《ヘヴンリィ・ザン・ヘヴン ~異世界転生&長チート&ハーレムで世界最強の聖剣使いにり上がる語~》2章17話 遅延限界のステータスオープン(1)

「あっ、それと、これも重要なことですが、戦力の確認、互いに互いの魔師としてのスペックを把握し合っておきましょう」

言うと、アリシアは全員に配布した資料とは別に、鞄から今回のミッションに參加する人數分の用紙を取り出した。

たまたま一番上にあったのが自分のモノだったので、テーブルに置かれた瞬間、ロイがそれに何気なく視線をやると――、

「これはまさか……魔ステータス!?」

「? えぇ、ロイさんの言うとおりです。もっとも、初等教育の時に児全員に義務化されている検査より、何倍も、何十倍も度が高いモノですが」

「み、みみ、見ても大丈夫ですか?」

「え……、えぇ、ロイさん自の検査結果ですし、最終的にはここにいる全員で共有するモノですから……。ですが、1つだけご注意を。このコピーは會議終了後、私の方で燃やしておきます。向こうに持っていくなんて言語道斷ですので、丸暗記しろとは言いませんが概要は摑んでおいてください」

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珍しく、そして意味不明に食い気味なロイに、なぜか上であるアリシアの方が気圧される。が、しかし、だとしても特に問題はなかったので、彼は彼にそれを許可してあげることに。

まるで誕生日プレゼントに、ゲームソフトどころか最新の機種まで一緒にもらった男子のように、ロイは瞳をキラキラさせながら自分の検査結果を確認し始める。

が――、

そこには――、

「…………」

「ろ、ロイくん……?」

「ロイ、どうしたの? 大丈夫?」

「オイ、まさか検査結果に間違いがあったのか?」

「そんなまさか……、わたくしも立ち合いましたが、王國の中で一番高度の検査用アーティファクトを使ったのですのよ?」

「…………ぁ、あぁ……」

「? お兄ちゃん?」

「お、弟くん……?」

「お、お水を用意いたしますか……?」

「こ、これ……、魔、が……」

「「「「「「「「………………あっ」」」」」」」」

ロイがテーブルに自らのステータスを置き、それを一斉に確認すると、シーリーン、アリス、イヴ、マリア、レナード、クリスティーナ、シャーリー、計7人の聲が重なった。

ヴィクトリア、アリシア、エルヴィスは彼の検査結果をすでに知っていたから黙っていたのだが、そこに記されてあった容とは――、

無屬:3 炎屬:2

水屬:2 風屬:2

雷屬:2 土屬:2

:4 闇屬:5

時屬:1 空屬:1

「ただでさえ全ての適が4以下だったのに……、よりにもよって、闇屬の適が……、全屬の中で最高になっている……」

「「「「「「「…………」」」」」」」

「ま、まぁ、ロイさん、私も闇屬の適、10ですから……」

「し、っ、心配ご無用――闇屬の魔は魔王軍側の方がよく使うというだけで、べ、別に、そこまで七星団における忌というわけではないので……、死霊さえ使わなければ、その……」

「あ、あれだ、あれ! 闇屬の適があれば、エクスカリバーを魔剣に変換できるだろう? 悪印象ばかりと考えてしまうのは早計だぞ?」

「そ、っ、そもそも、その闇屬に対する適の高さは本來、ご主人様のモノではなくゲハイムニスとかいう不屆き者のモノでございますので……」

「むしろあれですわ! その……、えっと……、そう! 闇に汚染されても戦い続ける勇敢さの方もピックアップすれば、偏見よりも尊敬の念の方を覚える國民もいるはずといいますか……っ!」

「そ、そうですよね……」

気を取り直してロイは1つ目のグラフに注目し直す。

闇屬の適が真っ先に目に映ってしまい、順番を無視してそちらに飛びついてしまったのだったが……、

では、1つ目のグラフの容はというと……、

魔力保有総量:C 魔力度:D

演算処理速度:E 並列演算限界:E

出力限界:D 運用効率限界:F

「――――…… ぁ」

察したロイ。

そういえば今までボク、當然と言えば當然とはいえ……、エクスカリバーをメインに戦ってきたけど……、あれ? もしかして魔の技量で、シィのことをあまり頑張ろうねって言える立場にない……? と、気付いてはいけないことに。

「えぇ、っと……、ロイ様? 魔力保有総量は直的にわかると思いますが、魔力度はいってしまえば、魔力に対しての視力や聴力ですわ。魔力覚も皮覚の一種ですので、敏さをランク付けすることができ……」

「うん……、流石に知っているよ……。演算処理速度はたった1つの魔、その式を組み終える速さを。並列演算限界は同一の演算速度を維持したまま、同時に何個の式を組み終えるかを。魔出力限界は自分が出せる魔の最大出力を。運用効率限界は魔力の燃費を表している、って」

「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」

「そして、このランクは2桁の年齢になったら、大抵変しない、って」

この國で最上級に環境、才能、神様からのに恵まれていたロイであったが、魔に関して言えば下の中、どんなに高く見積もっても下の上の才覚しかなかったらしい。

これはわかりやすく喩えるならばパソコンである。魔力保有総量がメモリーのバイト數で、魔力度が例えばマイクやカメラ、タブの能。演算処理速度がCPUのクロック周波數、並列演算限界がコアとスレッドの數、魔出力限界がグラフィックボードの能で、運用効率限界が電源のプラチナやゴールドやシルバーなどのランク。喩えるならこのようなじだろう。

「と! とりあえず、ロイさんには今後も! 基本的にはエクスカリバーで戦ってもらうとして! ぜ、全員の分を確認していきましょう! えぇ、そうしましょう。これは命令です! では各員、自分の検査結果を取ってください」

どんよりした空気はマズイと判斷して、アリシアは話題の矛先をロイだけではなく、ここに集まった大半の団員に分散させようとする。

と、いうより、そもそも今するべきことはステータスの共有だったので、別にこの提案にはなんの問題もなく、むしろこの流れの方が正常でさえあった。

一方、隊長に命令されたロイ以外の各員は彼に言われた通り、自分の検査結果を見付けて回収していく。

そしてテーブルの上から全てがなくなったのを確認すると――、

「じゃ、じゃあ、まずは私からでいいかしら?」

「えぇ、どうぞ、アリス」

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