9章 Grim happy end

そう、この森の植、生、つまるところ食べることが出來るあらゆるは汚染されているのである。

怨水は森の半ばほどに存在し、部と外部を隔てている。

部にこの川以外に水を飲める場所はなく、が生きていくには水分が必要不可欠である。

故に、この川の水を飲むしかない。

飲んだ結果、狂気に侵され力を手にし、怪たちとの闘爭を続ける。

それによって流れた、つまるところを植が浴び、それらもまた怪化し暴れ回る。

どころかれるだけで染するこの汚染である。

それから取れたなど食べるどころかれるだけでも多大な影響を及ぼすことだろう。

もちろんシグレであれば対応は容易であるが、それでも疲れるし、そもそも汚染されたを自ら食べようとは思いたくもないししたくないのが人である。

特に、森を抜ければちゃんとした食料がある街が見えている今の狀況では。

「まあ、食料の確保は街についてからですね。あと、全魔法は上位スキルに変えて……と、とりあえずそろそろ変裝しますか。ディスガイズ」

シグレがそう言うとシグレのがスライムのように溶け落ち、人間のを形取り、やがて凝固した。

作り出されたその人間の姿は先程までの超然とした姫の姿ではなく、綺麗な革鎧をまとい一般的な片手用直剣ブロードソードを攜えた二十代前半ほどの優しそうな青年であった。

「よし、これで誰かに見られても大丈夫でしょうが、一応もうし用心しておきましょう。カバート・アップ、インビジビリティ、サーチ・インフォビション、イレイス・トレース、サイレンス、オードルレス」

こうして、シグレは自らに隠強化、明化、探知阻害、痕跡消去、無音化、無臭化の魔法を自らに施すと、された臭との臭い漂う荊の森を抜け、通り抜けたあとにそれらを魔法でキレイさっぱり元通りに戻した。

こうして周到なまでに用意を終えたシグレは、森の出口に向かって再び進んで行った。

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