《ヘヴンリィ・ザン・ヘヴン ~異世界転生&長チート&ハーレムで世界最強の聖剣使いにり上がる語~》3章9話 真実到達のファーストステージ(3)

「俺もそう思います。貿易の要所になっているわけでもなく、商業的に栄えているわけでもない。なにかしらの採掘場があったわけでもなければ、主要都市と主要都市を結ぶ道の間にあったわけでもない。歴史的な建造もなければ、有名な山や湖など、観名所もありませんでしたし」

「これについては今でも七星団部で反応がわかれています。単純に相手のミスか、あるいはこちらにはまだなにか見えていないモノがあるのか、と」

『質問があるんだよ。ヴォルケエーベネって、今はどうなっているの?』

「俺ももう何年も行ってねぇが……あそこは今、ただの廃墟の集地のようになっていて、戸籍を信用するなら誰も住んでいなかったはずだ。いてもせいぜいホームレスか、日の當たる世界に出てこられねぇ犯罪者ぐらいか」

『シィからも質問があります。魔王軍の攻撃をけたあと、その……、占拠されたりとかは……?』

「いえ、それもありませんでした。現在も七星団の団員を常駐させていますが、敵が現れた、という報告も上がってきていません」

Advertisement

『だからですかね……? 敵もバカではありませんし、常識的に考えてこの規模のミスはありえない。それなのに相手のミスを疑ってしまうのは』

「えぇ……、マリアさんの仰るとおり、この規模のミスはあまりにもありえなすぎます」

『あれ?』

『どうしたの、シィ?』

『ロイくん、これは戦爭だから、人が戦うのは當たり前だよね?』

『まぁ、認めたくはないけど……』

『戦爭なら、攻撃されたら反撃するのが當たり前だよね?』

『狀況にもよるだろうけど、基本的には』

『アリシア隊長の仰るとおり、ヴォルケエーベネに攻略のメリットがなかったとしても、敵が攻めてきたら反撃せざるを得ないよね?』

「その通りです。むしろ當時、七星団の作戦會議室では、相手が下手な作戦を決行してきたぞ! この機を逃すな! と、反撃に否定的だった団員はいなかった、と、聞き及んでおります」

『相手のミスを信じないとするなら、占領のための攻撃ではなく、攻撃、人殺しそのものが目的だった。それで、魔王軍には死霊が許されているはずじゃ……』

「確かにシーリーンさんの言うとおり、向こうが死霊の儀式のためにヴォルケエーベネを落とした、という説が七星団の部でも有力です。しかし――」

『な、なんでしょうか?』

「こちらでも何度も何度も試算しましたが、魔王軍からしても割に合うはずがなかったんです。使用が厳というだけで、相手の死霊を解析する程度の系化は、こちらでもすでに完了していますし」

『あっ! 違う! 待ってほしいんだよ、アリシアさん!』

「イヴさん?」

『お兄ちゃん、例の空間で、あいつは言っていたよね? 自分は天才だ。だけど、自分の目的と比較したら、その才能さえ塵芥ゴミ同然。みたいなことを!』

『それってまさか……ッッ!?』

「ロイのヤツがウソを吐くとは思えねぇ……。そのロイが、魔の存在を考慮しても、この戦爭は長すぎると斷言した。しかも――」

『味方を死霊にするのはモラル的にアウトというだけで、不可能というわけではないですね』

『そして魔王はお兄ちゃんの質問にこうも答えたよ。多數決を知っているだろう? 経験則でわかると思うが、全員を納得させるなど、事実上の不可能――って』

『お姉様、これは恐らく――』

「――えぇ、なるべく多くの魂を回収するための戦爭、勝利することではなく、戦爭すること自が目的、その可能が高くなってきましたね」

「オイオイ……、冗談キツイぜ……。魔王のヤツは神にでもなる気なのか……?」

『ボクが本人から聞いた話を信じるなら、それも否定できないです……。むしろ、可能はかなり高いでしょう……』

『あいつが言っていた、魔王の目からしてもよく完された理法則と、それでも誰の目から見ても、決定的に足りていないモノ。うぅ……、まったくわからないんだよ……』

『ただでさえお姉様よりも強い相手が、さらに強くなるって……、頭が痛くなってくるわね……』

よくない雰囲気が全に流れ始めた。

それを察してアリシアは會話の方向を意図的に――否、厳には恣意的に切り替える。

「アリスたちの困は充分に理解できます。ですが、これは同時に魔王軍打倒のためのヒントになるかもしれません」

「ヒント、ですか?」

「実力の底上げや、自らのの概念化、あるいは存在の神格化、戦死者の魂をなにかしらの用途で、神に至る道として使うなら――」

『――ッッ、神に至るプロセスさえわかれば、魔王の企みを妨害できる?』

ロイの発言に靜かに、しかし確かに「えぇ、恐らく」とアリシアは頷いた。

レナードは自分たちの隊長の聲音を聞いて、やはり息を吞む。あの王國最強の魔師でさえ、いつのも優雅な微笑みがそこから消えていた。

あまりにも壯大すぎる戦いだ。

現時點でアリシアやエドワードよりも強い化が、さらに強くなって、神になるのを妨害しろ、なんて。

『今、真偽はともかく、お兄ちゃんが魔王から聞き出した報は――理法則は神様から流出したということ。その神様が魔王の手によってジャミングをけているということ。魔王のヤツも、本気で救世を目指している可能がある。こちららも可能の話だけど、魔王本人が神様になろうとしているのかもしれない』

『他には――國民全員、違和さえ覚えていなかったけど、戦爭が10年単位で続くのは本來、おかしいということ。勝利することと同じぐらい、時が來るまで戦爭を継続するのも重要かもしれないということ』

「あとはあれか――こちらの世界には魔が存在しているから、戦車や砲弾とやらは特に必要ない。けれど、食事だけはそうはいかない。なのに1つの戦場規模でならともかく、國全で食糧難に陥ったことはあまりにもない」

「つまり逆を言えば――魂はまだ、集まり終わっていませんし、來るべき時もまだ來ていない、ということでしょう」

『挙句、私たちが舐めプされているわけではないと思うけど、全ては向こうの手の平の上で――』

『――こちらは今、この瞬間まで、本當に後手にしか回ってこなかった、ってことですね』

    人が読んでいる<ヘヴンリィ・ザン・ヘヴン ~異世界転生&成長チート&美少女ハーレムで世界最強の聖剣使いに成り上がる物語~>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください