《ヘヴンリィ・ザン・ヘヴン ~異世界転生&長チート&ハーレムで世界最強の聖剣使いにり上がる語~》2章28話 再會約束のパーティー(1)
ダイヤモンドの月――、
30日の12時35分――、
もうすぐ、ロイ・グロー・リィ・テイル・フェイト・ヴィ・レイクは國外追放される。
が、しかし彼は今、國境付近ではなく、どこからどう考えても今日中に國外に行くことが不可能な王都、星下王禮宮城の自室にいた。
南側一面の窓から差し込む麗らかな春の日差し。大聖堂や王立図書館などを始めとして、石造りの建が多く並ぶ王都の街並み。自室にはベッドなりソファなりローテーブルなどがあって、完璧にいつも通りだった。逆に、いつもと違うところを見付ける方が難しいだろう。
必然だ。いくら王族の自分が國外追放されるからといって、全ての國民が労働や家事を全て中斷するなんてありえない。ゆえに、窓の外に広がるのはいつもの風景。その上で、ロイはまだ、自らが王族に復帰することを諦めていない。さらに、仲間だってそれを願っているし、それどころか協力だってしてくれる。だからこそ、この自室もこのままでいいと判斷したのだ。いつもらしさを捨てないために。
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とはいえ、この日だけはロイの自室に集まっていた仲間の人數がやたら多かった。
そこにはシーリーン、アリス、イヴ、マリア、ヴィクトリア、クリスティーナ、レナード、アリシア、シャーリー、エルヴィスの他に――、
「きゃ~~~~っっ! 本の王子様♡♡♡ おにぃの見送りにきてマジよかった!」
「先輩、妹がいらしたんですね」
「アァ? うるせぇ、義理だ、義理。義理の妹だ。なんか微笑ましいモノを見るような目で見てんじゃねぇ、ぶん毆るぞ? ――オイ、レア、不敬だぞ。控えろ」
「ハァ? あたしが不敬なら、王子様相手にうるせぇ、ぶん毆るぞ、ってほざいたおにぃはなんなわけ?」
「ったく、何度も言うが、誰に似てこんなクソ生意気なヤツに育ったんだか……」
「結論――何度でも言うが貴方様では?」
「ついでに申しますと、王族や貴族を侮辱、罵倒した場合に不敬罪が適用されますので、はしゃぎすぎている傾向にはありますが、レア様に不敬罪は適用されませんわ」
「ぷっ、アッハッハッ! おにぃ、學習しないわけ? この前もシャーリーさんに同じこと言われたじゃん!」
「あぁ~、確かに先輩の妹ってじがする……」
「おにぃなんか放っておいて、王子様! もしよろしければあたしと握手してください!」
「えっ? それじゃあ――、はい、どうぞ」
「きゃ~~~~っっ♡♡♡ ありがとうございます、ありがとうございます!」
「う、うん……、でもボク、今日で王族どころか國民でもなくなっちゃうんだけど……」
「全然問題ありません! 王子様の記事だけ新聞は毎日読んでいます! 大変だと存じますが頑張ってください! 応援しています!」
「は、ぅ、ぅ……、……、ラ、イバ、ル……が増……えちゃっ、た……」
「いやぁ~、ティナ、この子はライバルじゃないだろ」
リタとティナ、そしてレナードの義理の妹のレアも集まっていた。
正直、ここにこのメンバーが集まってからほんの數分しか経っていないが、いつまでも雑談を続けられると困ってしまう。他もない雑談だって平和を象徴するモノの1つではあるが、まだ終戦は訪れておらず、次の任務だって控えていた。
「さて、王殿下、リタさん、ティナさん、それとクリスティーナさんとレアさんも、各々、恐ですが別れの挨拶を。私とシャーリーさん、エルヴィスさんの目はないモノと思って、自由に話してくださって結構ですので」
「王子様! もう一度言わせてください! 頑張ってください! 応援しています!」
「えっ? うんっ、ありがとう」
レアがロイの両手を自分の両手でギュ、っと強く包み込んで、ブンブン上下に振ってみせる。まさにアイドルとの個別握手會に漕ぎ付けたファンそのものだった。
とはいえ、微妙に面白くなく、レナードは一歩、わざとし大きい足音を立ててレアに近付く。翻り、彼の方もロイの手を放すと、煽るような表で振り返り、己が兄と対峙した。
「オイオイ、流石にそれは俺に言うべきじゃねぇのか? 小遣い減らすぞ? それとも、今度からテメェが嫌いなトマトを、夕食にぶち込まれるのがご所かァ?」
「えっ? なになに? おにぃ、可いw 何歳児ですか~? 自分がれる側にしたって、夕食にトマトをれるよ~、ってwww 嫌いだけど食べられないわけじゃないしwww つーか、おにぃ、可い妹のあたしに頑張って♡♡♡ って言われたかったわけ?」
「悪ぃなァ、レアの神年齢にあわせようと思ったら、俺までテメェレベルのガキになっちまったようだ。つーか、テメェの方こそ、親しき中にも禮儀あり、って言葉知らねぇのか?」
「ハァ? いくら友達だからって? 王子様相手に? タメ口利きまくっているおにぃに? 言われたくないんですけど?」
「減らず口を……っ」
「つーか!」
「アァ? まだなんかあんのかよ?」
心底ウザそうに後頭部を掻くレナード。
そんな兄にレアはズケズケと歩み寄り――、
「いくら制服著る必要がないからってだらしなさすぎ! 私服でオシャレ目的だったとしても、ネクタイもキチンと締めれないわけ?」
「いーんだよ! 息苦しいし、これはこれでカッコよく見えんだっつーの!」
「うわっ! 不良がモテるのって中等教育までだけど、そんなことにも気付かないってマジ? っと、ほら! これでしはマシになったから!」
「ったく、テメェは俺の保護者かよ……」
「あ~、やだやだ、保護者がないと遠出もできない男なんて。あたし以外にいるわけ、おにぃの保護者面してくれるの子なんて?」
「そもそも保護者なんて必要ねぇ、つってんだよ。何年、俺とレアの2人で暮らしてきたと思ってんだ」
「だから、ほら」
「なに、これ?」
「おにぃが好きなハンバーガー。えっ? おにぃ、もしかして! 何年もあたしと2人暮らししているのに、今夜の料理擔當があたしって覚えていなかったわけ? うわぁ、薄~www」
「~~~~ッッ、夕食はいらねぇ、って……」
「アッハッハッ! おにぃ、顔真っ赤! 恥ずかしいんですか~? 考えてみなって! なんで夕食いらない、って言われて、あたしが従う必要あるわけ? お兄ちゃん頑張って~、なんて、ゼ~~ッッ、タイッッ、に言わないけど、ハンバーガーの想言わずにくたばったらぶっ殺すから」
「ぐ、ぬぬ……っっ」
「返事しろ! い、い、な?」
「あ~~、はいはいはいはい! わかったわかったわかった! まぁ……、でも……、…………あり……う」
「ハァ? なに、その態度? はいもわかったも、許すのは2回連続までって、いつも言ってんじゃん! あと、最後の方、全然聞き取れなかったんですけど?」
「チッ、いつかゼッテェ難聴を治せる病院にぶち込んでやる……」
ある意味、これも2人だけの特別な空間と呼ぶこともできた。
完璧に周囲の人たちを蚊帳の外扱いして、互いに互いを良く思っているからこそ立する口喧嘩をするレナードとレア。そんな2人を、他の12人は強いて言うなら、どんなを抱けばいいのかわからない、というを自覚しながら傍観することしかできなかった。
だが、ふと、イヴがなにを思ったのかレアに近付いてみせる。
そして彼の肩を叩くと――、
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