《ヘヴンリィ・ザン・ヘヴン ~異世界転生&長チート&ハーレムで世界最強の聖剣使いにり上がる語~》1章10話 挑発のあとで、決闘を――(4)

控えめに言っても、最高だった。ゆえに、アリエルは口の端を吊り上げる。

この年は可能の塊だ。ここで倒してしまうのが本當に惜しい。立場と今置かれている狀況さえ違えば、この自分、アリエル・エルフ・ル・ドーラ・オーセンティックシンフォニー侯爵が直々に魔の神髄を叩きこんでもいい。それぐらい、この年には見どころがある。

の適は低いとどこかで聞いたことがあったが、これぐらい魔の原理に通しているのだ。アリエルはロイが騎士學部の學生であることを、心底、恨めしいと思う。

彼が考案した消滅の焔は、新たな魔の戦として、教科書の1ページに載るレベルなのに。

「――殘念だ」

「なにがですか?」

「學生の分でありながら、ここまでこの私に食い下がってくるのに、屆かないことが」

「確かにボクはズタボロですけど、魔が使えない狀態の魔師が相手なら、聖剣を使えるボクの方が――」

そこでロイの言葉は終わった。目の前から殘像を置いてアリエルの姿が掻き消えたと認識した次の瞬間、ロイの腹部にアリエルの肘鉄が撃たれる。

次に、流水のような作で、アリエルはロイのあごに掌底を叩きこんだ。

わずかにロイのが宙に浮く。

これをいいことに、アリエルはロイの足が地面から1cmほど離れたタイミングで、彼の腹部に回し蹴りを、一発。

鈍くて重い、弾けるような音がして、ロイは回し蹴りの衝撃で後方にすっ飛ばされてしまうではないか。

「――カハッッ、ァ」

「こんな気持ちは初めてだ。敵とはいえ、前途が明るい若者を倒してしまうのが、本當に悔しい。こうして今、決闘に臨んでいる私自ですら、君のことを応援している」

5mほど飛ばされたロイは、ステージの上で數回バウンドして、最終的には床に打ち捨てられたまま吐する。臓、特に腹部のが傷付いたのだろう。

だが、それを意に介さず、ロイはエクスカリバーを杖のように地面に立てて、それを支えに立ち上がる。

「――強化の魔

「そうだ。決闘が始まった時點で、予め自分のにキャストしておいた」

言うと、アリエルは疾風はやてのごとくロイを薄にする。

しかし今のロイに、アリエルから距離を取る余力はない。

あごにアッパー、腹部にジャブ、脇腹に右フック。連打連打、連撃に次ぐ連撃。

意識を刈り取る、鋭い、まるで剃刀かみそりのような連続打撃。

「――――ッ」

翻って、なるべくロイもアリエルの攻撃の間隙をって、エクスカリバーを振るう。しかしアリエルは斬撃を最小限のき躱し、ロイの剣を1回避けるたびに、そのせいでガラ空きとなった部や腹部に、拳や蹴りを撃ち込んだ。

そして――、

數分後――、

ロイはボロ雑巾のように毆られ続けていた。

命を失う寸前で、ロイはなんとか立ち続けている。

しかし本當にそれだけだ。立ち続けているだけで一切の反撃はできていない。躱されるとかそういう次元ではなく、攻撃をけるだけけて、もう、剣を握っているだけで振うことができていなかった。これではただのサンドバッグである。

「嗚呼、この年は――」

ふと、アリエルは攻撃をやめた。

観客席からはシーリーンたちの悲鳴が聞こえてくるも、アリエルはそれを無視して、ロイの肩を優しく押す。

すると、ロイは背中からステージの床に倒れてしまう。

この年は、気絶したまま立っていたのか。

あろうことか、気絶したまま、アリエルの攻撃をけていたというのか。

見事だ、と、アリエルは心の中でロイに呟く。紛うことなく、本心だった。

よほど娘を奪われたくなかったのだろう。ロイの信念は稱賛に値する。流石、聖剣に選ばれし者にして、ゴスペルホルダーだ。そこらへんの同年代の學生とは、気絶して倒れてもなお、面構えが違う。

「ロイ君、私は君に、本當に引け目をじている」

「――――」

「だが、アリスは連れていかせてもらう」

「――――」

「アリスのことは申し訳ないが、君の前途を、心より期待している。進したまえ」

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