《転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~》第十五話 護衛の仕事

ナルニス商會の資産は全て國に沒収された。國の拠點全てを含み全て國の管理となった。

そしてマティアスも火事があった日の夜に暗殺された。もちろん一緒に収監されていた冒険者たちも含めてだ。

衛兵詰所の牢屋に収監していたが、何者かの侵により、警備しいていた衛兵と共に、朝、死として見つかった。

後日、その事をマグナ宰相から聞いたカインは憤りをじた。

「それで証拠は……?」

「それが、商會はあの通り、そしてマティアスの自宅も何者かに荒らされて全て持ち去られていた」

王城の応接室でマグナ宰相とカインの二人は、今回の事件の事について話し合っていた。

「そういえば……リル、いえ、リルターナ殿下から聞いたのですが、ナルニス商會は裏では上級貴族が後ろ盾となっていると、捉えた冒険者達がらしていたと……」

「その件についてだがな……十中八九コルジーノであろう。彼奴は証拠だけは殘さないようにしとるからの。証拠があれば問い詰められるが、今回はすでに何も殘っていないだろうな……。これで大人しくしておればいいが……」

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今回は、グレーという事でコルジーノ侯爵は何も処分はけていない。あくまで、取引上で商會に同行した時に事件と出くわしただけということで処理されている。コルジーノ侯爵は外務大臣ということで他國との調整をしているが、卒なく仕事もこなす為、解任するわけにもいかないとマグナ宰相からも言われた。

そして最後に國王からの伝言が伝えられる。

「カイン卿、そういえば陛下からの伝言がある。『屋敷ごと真っ二つは愉快じゃった。まぁ証拠がないからどこの誰かがやったのかは知らないけどな』とのことだ」

「――本當にそうですね……どんな天災があったんでしょうかね……」

カインは苦笑いしながらそう答えるしかなかった。

「犯人はわかっているのにな……」

王城の帰りの馬車の中でカインは呟く。

しかし、コルジーノ侯爵邸を破壊したのもカインだと國王含めわかっていたが罪に問うことはない。

それと同じことだった。しかし平民の中で起きた事件よりも、上級貴族の屋敷が破壊された方がインパクトは強く、貴族の中では有名な噂話となっていた。

「気分晴らしで依頼でもけるかな……」

カインは屋敷に著くと、早々に冒険者の格好をし、屋敷を出て冒険者ギルドへと向かう。

王都のギルドはやはり付の人數も多い。

「今までレティアさんだったんだよな……擔當が……」

依頼表を見るが、掲示板にはBランクまでしかられていない。Aランク以上の依頼は直接付嬢へと確認する必要がある。

カインは知らない付嬢の場所へ並び、順番を待つ。

五分ほどでカインの番となり、聲を掛ける。

「いらっしゃいませ。冒険者ギルド王都本部へようこそ。ご依頼ですか? それとも冒険者登録……?」

まだ十代の付嬢は、カインを見て、そのさと依頼表を持っていないことで相談か登録だと思い話しかける。

「いえ。何か依頼をけようと思っているのですが、多分エディンさんに聞いたほうがいいかなと思って。あの……驚かないで下さいね」

「えっ……何を驚くって……?」

カインはそっと冒険者ギルド証をテーブルに置く。もちろん白金プラチナのSランク冒険者証だ。

そのギルド証を見て、付嬢はぶのを抑えるように両手で口を抑えた。

々お待ちください。すぐにギルドマスターに聞いてきます」

付嬢は焦ったように席を立ち、奧へとっていく。そして數分で戻ってきた。

「ギルドマスターがお會いになるそうです。ご案いたします」

「ありがとう」

カインは付嬢の後を追い、ギルドマスター室へと向かう。

扉をノックし、カインがきた事を告げると、すぐに室許可が出た。

「おぉ、義弟カインくん、よく來てくれた。君はもういいよ。二人で話したいから」

「はいっ! 失禮いたします」

カインが室すると、付嬢は張した様子で扉を閉めた。

カインはソファーに座ると、エディンが紅茶を二つ淹れテーブルに置いた。

「急にすみません。たまには何か依頼をやろうと思ったんですけど……前はレティアさんがいたから……」

「たしかにそうだよね。レティアは頑張っているかい? リキセツのお守りも大変だと思うけど」

エディンは笑いながら紅茶に口をつける。

「上手く回っているみたいですね。代のアレク兄さんからも何も言われてないので問題ないかと思います」

「そっかー、それなら良かった。まぁレティアは優秀だからね。逆にここから抜いたから、こっちが大変だよ。それで依頼だよね……カインくん、護衛とかやってみる気ないかな?」

「護衛ですか……?」

カインは學園に通っていることで、長期に渡り王都を空ける依頼はしていない。

しかもカイン本人は貴族當主であり、それが明るみに出れば問題が起きる。特に貴族が絡む場合はどうなるかわからない。

「いやぁ、面白い依頼があってね。カインくんでも問題ないかなと思ってさ。もちろん、一人でける訳じゃないよ? 護衛の中に紛れ込む形にしてもらいたいんだ」

「面白い依頼って……それはし気になりますね」

「実はね、護衛の対象は貴族の子息なんだけど、々とあってね……向かう先はーー」

エディンは依頼について説明していく。

説明が終わった時には二人とも笑みを浮かべていた。

◇◇◇

週末の朝一番、豪華な馬車を數人の私兵の護衛と冒険者が取り囲んでいた。カインもその中におり、他に四人の冒険者たちがいた。

四人の冒険者たちは、まだ人してし経ったくらいに見える。男が二人ずつの四人のパーティーであった。

そのうちのリーダーと思える男の冒険者が愚癡を言う。

「なんで、こんな子供まで面倒みないといけないんだよ。まったくギルドも何考えてるんだか……」

「そんな事言わないの。私たちだって初めての街に行くんでしょ。街を知っている人がいないとね。君、名前何て言うの? 私はニナリーよ。このうるさいのはリーダーのラゲット、あとはクロスとマインよ」

「初めまして、カインと言います。二日間よろしくお願いします」

カインは護衛の四人に頭を下げて挨拶をする。

ラゲットは舌打ちをして、依頼主の元へ向かった。

「お待たせしました。用意ができました。これから出発します」

ラゲットの言葉に、馬車の小窓が開く。

「はい、出発してください」

小窓からは若いの聲が聞こえる。そして者が合図をすると先頭の馬に乗った私兵が進み、その後、馬車がき始め、次に荷馬車がき始める。

そしてラゲットから聲が掛かる。

「じゃぁ行くぞ。ドリントル・・・・・へ向けて!」

カイン達は、カインの治めるドリントルへと向けて出発した。

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