《転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~》第二十六話 自宅お披目會3

お披目會も終盤に差し掛かる。

お酒も進めば、トイレにも行きたくなる。

この屋敷のトイレはとても特殊だ。シャワー洗浄付トイレだからな。

案の定、聲が上がった。近くにメイドを待機させて説明して納得してもらう。

陣には好評のようだ。まぁ男陣はそこまで使う機會がないしね。

「カイン男爵、あれはなんですの! あれがしいですわ!」

カインの肩をいきなり摑み、問いかけてきたのは王妃だった。

「王妃様、シャワー付洗浄トイレにございます。魔石を組み込み作ってみた試作品になります」

カインが素直に答える。実際に設置されているところは、この屋敷とガルム邸だけだ。

サラとレイネの二人掛りでつけるように言われては仕方ない。

メイドたちの使用人用トイレにもつけてあげたら、泣いて喜ばれた。

そんなに嬉しいものだったのかな。

「すぐに商品化しなさい! あれは革命です。必要なものです!」

王妃様は興気味だ。

「なにがあったのだ? そんなに興して……」

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陛下がまざってきた。

「なにかじゃありません。トイレに行ってみなさい。あれをすぐに王城につけるようにお願いしてたのよ」

「うむ……。良くわからんが、わしも行ってみるか」

王は案されトイレに向かった。

そして數分後に戻ってきた。顔は赤くし気分は良さそうだ。

「カインよっ! あれは明日にでも王城につけるのだ! わかったな!!!」

まったく同じ反応だった。

ちなみにテレスティアもシルクも同じ反応だった。し恥ずかしそうに言ってくるのがとても可かった。

「わかりました。まだ試作品ですがしありますので、早々にお付けするようにいたします」

「まったくカインは想像のナナメ上をいくわい」

取り付けてもらえることになって、ご機嫌な陛下と王妃だった。

お披目會も終わり、來ていただいたお客様にはペアグラスをお土産に持って帰ってもらった。

もらった客はみな中を聞いて喜んでいた。

さっきまで使っていたグラスである。実際に帰り際にいくつか買いたいとの話をけているが、今回のパーティ用で全て使ってしまっているため、王家に獻上の後でしたら構わないと伝えておいた。

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このグラスを買えると知った貴族は、大満足して帰っていった。

夫人たちには、グラスよりもトイレに興味津々だ。もうちょっと試作が済んでから販売する予定ですと伝えてある。自分で売るのは大変だし、また商會に任せようと思う。

そして來客が全て帰り一息つく。

「父上、々とありがとうございました。無事に終わることができました」

ガルムに向かって頭を下げる。

「かまわん。私の息子だしな。これで他の貴族たちには顔が売れたはずだ。今後はある程度一人でやらないといけないぞ。まぁカインのことは心配はしていないが。逆にやりすぎる気がして心配だ」

「そこらへんは自重しながらやっていくつもりです」

カインも苦笑いするしかなかった。今回のパーティは自重をしなかったし、異世界のことを取りれてやらせてもらった。

手伝ってもらった人たちに手當として多の銀貨を支給したら、皆喜んでくれた。

メイドたちは一ヶ月働いて、大銀貨一枚なのだ。一日頑張って三日分の給與をもらったと思えば喜ぶしかない。

これからも頑張ってもらわないといけないしね。

パーティの次の日に王城のトイレを設置するために伺った。

數がないので、王家のプライベートスペースだけ先行して取付を行った。

土から出來て低級の魔石だけで、代金として白金貨をもらった。

敘爵のときにもらったのも使いきっていないのにどんどん増えていく。

トイレ設置も終わり數日、のんびりしていたら、また王城からの呼び出しがきた。

男爵を毎回呼び出す王様って……と苦笑いしながら、自分の馬車に乗り王城へ向かった。

もちろん、何かあるかもしれないとヴェネチアンガラスのグラスを十セット用意しておいた。

最初はこれくらいで十分だろ。

いつもの応接室に案され、味しい紅茶とお菓子をいただく。

またリバーシの相手かなーって気楽に考えていたら、陛下と宰相がってきた。

「またせたな、この間はご苦労だった。わしも楽しませてもらったぞ。それにしてもお主も結構黒いところがあるのだな。五歳のくせに。この間の時はコルジーノにわしがいるのを教えなかったろ」

「いえいえ、初めてのパーティでしたから、そこまで気が回らなかっただけです。そんな悪意があった訳では……」

「まぁよい、あのグラスのほうは出來上がったなら買い取るぞ」

「今日はないですが十ほど用意いたしました。こちらです」

テーブルの上にグラスを十並べていく。

陛下が一つとり、グラスを眺める。

「うむ。素晴らしい出來だ。これはお主以外も作れたりするのか?」

「魔法を使い作っているので、なんとも言えません。おかげで魔力切れで一度倒れました」

「うむ。そうか。まぁ良い、定期的に王城へいれてくれ。代金は……一つ金貨一枚でいいか?十枚で

白金貨一枚じゃ」

「えぇぇぇぇぇ……」

あまりの金額に驚く。

「なんじゃ、不満か? それなら一つにつき金貨二枚だすぞ」

材料代無料の魔法だけつくったものが、白金貨になった。

「いえ。金貨一枚で十分です」

「うむ。それなら良い、すぐに用意させよう」

陛下が手元にあった鈴を鳴らす。

すぐにノックが鳴り、執事が部屋にってきた。陛下が話すと頭を下げて出て行った。

「すぐに代金を持ってくるようにいった。それでじゃ本題なんじゃがな」

またリバーシかな?

「カインよ、剣技も魔法も一流だな、あのエントランスに飾っていたドラゴンを見ればわかる。あれほど綺麗な狀態で狩るのは相當な実力が必要だ」

陛下が鋭い目で見つめてくる。

「カイン、お主、定期的に近衛騎士団と宮廷魔師の訓練に參加しろ。今はやることはないはずだ。わかったな?」

まったく斷れる雰囲気を出していない。早々に諦める。

「……はい。わかりました……」

五歳にして、近衛騎士団と宮廷魔師の訓練に參加することになった。

「その代わりだが、宮廷魔師の書庫の閲覧許可を出しておこう。お主、魔法の本を小さいころからずっと見てたとガルムがら聞いてるぞ。まだ見たこともない本もあるだろうしな」

すごくありがたい。家にあった魔法書は上級までだった。火の超級『#獄炎地獄__インフェルノ__#』は原理を知っていたからたまたま出來たのだ。他の超級以上については資料がない。

「ありがとうございます! とても嬉しいです」

「なんじゃ、そんなときだけは五歳児か。おぬし。見たい容は五歳児じゃないがな」

顔に出てたのかな。

「あと陛下、お願いがあるのですがよろしいでしょうか」

カインが尋ねる。

「無理なことでなければ、構わんぞ」

「まだ五歳ということもあり、冒険者登録ができません。グラシア領にいたときに倒した魔がいるのですが売ることができません。王城で素材を引き取ってもらうことができますか」

「魔の素材なら喜んで引きけよう。ゴブリン程度の低級はいらんぞ。ある程度の素材なら流通に回しても、研究にしても々と使い道があるからな」

答えてくれたのはマグナ宰相だった。

「うむ。それくらいなら構わないだろ。逆に王家が潤うことになるしな」

陛下も同調してくれる。

「アイテムボックスにっているので、いつでも出せます。どこに置きますか」

「それなら、近衛騎士団の詰所の倉庫がいいだろう。あそこからなら運びやすいはずだ。私から連絡しておこう」

陛下と宰相の許可が出たのが大きい、アイテムボックスの容量的には問題はないが、いつまでもれておきたくない気持ちもある。

「うむ。今日はリバーシもやりたいが……」

陛下が宰相の顔を見てる。

「なりません。本日は會議もありますし、時間があまりないですからね」

宰相に言われ陛下は落ち込んでいる。

「なら仕方ない。カインまたそのうちな」

陛下はそのまま席を立って、部屋を出て行った。

「そのまま近衛騎士団の詰所に行くと良い、話はすぐに通しておく」

宰相はそう言って、王の後を追っていった。

カインは部屋を出て、近衛騎士団の詰所に向かった。

口で要件を伝え、中にると、見知った顔があった。

「お、久しぶりだね、英雄カイン男爵」

近衛騎士騎士団副団長のダイムだった。

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