《クラウンクレイド》『12-3・差』
12-3
ホームセンターに到著した私達は駐車場の前で足を止めた。百臺規模の駐車が可能な程の広い屋外駐車場だった。その奧にホームセンターの白い建が見える。問題はその駐車場だった。
狀況は悲慘だった。衝突しあった車が大量に乗りれてあり、焦げ臭い匂いがした。車の多くは燃え盡きたのか黒く焦げた跡があり、「ガワ」がひしゃげている。ガソリンに引火して炎上した後なのだろうか、車のボディに張り付いている様な人型の黒い塊から目を逸らす。殘骸の山に遮られているが、ホ-ムセンタ-の屋上から煙が上がっているのが見えた。火事ではないようだった。発煙筒か何かだろうか、生存者がいるということになる。
ヘリの姿は見えないが、駐車場の崩壊合からしてヘリの著陸は無理だろう。
「生存者がいるのかも。行ってみよう、禱」
「……分かった」
明瀬ちゃんの言葉に、私は頷いた。駐車場のり口に自転車を止めて、駐車場へと進する。ホームセンターの建を目的の方角にしながら、車で出來た瓦礫の山を迂回しながら進んでいく。所々、進む道が完全に塞がれていて、私達は車の車をよじ登り乗り越えながら進んだ。車の上を飛び降りて地面に著地すると、明瀬ちゃんが急に明後日の方角を向いた。何かに反応した様子だった。私はその意味が分からず首を傾げる。
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「明瀬ちゃん?」
「ねぇ、なんか聲しなかった?」
「聲?」
私には聞こえなかった。だが、明瀬ちゃんには確信があったらしく頭をかす。何処から聞こえてきたのかを探っていた。
「禱」
「何?」
「ゾンビだ、これ」
打突音が周囲に大きく響いてきた。車を勢いよく叩いた様な。金屬の軋む音が鳴り響いて、空の中を反響したくぐもった音が低く鳴り。乗用車が積み重なった山の向こう側から、地鳴りの如くき聲が無數に反響してくる。私は明瀬ちゃんにホームセンターの方を指差さした。ホームセンターまでの道を塞ぐ乗用車によじ登る。
その直後、背後からゾンビのき聲が響く。振り返ると、其処には無數のゾンビの姿が見えた。數にして100は下らない。視界に映ったのは、その全てが蠢き何か別の塊になっているようなと赤の集合。車に阻害されても気にせず、彼等はそのまま此方へ向かってくる。彼等はその數ゆえに互いに押し合い、その勢いで車を乗り越えてきて。その度に、ボンネットがへこみ、鈍い音を立てて。
「禱!」
「急ごう!」
私に出來る魔法は、炎に関する魔法だけだった。対ゾンビにおいて用いてきた「穿焔」も「猛焔」も、本質的に炎を出す魔法である事は変わらない。私が持っている魔法は、結局、それの威力の大小の差でしかなかった。それは、つまり、この場で私が魔法を使用する事に大きなリスクが伴うということになる。ガソリンへの引火、その可能が非常に高い。車を発炎上させて、窮地を乗り切る。そんな蕓當が出來るのは、それこそ映畫の中だけだ。
車の上を伝って地面へと飛び降りる。背後のゾンビの集団のき聲が更に重なり大きくなっていた。それに反応して、別の方向からもき聲が聞こえてくる。私達の存在がばれた。
「禱、前!」
前方の車の上に立っていたゾンビの姿に、私は咄嗟に杖を構える。ゾンビが足元を蹴って大きく跳躍した。車が大きく揺れる。飛び掛かってきたゾンビの姿に、私は明瀬ちゃんを地面へと押し倒す。飛び掛かってきた一撃が、私の帽子を掠めて、勢いよくゾンビのが地面に転がった。悲鳴ときの混じった聲がする。私は杖を地面に突きながら立ち上がると、杖を構えなおす。恐らく走れるタイプのゾンビだった。この狀況で逃げ切るのは恐らく不可能だと判斷する。倒すしかない。
「明瀬ちゃん、下がってて」
「二人とも下がってなさいよ」
それは全く別の聲で。聲のした方向に私が振り返ると、頭上を影が通り過ぎた。車の上で何かが跳ねて、私達を飛び越えて。私とゾンビの間に、その人は立った。私に背中を向けているがなのは間違いなかった。背の低い私はともかく、明瀬ちゃんよりも背が高く、茶髪のセミショートヘア姿。ジャンパーを羽織り、短いスカートからは、細く長い足がびている。
一瞬、彼の手元で何かが青白くって、その瞬きが私の視界にす。パルスに似た何かが、彼の周囲で青い弧を描く。その景に、私は一つの可能へと辿り著く。思い當たったのは、彼の素。今のが曲蕓なんてものでもないのなら。
「まさか……」
そして、その事よりも奇特な事。彼の姿と全く似合わない異様な持ち。
彼はその手にチェーンソーを持っていた。
【12章・二人きりの捜索隊/禱SIDE 完】
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