《邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜》第三百八十三話 閉鎖的空間囚

9章 Grim happy end

「足の健を切ってそれを歪に治療する……なんともえぐいことをしますねぇ」

丑三つ時、夜も更けてきた頃にシグレは魔法を使い隠れながら村を出した。

先程の老人から足を見せられた時には驚いたものである。

なにせ、両足の健が切斷され、それらを無理やり回復魔法で治していたのだ。

おそらくわざとやったのだろう。

老人の足はもはや歩けているのが不思議なほどであった。

神経は別の神経、もしくは管に繋がれるかどこにも繋がらず皮を突きぬけている。

足首から下の部分は酷く生白かった。

もはやがほとんど循環していないため當然ではあるのだが、人間のはあのようになってしまうのかと驚いたものである。

あれでは、軽くくだけでも激痛が走るだろう。

あそこまで管や神経がぐちゃぐちゃに掻き回されていては歩くだけで一杯だろう。

襲いかかる激痛は想像もしたくない。

しかも、老人の話ではこの処理は自分のような老人から産まれたばかりのか弱いにすら行われているという。

長過程にそんなことが行われれば長に支障が出ることは確実である。

まあ、そもそもそんな問題が表面化するまで処置を施された人間達が生きていられるのかという問題もあるのだが。

やはり、ケンタウロス達は人間を家畜、もしくはそれ以下の存在として認識していることがよくわかった。

そして、ここまで見回ってきて、人間達に生気がじられなかった理由がようやく理解できた。

全てはこのような殘行為のせいだったのである。

「そんなことをする必要は無い。まあ、五満足であと二十年若くても、わしはきっと出て行かんじゃろうしな」

私ならその足を治すことが出來るがどうか。

そう告げたシグレに対し、老人はそう言った。

「いや、子供や村の男どものためではないわい。わしはな、臆病なんじゃよ」

他の人を気にしているのだったらそれらも治せると言ったシグレに、老人は公開を滲ませてこそう答えた。

「ご覧の通りわしはもう朽ちて死ぬだけの老骨、男や子供も戦う力を持たぬもののみじゃ。今村の外に出たところで、魔に食い殺されるのがオチじゃろう」

ズボンの裾を下ろし、杖を機に立てかけて椅子に座った老人はゆっくりと話し始めた。

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