《ヘヴンリィ・ザン・ヘヴン ~異世界転生&長チート&ハーレムで世界最強の聖剣使いにり上がる語~》2章12話 解答保留のプロブレム(3)

「手順はこうです。今は結構ですが、まずはエクスカリバーを顕現させます」

(エクスカリバーを使って変裝? ダメだ、もっとヒントがほしい)

「そのあと、ロイさんには雙剣流をイメージしてもらい、エクスカリバーの複製をしてもらいます」

(うん……、雙剣流、つまり二刀流なら簡単にイメージできる……。実行可能なはず)

「本ではない複製の方のエクスカリバーの重さを10gとか50gとか100gに。大きさは口にれて飲み込めればどの程度でもかまいません。材質は食べてもを壊さないようなで。なくとも、胃などによる消化は前提にしてください」

「…………は?」

「必然、エクスカリバーはロイさんのになります。経過を観察しながら慎重に行いますが、これで理論上、なくともロイさんは自分の形ぐらいならある程度、魔を使わないのに自分で変えられるはずです。吸収されたとはいえ、実質、顕現している狀態のエクスカリバーをに埋め込んでいるわけですから。あとはその吸収されたエクスカリバーに、サイズ変更のイメージを流し込むだけです。それと、ご安心ください。萬一の場合でも、私のヒーリングなら完全に治せるはずですし、イヴさんもいますし、究極的には局所的に時間を巻き戻すこともできますので」

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「「「「「「「「えぇ…………」」」」」」」」

かなり狂気的な意見だった。

とんでもない提案をされたロイ本人はもちろん、シーリーンとアリスも、イヴとマリアも、ヴィクトリアとクリスティーナも、そしてあのレナードでさえ、アリシアの発想にドン引きを隠せない。図らずとも8人の聲が重なってしまう。

また、エルヴィスは(もちろん、なんか直的にダメな行いのような気もするが……、じゃあ魔強化したり変したりするのと、いったいなにが違うんだ……)(発想がぶっ飛んでいるだけで、やっていることは魔で行うそれと変わらないような気がしてきた……)と悩み始め、シャーリーは(率直――アリシア様、発想がキモイ)とバッサリ斬り捨てる。

「い、いえ! 待ってください、お姉様! 剣って金屬の塊ですよね!? 常識的に考えて、そのようなを食べたら死んでしまいます!」

「う、うん! アリスの言うとおりだと思います! 仮にヒーリングが毎回上手く功するとしても、お腹に激痛が奔るような気もするし……。もしロイくんがそうなったら、シィは……」

「アリス、シーリーンさん、勉強不足ですよ。常識的に考えて、分を正しく調整すれば金屬の塊であろうと、ある程度の重さまでは飲み込めます。ねぇ、ロイさん?」

「ほぇ? えっ? えええええ!?」

「そっ、ッ、そうなの、ロイ!?」

「……、……、……理的な事実だけを言うなら、パッと思い付くだけで、カリウムの場合、2800mg前後、ナトリウムとリンは3000mg未満、カルシウムは2500mg未満、マグネシウムは350mg未満、鉄40mg未満、亜鉛30mg未満、マンガン10mg未満、銅7mg未満、ヨウ素とセレンが3mg未満で、モリブデンなら0・5mg未満……。うん……、その……、えっと……、こういうじの條件を守れば問題ない……はずだね。もちろん、他にも様々な工夫を慎重に凝らす必要はあるけど、食べられるか否かで言えば、実は食べられるよ……」

「ほぇ? な、なに、ロイくん? せれん? もぶりでん?」

「この國でそれに該當する言葉を知らなかったから、翻訳できなかっただけなんだけど、そういうに必要な金屬が存在するんだよ」

「いえ……、でも、ロイ……、それって……、確実にを壊すんじゃ……」

「ううん……、むしろ普通の食生活だけじゃ不足しがちな栄養素も補えるはずだから、即効はないけど、長い目で見ればかなりのプラスのような気もするかな……」

「いや、待て、ロイ。そういう問題じゃねぇ」

「ロイ様……、あなたの格はよく理解しているつもりですし、それを人として誇らしい格とも思いますわ。ですが、任務に必要とはいえ、なんか、こう……、もっと、こう……、ねぇ?」

流石にあのレナードでさえロイに対してジト目を向け、ヴィクトリアに至っては自分の抱いているを言語化できなくなってしまっていた。

「コホン、さて、これも現実問題、ロイさんは私に弟子りをしましたよね?」

「はい」

「えっ、ロイくん、そうだったの!?」

「ロイを弟子に!? なんて羨ま――……」

アリスが言い切る直前、パチン、と、アリシアが指を鳴らすと、シーリーンとアリスに猿ぐつわがはめられた。

そして同時に、妹が猿ぐつわをはめている姿を見せたくなかったからだろう。巻き添えを喰らい、レナードは目隠しをされてしまう。

(なんで俺まで……)

「その時、休暇が終わったら、なんらかの形でファーストミッションを與える、とも」

(お兄ちゃんが、休暇……?)

(休暇? 弟くんが? いつ?)

(きゅ、休日出勤、ですわ……。行政指導の対象ですわ……)

「確かに自分でも自分の発想をしだけ気持ち悪いとは思いました。ですが、発想そのものが気持ち悪いのであり、辿り著く結果は強化や変形と同一のモノのはずです」

3人に心でツッコミをれられていることなどほども知らず、アリシアはロイに真剣な瞳で語り掛け続ける。

「一応、補足説明しておきますと、これは約束していたファーストミッションではありません。あくまでも師匠が、弟子に、これをこうすれば強くなれるのではないか、なくとも可能な技が増えるのではないか、と、可能を提示しているだけです。それは神様に誓って本當だとご理解ください」

「はい」

「今回の任務の変裝も、食後の1エクスカリバーが難しいようでしたら、なくともロイさんの裝は諦めます。効果は低くなりますが、別のやり方で正を誤魔化しましょう。そのためのサブプランも資料に載せておりますし」

(アリシア……っ! エクスカリバーは錠剤じゃない! 言い方を考えろ!)

(やはり胃薬の手配が必要でございますね!)

(発見! ――もしかしてやり方次第で、遭難してもロイ様が死することはなくなるのでは!?)

「それを踏まえて――ロイさんはどうしますか?」

アリシアの雙眸がロイに問う。

愚問だった。ロイの答えはすでに決まっている。

「やります。強くなるためなら」

「ふふっ、流石ロイさん、私の弟子、第1號です。素晴らしいですわぁ」

(((((((((えぇ…………)))))))))

(悲報――私めの好きな男が同僚によって開発されている件について……)

ここでようやくシーリーンとアリスに著けられていた猿ぐつわ、レナードの視界を覆っていた目隠しが解除される。

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