《邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜》第三百七十二話 アヴォイド・バルバロス

9章 Grim happy end

「なんとも恐ろしいところですねここは……の池ならぬの河など、どこの地獄ですか」

そんなことを獨りつぶやきながら寄ってきた鳥型怪モンスターを屠ったシグレは、偵察に出していた使い魔の魔法を解除して使い魔を消すと、その場から立ち上がった。

「しかし、あれの実態を人間たちが知ったらどうするんですかねぇ……」

陸は荊、空は鳥の怪、地下は土竜や蟻のような怪の巣であるため、いままでこの文字どおりの河は発見されずにいたが、これが発見されたとなれば一大事だろう。

そんな益もないことを呟きながら、シグレは自らに補助魔法バフをかけ、これまでの數倍近い速度での川へと進んでいく。

數分後

シグレは幾重にも生い茂る荊を切り払い鮮の川に到達した。

ー干渉を確認……抵抗しましたー

「ん?」

謎のアナウンスに困していると、怪が襲いかかってきた。

しかし、シグレはそれを容易くいなし、飛びかかってきたダツのような細長い魚を摑み取り、なおもシグレへと飛びかかろうとしてくる怪の群れへと投擲した。

投擲されたそれは水面を切り裂き、紅い水飛沫を上げて水面を猛進し、水面にてシグレに食らいつく好機を虎視眈々と狙っていた狩人へと突き刺さった。

外敵の死亡を確認したシグレは、さらに前方へと歩を進めていく。

近づくにつれ周囲の地面は川の水のせいで紅く鉄錆のような臭いを漂わせる泥狀に変貌した。

「レビテーション」

シグレは森の中に作られた天然の干潟のような足場の悪い狀況を嫌い、自分のをほんのしだけ浮遊させ、前へと進んで行った。

「プルーフ・ウォーター、マテリアルバリア、マジックバリア、理結界展開」

そうして紅き水が流れる川へと辿り著いたシグレは、補助魔法をかけつつ恐れることなく目の前の川を突っ切ろうとした。

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