爵、このグラスをよこせ。あと酒と料理のレシピもだ」
「それはさすがにできません。本日來て頂いた方にこのグラスのペアをお渡しいたしますので」
「二つでは足りん。百はよこせ。侯爵が使えばお主も株があがるじゃろ」
「さすがにそれは侯爵様でも、申し訳ありませんが了承できません」
「なんだとっ。侯爵の言うことがきけないのか?男爵風が」
あ、そこまで言っちゃった。
もう、後ろにいるのに。
「それは橫暴ではないのかな?」
「うるさい、下級貴族の男爵は上級貴族の侯爵の言うことを聞けばいいのだ!」
と言いながら振り返る。
「ふむ。それではわしもお主に言えばいいのかな」
コルジーノ侯爵が青ざめる。
振り返った先には陛下がいるのだから。しかも陛下に対して「うるさい」と言ってしまったあとだ。
「こ、これは陛下。申し訳ございません。陛下がなぜこのような下級男爵のところへ」
重そうな腹を抑えながら片膝をつき挨拶をする。
「なぜかって? 娘のテレスティアを助けてもらった相手だ。來て當然だろう。なにかあるのかな?」
「い、いえ。そうでございますね」
「それでじゃ、さっきのグラスをよこせだの、レシピをよこせとか騒いでおったが、本気で言ってるのかな。そういう態度を常にとっているなら、この國の貴族としてふさわしくないので今後のことを考える必要があるが」
王が真顔で問い掛ける。
コルジーノは酒で赤かった顔が一気に青ざめる。
「滅相もございません。あまりのグラスの出來栄えと酒、料理の完度の高さにして教えてしいと乞うたのです」
「ふむ。それなら良いが、あまり飲み過ぎるなよ」
そう言って、陛下がまたさっきまでいたテーブルに戻っていった。
コルジーノ侯爵は立ち上がり、周りを見渡す。
周りの下級貴族の子爵や男爵たちだ、冷たい目線が突き刺さる。
「きゅ、きゅ、急用があったのだ。ハビットよ、今日はもう帰るぞ。カイン男爵すまないな急用があったことを思い出した。これにて失禮する」
「急用なら仕方ありませんね、大したこともできずに申し訳ありません」
頭を丁寧に下げるカイン。
「うむ、それでは失禮する。ハビットいくぞ」
「待ってください、父様」
二人は逃げるように帰っていった。
やっと邪魔な二人がいなくなったくれたことで一息つく。
「おつかれさま、見てたよ」
ドリンクを持ってきてくれたのは、シルク嬢だった。
「わざと煽ったのね、あちらから陛下たちが見えないようにしてたし、カインくん頭下げているとき、顔が黒い笑みでにやけてたよ」
痛いとこをつかれた。やっぱり見てる人は見てると思ったカインだった。
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