《クラウンクレイド》[零11-3・黃金]

0Σ11-3

フレズベルク強襲。それは同時にゾンビの襲來を意味することになったのは、あのダイサン區畫の悲劇からである。

警報が鳴り響き、ビル各セクションの防護扉が稼働する、筈であったがしかしかつてのダイサン區畫と同様に不合を起こしているようだった。

する建を移する事は諦め、私はビル壁面を辿い目的地への最短ルートを目指す。ダイニ區畫のハウンドとレベッカ達が協力して事態に當たっている中、私は別隊としての使命があった。

目的のビルへと到著し、サブマシンガンで躊躇なく窓ガラスを割り中へと飛び込む。AMADEUSの撒き散らすの粒子をぶちまけながら、ワイヤーを軋ませる。

に転がるように著地すると同時に素早く立ち上がりサブマシンガンを構えて中を確認する。

「無事ですか!」

「禱!?」

突如窓を突き破り飛び込んできた私にゼイリ氏は揺していた。彼のすぐ後ろにはムラカサさんがいて、私を見て愕然とした表を作る。室にはゼイリ氏とムラカサさんしかおらず私は銃を握ったままに向けたままゼイリ氏に近付く。

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フレズベルクが機械製品である以上、その攻撃が何者かが糸を引いている可能がある以上、この事実を知った人間に口封じを狙ってくる可能があるのではないか。そんな疑念から私は別行をとった。フレズベルクの解析を依頼したゼイリ氏にも危害が及ぶのでは、そんな危懼だった。

「一なんだってんだ」

「フレズベルクが區畫上空に現れました。ダイサン區畫と同じことが起きるのならゾンビを投下してくる可能が高いです。ウンジョウさん達が狀況に當たっていますが、初期染の封じ込めに失敗すれば區畫でパンデミックが起きます。私が先導して安全地帯まで離します」

ムラカサさんが私の話を聞いて問い返してくる。

「禱がゼイリのオジサンを安全な場所まで案してくれるって事?」

「はい、ウンジョウさん達はダイニ區畫のハウンドと協力して事態に當たっていますが、私は別行です」

「分かった、私も協力するわ」

「いえ、ムラカサさんはウンジョウさん達と合流してください」

「……分かったわ」

ムラカサさんが裝備していたAMADEUSのチェックを終えるとビルの外へ飛び出していく。ビルかられ出る燈りはあるものの、外は暗闇と同義だった。彼の背中を見送って、私はゼイリ氏に出を促す。

彼は空間投影型の晶の前に立って幾つも表示されていたデータを慌てて確認し始める。

「ちょ、ちょっと待ってくれ! フレズベルクの解析データだけは持っていく必要がある」

「何か進みましたか」

「ネットワークが繋がらない以上、殆ど手作業だったからな、まだ分からんこと……」

その手と言葉が突然止まって。私は部屋のり口に銃口を向けたまま顔だけをそちらに向けた。

畫面が切り替わって何かの文字が、リーベラとの通信がオンラインであることを示すものが表示されていた。

「復舊した!?」

何故、このタイミングで。そんな疑問よりも。ゼイリ氏が慌ててフレズベルクの解析データをリーベラに送信した。パーツの製造國、企業、その他何でも良いという期待だった。

私はそれよりも現在の世界勢を知るのが先ではないかと思ったがゼイリ氏の興味はそこではないようで。

晶に文字が表示される。私達が期待していた答えとは全く違う形で。

『ダイイチ區畫で製造された記録有り』

「は?」

その一文だけでリーベラからの通信は途絶えた。またサーバーはダウンしているようで、こちらからのリクエストには一切反応しない。

いや、それよりも。

「フレズベルクがダイイチ區畫で製造された……?」

私とゼイリ氏は言葉を失くし、互いに顔を見合わせる。リーベラが提示したのはフレズベルクの部パーツの製造元データであり、それがダイニ區畫で製造されたデータがあるとするならば。

私は其処で考えるのを辭めた。今は時間がない。

「とにかく出します」

「わ、分かった」

彼が慌てていて。部屋の隅に幾つも積んであった工であるとか機械部品の山が崩れる。

引っ掻けて部屋の隅に積んであったものが崩れて派手な音を立てた。ゼイリ氏の部屋は一種の工房の様になっていて、そこら中に金屬の製品が転がっている。銃なんかも普通に陳列されていた。

そうしてゼイリ氏が崩して床に散させてしまった幾つもの機械製品の中に。無造作に転がったその中に。

鈍くる黃金の煌めきがあって。

「なんで……」

それは私のの丈程ある杖。柄の先には平坦な合い形が付いており、ウォード錠に似た形狀をしている杖。杖頭には四つ葉を模った様な巨大なモチーフが添えられており、持ち手の辺りにはハンドガンのグリップとトリガーの様な機構が搭載されていた。

細部は違うものの、それは間違いなく。

「ここにあるんだ、エヴェレットの鍵が」

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