《ヘヴンリィ・ザン・ヘヴン ~異世界転生&長チート&ハーレムで世界最強の聖剣使いにり上がる語~》3章29話 無雙舞臺のオーヴァーチュア(3)

「講義室に収まらなかっただけで、他にあと約25人、用意させてもらった」

「えぇ……、敵1人を相手に、隨分とけないですね」

「これは見せしめでもある。貴族にケンカを売るようなバカの末路がどうなるか、これを機に知らないヤツを0人にしようと思ってな」

と、ここでシャノンに1人の子生徒が近付いてくる。

「シャノンさん」

「どうかしましたか、メリッサさん?」

「正直、バルバナスの今の言葉遣いは、貴族全の品格を酷く貶めるモノで、軽蔑に値すると思います」

「えぇ、同です」

「でも! あなたはいろんなクラスメイトの家に出りして、これを企んでいたんですか!? まだ出會ってほんの十數日しか経っていないけど、クラスメイトのことを裏切っていたの!?」

「全員が全員ではありません。メリッサさんは今、そこの彼を軽蔑に値する、と、仰いました。その言葉を借りるなら、わたしの標的は軽蔑に値する腐敗貴族の方々だけです」

「わたくしもそういう貴族は許せません! でも、でも! 爵位の上下によって、どうしても彼の決闘に巻き込まれる學生がいるかもしれなくて……っ、親の悪事を知らない子息だって……っ」

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「――こちらの方でいろいろと調べが付いていますし、それ以外の方でも、事前に事を申告してくだされば、殺さずに、適當に気絶させますので」

そこでふと、ロイはメリッサに向き直った。

「ちなみにですが、バルバナスさんたちから、どこまでお伺いなさったんですか?」

「っっ、シャノンさんが彼らを倒した犯人ということ。シャノンさんとはまだ知り合って間もないけど、バルバナスの格はみんな理解しているつもりです。あなたの今の言と、あなたが逮捕されていない現狀。この2つから推測するに、バルバナスたちは自分たちに都合が悪い部分を隠している、とは、みんな気付いていますけど」

「他には?」

「どうやらわたくしの家はシャノンさんの標的ではなく、だからこそ、こうしてあなたと中立の立場で會話できているわけですけど……、いくつかの家が、あなたを仕留めるために協力することになったこと。いや、そうせざるを得ない狀況になっていたこと。それも、警邏庁に被害屆を出すことができずに」

「そうですか、お教えくださり、ありがとうございます」

ひとまず、確認しておくべきことを確認すると、ロイは自分を睨んでくるバルバナスに、再度近付いた。

「確かにわたしは、あなたたちにハンデを與えると言いました。それを撤回する気はありません」

「當たり前だ……ッッ!」

「ですが、決闘というからには、賭すべき対価は互いに自由であるべきです」

「こっちはもう決まっている! 殺す……ッッ! 絶対にテメェを殺す!」

「では、わたしの方もあなたを殺させていただきます」

「…………ッッ! な、な……」

剎那、バルバナスの頭が冷や水をぶっかけられたかのように急激に冷める。

理的ではなく、論理的でもない。

しかしこの瞬間、間違いなく自分の覚が正しいと斷言できた。

生まれて初めて、殺気をじた、と。

「この條件なのにギブアップありだと、わたしはともかく、あなたは不本意でしょう。ギブアップのルールについての決定権は、あなたに委ねますが?」

「上等だ! 殺す! 絶対に殺す! ギブアップはなしに決まっている!」

そこでようやく落ち著いたバルバナスが、ディルクとマルコに目配せした。

結果、恐る恐る、2人はバルバナスのことを放すことに。

「ちなみに、そちらの最終的な人數はどの程度になりそうですか?」

「……チッ、62人だ」

「わかりました。日時はどうしますか? こちらはできる限り、そちらの意向に従いますが」

「今日の放課後だ」

「場所の手配はすでにすんでいる、そのように解釈しても?」

「あぁ、學院で一番大きい観客席付きの決闘場を用意している」

「わかりました、ありがとうございます、お教えくださって」

「テメェ……」

瞬間、バルバナスは吐き気に近いなにかを覚えた。

実際に吐くわけがないし、そもそも盛大に吐くほど腹になにかをれた記憶がない。

ゆえに、強いて言うなら胃や腸の狀態を無視して、脳が勝手に吐き気を信號として全に送った、と言うべきか。

端的に言えば、気持ち悪かった。目の前の、たった1人の敵が。

「なにか?」

「ディルクも言っていたが、本気で頭おかしいんじゃねぇか……?」

「なかなか直らなくて、これでも気にしているんです。言わないでいただけると助かります。さて――」

ふと、ロイは靜かに息を吸って、吐いて、ゆっくりと現時點で揃っている敵を視界に収めた。

「先ほど、ルークくんにも言ったことではありますが、わたし、どうも最近敗北が続いていたんですよね。実際に、何度も死にかけましたし」

「…………っっ」

「だからこそ、流石にそろそろ自信を取り戻そうと考えていたところなんです」

「こいつ……、本の薬廃人なんじゃ……ッッ!」

「それに、自分でも確かめておきたいんです。自分が、どれくらい強くなったのかを」

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