《転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~》第二十九話 國家間

ドリントルで二日間の休息を経て、カイン達一行は王都へと戻ってきた。

學園の正門で馬車を下り、一同整列する。

々とあったが誰も怪我することなく無事に戻ってこれてよかった。今週は學園は休みとなるが、來週から普段通りとなる。今週は家でゆっくりとを休めてくれ。では、解散」

生徒たちは迎えにきた馬車へ乗り込み、各自の家に戻っていく。

カインもコランが迎えにきた馬車へ乗り込もうとしたが、後ろから聲がかかる。

振り向くと、近衛騎士が立っていた。

「シルフォード卿、王城より召集がかかっております。このまま王城へお越しください」

カインはため息を吐き、コランに視線を送るが、首を橫に振るだけだった。

「……コラン、では王城まで頼む」

近衛騎士団の導でカインの馬車は王城へと向かった。

王城へ到著すると、カインは従者の導でいつもの応接室へ案され、席についた。

「もう説明はしてあるからな……。あと、何かあったかな……」

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程なくして、國王を筆頭にエリック公爵、マグナ宰相、ダイム副団長、そして父親のガルムが部屋へとってきた。

カインは一度立ち上がり、臣下の禮をとる。

「まぁ、座ってくれ。ガルムも到著したばかりで呼び出して悪かったのぉ」

「いえ、陛下からのお呼びとあらば……、それで……今回は……」

カインがいることに、きっとまた何かをしたのかとガルムの脳裏に不安が走る。

「カインがいれば不安になるのも仕方ない。今回は相手の出方によっては、イルスティン共和國とーー戦爭になる可能もある」

「な、なんとっ!? 一何が……」

カインが同席していることに、不安しかないガルムにマグナ宰相が説明をしていく。

説明を聞きながらガルムは「またか……」という表をする。

しかし、全ての説明が終えた時には、予想以上の出來事と、これからのことを考え表を引き締めた。

「…………わかりました。すぐに兵の準備を済ませておきましょう」

エスフォート王國は周りに、バイサス帝國、イルスティン共和國、マリンフォード教國に囲まれているが、敵対していたのはバイサス帝國のみとなっており、辺境伯として獨自に兵士を持ち、敵國と戦うことが出來るのはガルム辺境伯が治めるグラシア領だけであった。

もし、戦爭が起きた場合、グラシア領から兵士が駆けつけることになる。

しかもグラシア領の兵士は、近衛騎士団よりも強いかもなど噂が流れるほど屈強であった。

ガルムは顔を引き締め、大きく頷く。

「まぁ、正直言えばカイン一人いれば戦爭は負けることはないんだがな……。だが、カインはまだ未年じゃ。戦爭に參加させることはできん。一番は戦爭を回避することなんだがな……」

國王の一言にカイン以外の全員がため息をつく。

誰もが否定できない事実であるからだ。

「エリック、渉については任せたぞ」

「わかりました。渉についてはお任せを」

カインも當事者として渉に參加するつもりでいたが、國王より「ここは大人に任せておけ」の一言で外されることになった。もし、戦爭になることがあっても、カインは參加することはないと念押しされて伝えられた。

「そして國のことじゃが……」

話題はイルスティン共和國からエスフォート王國、國の話に変わっていく。

コルジーノ侯爵の死去、バルド子爵の捕縛。他にもコルジーノ派の數人が不正に関わっており、次々と捕縛されていた。

急で王都から數人の代や査察が、兵士とともに各街へと派遣されている。

一時、領主としての権限を全て凍結し、直轄領と同じ扱いになっている。

ガルムも初めて聞いた事案がいくつもあり、腕を組み眉間にシワを寄せていた。

今、まさにエスフォート王國にとって、急の事態となっており、安定した統治を行うために早急な決定が必要であった。

特にコルジーノ一派が治めている街は、イルスティン共和國側に面しているのが多く、張が高まる中、早々に渉をする必要があった。

すでに特使を早馬にてイルスティン共和國の議會宛てに向かわせている。

當初、エスフォート王國側からイルスティン共和國へ渉を行う代表団を派遣することも議題に挙がったが、今回は王國は被害國であり、加害者側であるイルスティン共和國が來るのが正解であろうということになり、自の説明を行うための特使が送られている。

そして二週間後、イルスティン共和國から渉を行う代表団が訪れた。

カインも當事者として、一度説明する機會があり、代表団と顔を合わせたが、カインの顔を見た代表団は震え上がっていた。イルスティン共和國としては、議員の職は解かれたとはいえ、闇ギルドと結託しイルスティン共和國として襲っている。

しかも同行していた生徒には、王、公爵令嬢、そしてバイサス帝國の皇までいた。

エスフォート王國、バイサス帝國の二大國家に対して宣戦布告と見なされてもおかしくはない。

どんな無理難題を言われたとしても、イルスティン共和國の代表団は斷ることは出來ない。

斷った先にあるのはーーーー戦爭しかないからだ。

二國間の渉は數週間にも及ぶことになった。

そして渉の末、莫大な賠償金と、領土の分割が行われることで決著がついた。。

それでもイルスティン共和國としては、戦爭を起こすよりはマシだと結論を出したのだ。

賠償金額については、莫大となるため、とても一度に払うことは出來ない。

十年に亙りエスフォート王國へ支払われることになった。分割したとしてもイルスティン共和國には大きな負擔になる。

渉を主で対応したエリック公爵も満足した様子であった。

イルスティン共和國からの代表団は、焦燥にかられた狀態で帰國していった。

そして、今回の説明を行うことと、國の貴族を引き締めるためにエスフォート王國の貴族たちに急で召集がかけられた。

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