《ヘヴンリィ・ザン・ヘヴン ~異世界転生&長チート&ハーレムで世界最強の聖剣使いにり上がる語~》3章8話 真実到達のファーストステージ(2)
惜しい線はいっていた。
しかしそれだと対象がシーリーンのみに限定されてしまうので、アリシアは素直に否定させてもらうことに。
「微妙に辻褄があわないんですよね……。グーテランドは他國との國がないわけではない。魔王軍側も同様に、報によると他國と普通に貿易しているそうです」
『お姉様、そう仰るということは――』
「えぇ、なのになぜか、両陣営に同盟國というモノが一切存在していません」
アリシアのその発言に、レナードは改めて慎重に考えてみる。
同盟の規模が國家単位、星規模の世界大戦という言葉に驚いただけで、戦いに仲間を求めること自に驚いたわけではない。むしろ、それは定石とも呼べる基本中の基本戦略だ。
だからこそ、おかしい。
両陣営ともに、真っ先に行うべきベーシックストラテジーに踏み切っていないなんて。
『アリシアさん、常識的に考えるなら、あらゆる要素、その中でも特に経済を主軸として総合的に考えて、投資に見合うリターンがあると考えられないから……だと思いますが?』
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「だとすれば、中途半端に國を殘している方が不自然になってきます。國を完璧に絶ってしまえば、こちらが勝利しても恩恵を與かることはありませんが、同時にリスクを負う必要もなくなるのに……。特に巻き添えのリスクなんて、同盟國にならなければ、國を斷絶してでも回避すべきことだと思うのですが……」
「アリシア隊長、國って……的には? 食料品の輸、武の贈呈、人員派遣、難民のけれ。あくまでも例ですが、このぐらいなら俺の頭でも真っ先に思い付きますが……」
「食料品の輸程度なら、もちろん普通に行われています。ですが最後の一線、自國の魔師を七星団に送ることは、開戦以降、一度も行われておりません」
難しい表をするアリシア。
が、そこでレナードはあることを察する。否、正確には、察したのではなく言葉にした。
「――待てよ? 開戦以降?」
「レナードさん?」
ハッ、とした様子のレナード。
次の瞬間、レナードはまるで焦燥に突きかされたかのように――、
『ロイ』
「? なんですか?」
「テメェの前世の世界大戦について訊きたいことがある」
『なにか、報が不足しているところが?』
「第一次世界大戦と第二次世界大戦、各々、どれぐらいの期間で終わったんだ?」
『……ッッ、なるほど』
「その反応、アタリのようだなァ」
無線機の向こうでロイが息を呑んでいるようなじ、雰囲気が伝わってくる。
が、レナードの聲音は明るくならない。なってはいけない。むしろ暗雲が立ち込めるように暗くなり始める。
「ロイさん、それで答えは?」
『アリシアさん、第一次世界大戦が約4年と3ヶ月、第二次世界大戦は約6年で終戦を迎えました。1対1の戦爭ではなく、世界大戦なのに』
「待て……、おい、待てよ……」
「っっ、これは恐らく、私たちの認識の方が間違っていたのかもしれませんね」
「ロイ、10年単位で戦爭することは、本當は異常なことなのか?」
『ボクは向こうの世界で、第二次世界大戦が終わった何十年もあとに生きていました。つまり未來から歴史を俯瞰することができたわけですが……30個とか50個に1個だけあるぐらいです、10年を超える戦爭なんて』
レナードもアリシアも今を生きている。
しかし、確かにロイだって今を生きているが、あらゆる項目が上回っている先進世界からきた人間なのだ。基準にするならあちらの方がベターだろう。
「チッ……、比較対象がなかったからこそ、全ての國民が、10年単位で戦爭することを常識だと認識していた。認識するように親からも教師からも教育されていた。そして、その親や教師もまた、前時代の國民から。っつーことかよ」
「ロイさんは異世界との報と照らし合わせて、これをどう考えますか?」
『違和は前々からありました。けれど、こちらの戦爭には魔があり、言い換えれば戦車や砲弾……えっと、敵を倒すために製造された馬よりも速い鉄の塊や、それから発される銃弾よりも巨大な弾を造る必要がありません』
「なら、食料と、そもそも敵と戦う兵士の方は、どうだと思いますか?」
『食料は恐らくボクの前世の18~19世紀と同水準でしょう。主要都市は19世紀相當で、地方がだいたい18世紀相當。けれど、戦闘員はこちらの世界の住人の方が圧倒的に強いです。【魔弾】と【強さを求める願い人クラフトズィーガー】と【優しいサンフテスリヒツ】、この3つを使えるだけで、戦時中なら英雄になれるでしょう。それに戦闘員の強さ以外にも、こちらの方が醫療は発達しています。もちろん、科學的なアプローチの醫療オンリーなら、向こうの方が進んでいますが』
「つまりよォ、ロイ、魔ありなら50年以上の戦爭もおかしくない、と?」
『いや、それを考慮しても長い、過剰なほどに』
「なるほど。まだ魔王軍側の資料は手できていませんが、王國側だと、先に魔王軍の方が攻撃を仕掛けてきた、ということになっています。だとすれば、恐らく、この戦爭は時間稼ぎで――」
『「――魔王軍の本命は別にある……ッッ!」』
目の前に本人がいるわけではない。しかし、シーリーン、アリス、イヴ、マリアの4人が驚いているような雰囲気は確かに無線通信機越しに伝わってきた。
それを『把握』すると一度、そこでアリシアは大きく溜息を吐く。
『とはいえ、お姉様、話を本題に戻しますが、レナード先輩の故郷については――』
「不可解なんです。ヴォルケエーベネが故郷であるレナードさんには申し訳ないですが、あそこを攻略する軍事的なメリットなんて、調査してもなにもありませんでした」
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