《邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜》第三百七十話 コープス・イン・ブラッディリバー
9章 Grim happy end
鮮が飛び散る。
力を失った巨が揺う水面を揺らし、大きな波を発生させる。
食らいついた紅の牙はそれがまるで親の仇でもあるかのような形相で相手を見據え、萬力のような力でそのを、骨を、らかな臓腑を食い破る。
突き立てられた爪は鋭く、獲の固い皮を突き破り、らかなを抉りとる。
地獄が、広がっていた。
そこは、シグレの予想した湖だった。
そう、湖であった。
ただ一點、一つだけ、「水が紅い・・・・」という特異がある以外には。
水面より大きな水飛沫が生まれる。
飛び跳ねる鰐のような大型の生。
使い魔の風魔法程度ならば容易くはじき返し、気にも留めないであろうほど堅牢な鱗を持ち、それでいてタングステン程度ならば容易く噛み砕けそうなほど鋭利で堅固な牙を持つそれは、次の瞬間には、だらけのに変貌した・・・・・・・・・・・。
またも鮮が飛び散り、水面が一層紅く染まる。
「………これ、全部ですか…多水が混ざっているとはいえ、ここまでの濃度…近づいたら食われるでしょうし、ギリギリの範囲まで近づいてみますか」
シグレが鷹をゆっくりと降下させると、唐突に何かが水面から飛び出し、シグレのる使い魔へと猛進してきた。
すぐさま大空へと退避し捕食される難は逃れたが、飛び出した何か____ピラニアのような小型の魚類____は10mほど飛び上がると、そのまま重力に従って自由落下していった。
そして再び鮮混じりの水、というより水混じりのの柱が水面より立ち上る。
周囲を見てみれば、至る所で魚類が飛び上がり、そして噛み付かれ、爪を突き立てられ、空中より遅いくるハゲタカのようなモンスターのに貫かれて死亡し、鮮を撒き散らす。
周囲のモンスターは全て表や口腔から覗く牙が紅く染まっており、永き時の中で數多もの命を手にかけてきたことが窺い知れる。
森を遮るように円狀に水面が広がっており、湖というよりかは川といったほうがわかりやすいだろうか。
紅く染まりきった水面や赤茶けた水際には様々な生の骨や死が浮かび、揺い、飛び跳ねる怪たちに砕されながら、腐臭と臭を周囲に発散し続けている。
周囲の荊は紅く染まり、湖畔を囲うようにして群生している。
ひときわ大きな飛沫があがった時、シグレはそっと息を飲んだ。
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