《転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~》第九話 ギルドからの呼び出し

流石のカインもネイル達の変化には驚きを隠せない。

「クロードさん、ネイルさん達と知り合いだったんですか?」

カインの言葉にクロードは懐かしそうな表を浮かべ、逆にネイルはし照れ臭そうな表をする。

「何年前だったかな……。護衛依頼でこの街に初めて來た頃だったかな? リナとミリィ、ニーナの三人がコイツらにナンパされてな。ちょっと教育したんだよ。それから、こんなじだ」

「兄貴! 恥ずかしいじゃないですか。そんな何年も前の事。それにしても兄貴がカインの事知ってるとは驚きですよ……。カインは有名なのかもしれないけど……」

最後は言葉をし濁す。他のメンバー達はカインのランクを知らないから、ネイルはし配慮した。

「カインはい頃に、ミリィとニーナが家庭教師をしてたんだよ。俺は王都に來てからの付き合いだけどな。それよりも、ネイル達はなんで知り合ったんだ? もしかして……コイツに絡んだとか……? 五満足で良かったな」

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ガハハと笑うクロードに、全員が苦笑をする。

「いやいや、路地裏でカインの事を襲った冒険者がいて、逆に全員のされてましてね。ギルドに運ぶの手伝ったとこだったんですよ」

「……カインに襲撃。馬鹿な奴もいたもんだな……ご愁傷様としか言えないな」

「本當よね……。アースドラゴンを相手にしてた方がよっぽど楽だし」

リナの言葉に、ミリィとニーナも頷いた。

その言葉にネイルは生唾を飲み込み、カインに視線を送る。

理解ができないリッグ達は首を傾げながらも話に聞きる。

「それで……襲撃した奴らは? コイツを襲ったならそれなりの処罰が下るだろ?」

クロードの言葉に、ネイルは口を開く。

「街中の襲撃なら、基本はギルドカード剝奪の上、犯罪奴隷行きですね。でも今回は――」

「その事だけど、襲撃した奴らは『依頼』と言ってたんですよ。それでギルドが調査をすることに……」

その言葉に、クロード達の表は引き締まる。

「依頼でカインの事を襲撃だと……? 依頼者は、この街を滅ぼしたいのかね。戦爭でも仕掛けるつもりか……?」

「クロードさん! 言い過ぎですよっ。僕がそんなことするわけないじゃないですかっ!」

クロードの言葉をカインは即座に否定する。

しかし、リッグ達の視線はカインに集まる。

を知らないリッグ達は、カインに襲撃するという事は、街を滅ぼす事や戦爭に繋がると言われたら、畏怖の念が出るのは仕方ないことだった。

「クロード、言い過ぎよ。確かにこの街を一人で滅ぼすのはできるかもしれないけど……。カインはそんな子じゃないし」

「――確かにいえてるな」

クロードとリナの言葉に、ミリィとニーナが頷くが、ネイル達は驚愕の表をする。

出來ないではなく、しないだけだと言う。それだけの実力があるのだと察せられた。

(確かに……魔法一発でこの街を吹き飛ばすのは可能といえば可能だけど……)

「まぁ、そんな事を言っても始まらないしな。それよりも――カイン。そろそろ夕飯の時間だけど、宿で食べなくていいのか?」

その一言にカインは驚愕の表をする。

午後は自由時間となっていたが、それは夕食の時間までである。

「あっ。すぐに宿に戻りますっ! ここの支払いはこれで払っておいてください」

カインは金貨を一枚テーブルに置いて席を立ち、挨拶をした後、急いで駆けていった。

「さすがカイン。Sランクの冒険者だけに太っ腹だな」

しかし、その言葉にリッグ達は目を見開く。ネイルだけは知っていたからか、表を変える事はなかった。

「……兄貴……。今、Sランクって言いました……?」

リッグから疑問の聲が上がった。

「あれ? ギルドカードの提示させられるから知ってるんじゃなかったのか?」

「いや、俺は立ち會ったから知っていたけど、リッグ達には知らせてなかった……です」

小聲で言葉を返すネイルとは別に、リッグ達三人はガチガチに固まった。

リッグ達もギルドランクによる強さの基準は理解している。自分たちもBランクであり、Aランクである、クロード達の実力に関しても。そしてSランクの冒険者というものが天災級であり、各國に片手の指が余る程しかいない。

目の前にいる、まだ人もしていない冒険者がSランクなど、普通、信じられるものではなかった。

もしも、自分たちがあの襲撃者の立場だったら……と、思うとゾッとする。

「ハイハイ、もうカインはいないからこの話はお終い」

「……そうだな。お前たちはどうだったんだ?」

リナの言葉で締められ、話題を変えられていく。

リナからしたら、カインはいくら知り合いとはいえ、エスフォート王國の伯爵であり、上級貴族當主である。

先程までの話の流れで、カインは自分の事を話しているようには思えなかった。

格的に何を言っても不敬罪となど言うとは思えないが、それでも自粛は必要だと考えた。

特にクロードは、いつも一言多く、リナに説教をされるほど勢いで言ってしまう。先程のSランクの件についてもそうだった。

もし、酔った勢いでカインの素などを話してしまう可能もある。

ここは自分が引き締めていかなければ、と思うリナであった。

そしてカインがいなくなった酒場では、その後も飲み會が続いたのだった。

◇◇◇

なんとか夕食の時間に間に合ったカインは、テレスティア達と雑談をわす。

三人は買いをして満足そうにしていた。各國と貿易をしているこの街には、の心をくすぐる商品が多々あり、年頃になったテレスティア達にとっては堪らないものだったらしい。

食事が済んだカイン達は、次の日の予定を教師から伝えられ、早々に部屋に戻った。

そして、時間そこまで経たないうちにカインは教師から呼び出しをけた。

「カイン、ギルドの方が見えられてる。出來れば同行してほしいとのことだが……。何かあったのか?」

「……特には。僕も冒険者ですし、ランクがランクですからそういう事もあるのかもしれません」

「そうか……。明日の朝にはこの街を出るから、早めに帰るようにするんだぞ」

「はい」

教師もカインがSランクの冒険者である事は知っている。高ランクの冒険者が街に來たら、その街のギルドは挙って囲い込みをするだろう。しかし、カインはエスフォート王國の貴族である。

他國に移る事はないと分かっているが、ギルドからの呼び出しには応じないといけないのは理解していたので、素直に送り出してくれた。

迎えにきた付嬢、カエラとともにギルドへと向かう。

「カイン様、申し訳ございません。実はすぐに襲撃犯のバンザさん達に依頼した者についてはわかったのですが……」

歩きながら説明をするカエラの表は冴えない。きっとそうなる理由があるのだろう。

十五分程歩き、ギルドへ到著すると、カエラは一番豪華な個室へとカインを案した。

しここでお待ちください。すぐに呼んできます」

カエラが退出して數分で扉が開いた。

ってきたのは、サブギルドマスターのフォルトと、恰幅の良い四十代手前に見える男、そして護衛と思われる騎士二人だった。

カインの対面に二人が座り、護衛の騎士はフォルト達の後ろに控えた。

「カイン殿、この時間にきてもらって済まなかったな」

フォルトが軽く頭を下げる。

「それで……どうなったのでしょうか? 晝間の件ですよね」

「あぁ、その事なんだがな……」

フォルトは苦蟲を噛み潰したような顔をし、隣の男に視線を送る。

「わしが、この街の代議員のマルフ・バンテーガという。今留置所にいる冒険者達を即座に釈放してもらいたい。要は――なかった事にしろと言う事だ」

「…………あ?」

カインはマルフから出た予想外の言葉に思わず聲がれたのだった。

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