《転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~》第十三話 闘技場
朝を迎え、食事を済ませたカイン達生徒一行は街の見學となった。
問題となる議會の見學は明日となっており、今日は教師引率でタンバールの施設を見學する事になっている。
教師が先導の元、カイン達は街を歩いて行く。
「タンバールは議會だけじゃなくて、娯楽も多いと聞いてます。オークションがあったり闘技場もあったり……ってカイン様、絶対に出たらだめですからね」
テレスティアの言葉に思わずカインは苦笑する。
たとえ誰が來ても負けることはないが、學園の研修で闘技場に出ることなど、まずない。もし出場などしたら、國に戻った後に國王から何を言われるかわかりきっている。
闘技場には行くが、今日は観客として見學する事になっていた。
「面白いのが観れるといいなぁ……」
カインはそう呟きながら街を見學していく。
々な施設を見學して、晝食を済ませ、そして――闘技場の見學となった。
観客席はどこから集まったのか、すでに満員の狀態である。
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老若男問わず賑やかな聲援が響きわたっていた。
生徒達はエスフォート王國からの見學ということで、貴賓席に案され、し高い位置からの見學となる。
貴賓室は、常にメイドが常駐しており、飲み等は頼めばすぐに出してもらえる。
また、席も観客席のベンチとは違い、一人掛けの椅子が用意され、屋もついており快適な環境となっていた。
「そろそろ始まりそうですね。えっと……最初の試合は……えぇっ!?」
テレスティアが配られたプログラムを確認し、聲を上げる。
カインも手に持っていたプログラムに視線を落とし思わず口元を緩めた。
最初に出てきたのは、冒険者三人組と――鎖に繋がれたオーガであった。
係員數人で鎖を引っ張り中央の位置までオーガは運ばれていく。
そして司會の聲が會場に響き渡った。
「それではお待たせしましたっ! 本日最初の試合です! オーガ対Dランク冒険者の戦いです。それではーーはじめっ!」
司會の言葉と同時に、鎖が解き放たれオーガは雄びを上げる。
三メートルを超えるから、響き渡るような雄びが上がると、観客達はさらに熱狂した聲援が上がる。
それに合わせたように冒険者たち三人は広がっていき、二人は剣を構え、一人は魔法の杖を構え詠唱を始めた。
オーガは三人を獲として認めたのか、一人の冒険者へと向かっていき拳を振りかぶる。
その拳をわした冒険者はそのままオーガの腕を斬りつけた。腕からを流し後ずさるオーガに、観客席の聲は大きくなっていく。
続いて魔法使いから頭サイズの火球ファイヤーボールが放たれ、オーガの顔面に直撃すると、それに合わせて二人がオーガに斬りかかっていく。
數分後にはオーガは息絶え地に伏せていた。
冒険者たちは観客の聲援に剣を振りながら応える。
「すごい戦いでしたね……」
「うん、本當に」
生徒達からも聲が上がるが、カインにとっては所詮ただのオーガであり、気にする相手でもないのでのんびりと眺めていた。
その後も、いくつかの戦闘が行われていく。
Aランクの地竜アースドラゴンが出てきた時には、観客の聲援も最高となった。
「それでは今日、最後の一戦となります。まずは戦士の紹介をしましょう! イルスティン共和國で最高のSランクの冒険者、赤竜の牙のガームズだぁぁぁぁぁぁ!」
「「「「「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!」」」」」
空が割れんばかりの聲援が上がった。
そのガームズと紹介されて登場した男は、鍛え上げられたを皮鎧でを包み、自分の長ほどの幅広な両手剣を肩に乗せゆっくりと現れた。
この世界で現在の最高ランクはSランク。
各國が好待遇を持って囲い込みをする程に貴重な存在である。
Aランクとは一つしか違わないが、実力については格段の差があり、國が認めない限り選ばれることはない。
カインはチートな能力でそれ以上あるが、普通の人がそこまでり上がるには、実力だけでは不可能である。
ガームズへと送られる聲援は止まることなはかったが、それを止めるかのように司會は言葉を続ける。
「ガームズの相手をするのは――――先日、捕らえられた”魔族”だっ!!」
「「「「「おぉ!!!!」」」」」
闘技場の大きな扉が開かれ、頑丈な檻が運ばれてくる。
そして、中央近くに置かれた。
(魔族って……セトたちのことだよね……)
「ちょっと教えてしいんだけど、この國での魔族の存在って……?」
カインの言葉に後ろに控えていたメイドが口を開く。
「この國では、見つけたらすぐに捕縛して処刑になります。一律に魔族は”悪”として見られています」
一禮して下がるメイドに禮を伝え、闘技場に視線を送る。
表には出さないがカインの中では葛藤が湧き上がる。カインにとっては魔族に嫌悪はない。
逆に無理矢理捕らえた”魔族”を処刑することに嫌悪を抱いたのだ。
しかし、國の方針によって敵対する種族は異なる。魔族だけでなく、獣人を敵視する國もある。
特にマリンフォード教國では人族以外は認められないというほどであった。
(もし、これをセトが知ったら……、もし知ったら確実に戦爭になり――この國は確実に終わる。どうにかして止める方法は……)
「カイン様、顔が悪いですよ……? 大丈夫ですか?」
隣の席についていた、テレスティアから聲が掛かる。考え込んでいたカインの表は険しくなっていたのだ。
「……うん、大丈夫。ちょっと考えることがあったから……」
視線を檻へと向けながら返事をする。
そして魔法鍵が開けられ、檻が開かれた。
そこから出てきたのは――――一人のだった。
年はカインよりも上であるとわかるが、まだ人を迎えたあたりであろう。
腰までばした真っ白なストレートな髪、真っ赤な瞳、黒いローブを羽織っていた。
そして――――額から出ている五本の角。
顔の作りは人といえる。いや、相當なだった。
そしてその姿に観客はヒートアップする。
「――角が五本、上級貴族以上が角が四本って言っていたけど……」
以前にセトから聞いていた言葉を思い出し、カインは呟く。
確実に事が明るみに出たら問題になることはわかりきっている。
どうにかして止める事はできないかと考えている中、闘技場の戦いは開始されたのであった。
◆◆◆あとがき◆◆◆
いつもありがとうございます。勢いあまって新しいキャラを出してしまった・・・。
この先どんな展開にもっていくか悩んでる最中です。
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