《転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~》第十八話 恐怖の象徴
レリーネと宿で一度別れ、カイン達は別の宿へと向かった。
行き先は『貓の和み亭』だ。事件があった時に、大幅に改裝して食堂は綺麗になっている。
食事も期待できるし、問題はない。
カインはラゲット達を引き連れて宿の扉を開けた。
「こんにちはー!」
カインの言葉に、振り返ったエナクがカインだとわかると満面の笑みを浮かべた。
「カインお兄ちゃん! 來てくれたんだ!? 今日はご飯? 泊まり!?」
尾を揺らしているエナクの頭をでる。
「今日は僕は泊まれないけど、お客さん連れて來たよ。四人二部屋なんだけど大丈夫かな?」
「うん、大丈夫!!」
「なら、良かった。みんな大丈夫だって」
カインの言葉に四人は、ホールを見渡し満足そうにする。
「この宿、綺麗! あと、何この子!? すんごい可いんだけど!!」
ニナリーがカインを押し退けエナクに抱きつく。
「ちょっとおねーさん!?」
いきなりの対応にエナクも驚きの表をするが、ニナリーに抱きつかれきが取れない狀態となっていた。
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賑やかなホールに、気になったのかヒミカも廚房から出てきた。
「あ、カイン様。いらっしゃいませ。皆さんお泊りでよろしいでしょうか?」
「僕は泊まらないけど、四人をお願いね」
カインが伝えると、ヒミカは頷きチェックインの作業をする。二部屋分の鍵が渡され注意事項が説明されていく。
「カインくんも一緒に泊まればいいのに……ってここに家があるのかぁ……」
「うん、そうなんですよ。まだ用事もありますしね。一度荷を置いて、冒険者ギルドに行きましょうか」
カインも依頼の提出があり、一度行く必要がある。ラゲット達も片道分が完了した報告をする必要があった。
四人は階段を上がって部屋の確認に向かった。
「エナク、四人の事頼んだよ。あとーー領主だってことは緒でね」
「うん! わかった! みんなには緒でね。またご飯食べにきて……ね?」
首を傾げる仕草に思わずカインもエナクの頭をでると、嬉しいのか満足そうな表をしている。
四人が部屋から降りて來たので、挨拶をした後にギルドへと向かう。
「それにしても良い宿だねー。さすが地元! 部屋も綺麗だったし、私も満足よ」
ニナリーは笑顔でいい、他の三人も頷いた。四人を連れて街を歩くが、賑やかな商店會など活気があるのが見て取れる。四人も興味津々に眺めながらカインに著いて行った。
「ここがギルドですよ」
「「「「おぉ……」」」」
ドリントルのギルド會館は王都に匹敵するくらいの大きさがある。四人も思わず建を見上げた。
カインは気にせず、扉を開け中にると、一気に視線が集中する。
――――そしてギルドにいるほぼ全員が視線を逸らした。
中には震えている者もいる。
カインのことを知らない冒険者もいるが、周りに尋ねて顔を青ざめさせる。
そんなことを知らない四人は、靜まりかえったホールで周りを見渡し首を傾げる。
「カインくん、ここのギルドってこんなに靜かなの……? みんな下を向いてるし……」
「……いえ……そんな事はないはず……です……」
この狀況にはカインも苦笑しか出來なかった。自分で今までやらかした事だから仕方ない。
そのまま空いている付の前へと立つ。
顔を上げた付嬢、ツバキもまた驚きの表をする。
「すみません、依頼が完了したのでお願いします」
カインは完了のサインがされた依頼表を出すが、返ってきた言葉は予想外なものだった。
「?! カイン様!? ギルドマスターをお呼びでしょうかっ!? それともレティアさん!? もしかして――私のをご所!?」
思わず、頭にチョップをした。
「痛っ!?」
痛みで頭を抱える付嬢に、依頼書を差し出す。
「……依頼の完了です……」
「――ドラゴンを倒す依頼は出しておりません……が?」
無言で再度、頭にチョップをした。
その様子に思わず後ろから聲が掛かる。
「カインくん! 付嬢に手を出したら駄目でしょう!」
「――そうですね……。ごめんなさい。あと……レティアさん呼んでもらえるかな」
「はいっ! ただいま!」
付嬢は颯爽とカウンターの奧へと消えて行く。そして一分もしないうちに戻ってきた。
「個室にご案します。こちらへどうぞ」
付嬢の後を追い、カインとともに四人も著いて行く。しかし四人は依頼の報告のためだけに個室に案されることなど今まで一度もない。不思議に思いながらカインの後を追う。
案された個室は十人程がれる個室で、付嬢は「すぐに來ますのでお待ちください」と一言だけ告げ退出していった。
「なんか、ここのギルドおかしくない? ホールは皆、靜かだったし。依頼の報告程度で個室に通されるし……」
「そうだよな……今まで個室なんて通してもらったことなんかないぜ?」
各々が想を言っていくが、カインは冷や汗をかくことしかできない。
まだなんとか領主だということはバレていないだけマシだと思いながらカインも頷く。
そしてすぐに部屋がノックされ扉が開かれた。
レティア、そしてその後ろから――リキセツもってきた。
「…………」
「「「「えっ……」」」」
呼んだと思われる付嬢が室したと思ったら、その後から恐怖しかじないツルツルのマッチョがってくれば、誰でも驚くであろう。
カインとしてもさすがに想定外だった。
四人はリキセツのオーラに圧倒され、ガチガチに固まっている。
「ギルドマスター、ご無沙汰してます……でも、依頼の報告だけですよ……?」
「いやいや……カインさ……くん……の顔を久々に見ようとね……?」
ぎこちない対応にカインは苦笑いする。それを察してかレティアが口を挾む。
「ギルドマスターは仕事があるんですから、部屋に戻ってくださいね」
「それもそうだな……」
レティアに促され、渋々とリキセツは退出していく。
リキセツがいなくなった事で、ラゲット達四人も張がほぐれたのか大きくため息をついた。
落ち著いたところでレティアが自己紹介をする。
「か、カイン……くんは知ってるけど、他の人たちは初めてよね? この街のサブギルドマスターをしてるレティアよ」
「「「「えっ……」」」」
ギルドマスターの威圧で驚いていたが、大人とはいえがサブギルドマスターだとは思ってもいなかった。
張した様子で四人も自己紹介をしていく。
そして、依頼書をテーブルに置いた。
レティアはけ取った依頼書の容を確認していく。
「レガント伯爵家ね……」
チラリとカインの顔を見たレティアが、また書類に視線を落とす。そしてサインを書いてラゲットに戻した。
「片道の護衛お疲れ様でした。し滯在になると思うからゆっくりするといいわ。依頼書を付に出せば片道分の依頼料は貰えるはずよ」
「は、はいっ!」
「カイン……くんも付にだしてね」
「レティアさんありがとう」
張した様子で依頼書をけ取ったラゲット達は、カインと共に部屋を出て付に行き報酬をけ取った。
部屋を出た時は賑やかだったホールも、カイン達がくるとまた靜まり返った。
理由もわからない四人は不思議にじていたが、カインは顔を引きつらせながら無言を通した。
ラゲットが報酬をけ取り、「カイン、早く行こうぜ」と言った時は、周りにいた冒険者たちは顔を青ざめさせていた。
ギルドを後にしたカイン達は、宿に戻りながら先ほどの出來事について話題にあがる。
「やっぱりさっきのギルド、絶対に何かおかしいわよ……」
「いったい何があるんだろうな……、カイン、知ってるか?」
「――いえ……特に何も……?」
「だよなぁ……」
不思議がる四人の後を、苦笑いしながらついていくカインであった。
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