《ヘヴンリィ・ザン・ヘヴン ~異世界転生&長チート&ハーレムで世界最強の聖剣使いにり上がる語~》3章2話 報確認のティータイム(2)

「っていうか、お兄ちゃん……、お姉ちゃんに異世界知識を……」

「あはは……、いや、ほら、冷靜に考えてみたら、七星団の団員なら報の共有は當然かな、って。もちろん、信頼できる相手にのみ教える予定だけど」

「それにしても、本當に科學ってすごいですね。世界の深奧に到達しすぎた魔は、神話の魔法と見分けがつかない、という偉人の名言を思い出しました。魔法の部分を科學に変えても違和なさそうですね」

「どこの世界でも似たような発想をする人がいるんだねぇ、イヴ」

「アーサー先生も大喜びだよ、お兄ちゃん」

幸せそうにクッキーを食べながらイヴは寫真を1枚手に取ってみせる。

それは存在してはならない知識によって作られたアイテム、さらにそれから生み出されただったので、正式な資料として扱うことはできないが、それを理解した上で撮影されたルークの寫真だった。

「ところで、ルークくんはどうだったの、お兄ちゃん?」

「特に問題はなし。今はレナード先輩がから監視しているよ」

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裝して?」

「うん、裝して」

「寫真は?」

「今、ボクと先輩の間には不可侵條約が結ばれている」

やたらカッコイイ顔とセリフで、ロイはイヴに、互いに互いの裝は撮らないようにしようね! ということになっていることを説明した。

「となると、弟くんの出番は夜ですね……」

「うん、21時ジャストのタイミングで先輩とれ替わって、ルークくんの部屋の消燈を確認し次第、ボクも帰還。一方、先輩は今日の分の裏工作を完了し次第、A班の拠點に帰還。いつもどおりだね」

「あと、シーリーンさんとアリスさん、C班は盜聴とか録音機を設置しているんだよね?」

「反則ですねぇ、それも」

「戦爭に勝つためだから、まぁ……、反則とか言っていられないし多はね……」

ロイもマリアも遠い目でどこかに想いを馳せていた。

ロイに至っては、異世界人召喚ガチャで、自分のレアリティはどの程度だろうか、と、益のないことを考えてさえいる。

「あれってどういう原理なんですか?」

「お姉ちゃん!? それは訊いたら長くな――」

「かなり端折って、できる限りわかりやすく説明できるように頑張るけど――、巻線っていうひも狀の針金、この絶縁電線を螺旋狀なり渦巻狀にグルグルしたコイル、そのようにボクとイヴの前世で呼ばれていたがあるんだ。それを永久磁石のそばで振させて、磁気導束、磁場の流束を変化させると電位差が発生するんだよ」

「なるほど」

「えっ? なるほど? なにが?」

「それで、音は空気の振だから、それをけ止めるためのダイヤフラムっていう振しやすい部分にコイルを設置。要するに電磁導を利用したマイク――えっと、人工的な鼓のようなによってまずは音を拾う。音をけ止めたダイヤフラムによって、それに固定されたコイルが振し、よって永久磁石には電位差が発生し、あとはそれを磁気テープにれさせれば、電気信號を音聲の進行に対応するようにNとSに変換して、これでひとまず録音は完了」

「なるほど、そこまではだいたい理解できました」

「えっ? なにを言っているの、お姉ちゃん?」

「このプロセスとは真逆に、磁気テープに刻まれたNとSと、永久磁石を利用して電流を発生させる。それがダイヤフラムによって空気に振が伝わり音になる。ただ、このままだと音があまりにも小さすぎるからアンプが必要なんだけど」

「あっ、わたし! 流石にアンプは聞いたことあるよ! ロックバンドが使うスピーカーのことをアンプって言うんだよね!」

「うん、違うよ。ボクたちが生きていた時點では、すでにアンプとスピーカーが一になっている機もあったし、それこそバンドだと2つ1組と言っていいほど接な2つだけど、各々の役割は別だからね?」

「うそぉ!?」

「それで弟くん? 盜聴の方は?」

「途中までは録音のプロセスと同じだよ? NとSに変換された信號、電波を、共鳴と呼ばれる現象を利用して遠くに飛ばす。例えば姉さん、テーブルに手を置いてくれるかな?」

「こうですかね?」

マリアは素直にロイの指示に従った。

瞬間、ロイはバン! とテーブルを割と思い切り叩いてみせる。

「お、お兄ちゃん!?」

「ひぅ……、わ、わたし、なにか弟くんを怒らせるようなことをしましたかね……?」

「あっ、ゴメン、紛らわしかったね。でも、そういうことじゃないんだ。姉さんは今、ボクがテーブルを叩いたことによって、姉さんの手にも振が伝わったと思うけど――」

「な、なるほど……、これが共鳴なんですね……」

「うん、音はもちろん、それを変換した電波も結局は振だから、共鳴を利用することができるんだよ。で、あとはさっきの説明と同じように、音を増幅させればアーティファクトによる念話を科學的なアプローチで行うことができるし、もちろん録音もできる」

「OK! わかったよ、お兄ちゃん! まだわたしには早すぎたってことがわかったよ!」

なんとか粘ろうと思っていたが、結局イヴはギブアップした。

それはもちろん、イヴだって最初の世界では間違いなく不登校ではあったのだが――、

「イヴ……、転生を繰り返している時、勉強、していなかったんだね? 前世の記憶があるから、特に人生で困らなかった、とか?」

「うぐっ」

「ちなみに姉さんは?」

「ふふ~ん! そもそも、なんでコイルを磁石のそばで振させると、電位差が発生するのか。そこの説明がなかったので、それについてはわからないままですが、最低限、そのプロセスを踏めば音聲の記録が可能、ということは充分に理解しましたね♪」

「流石姉さん」

「えぇ、わたし、気付きましたからね。腹つ……ではなく、劣等を克服するにはいっぱい勉強するしかない、って」

「う~ん、前世で調べをしまくったから、知識量だけボクの方が上ってだけで、やっぱり頭の良さは姉さんの方が上みたいだね」

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