9章 Grim happy end

瞬く間にただの草原がの花の咲き誇る赤き大地になったことにシグレは些かの反応も見せず、まだ生き殘っていた鳥が飛來してくるのに合わせて氷漬けにして捕獲、アイテムボックスに収納した。

「これで牛以外が食べれますね」

鑑定したところによると毒はないので、問題は無いだろう。

不意に発生した鳥の死エサがほかの魔を呼んでしまう前に魔法を使い、シグレはそこをあとにした。

「うわぁ……さっさと転移して正解でしたね」

遠見の魔法で確認しているのは先程自分がいた所、つまるところの花の咲き誇る場所である。

そこには食と思わしき怪達が集まり、各々が地面に散した桜のを頬張っていた。

そして、そのうちの一の首が撃ち抜かれる。

撃ち抜かれた怪が力無く倒れるそのすぐ下で衝撃で圧壊することなく貫通したその瞬間、地面がぜた。

比喩ではなく、実際に鳥が突進した場所の周囲にクレーターのようなものが出來ている。

「うわぁ……あれが自分のに突き刺さってたかもしれないと思うと……ゾッとしますね」

再び突進してきた鳥を叩き落としながら、シグレはそんなことを呟くのだった。

「ここが人間の國ですかね？」

あれから何事もなく草原を通り抜け、再び明化と気配・魔力・生命反応隠蔽魔法と変魔法を使って商人などが並ぶ街道へと移し、人目のつかない場所で何事も無かったのように変以外の魔法を解除してシグレは旅人などがるための列へと並んだ。

分証などは存在しないが、ここは人間の都市なので、無くても仮國して國で然るべき対価さえ払えば何とかなるだろう。

ケンタウロスに支配されたむらでやった魔法による認識阻害という手段もあるが、あまり積極的に使いたくない手段なのであれは本當に奧の手中の奧の手である。

「次の者、れ！」

「はい」

「分証を提示しろ！」

やっぱり分証は必要なようである。

「すみません……冒険者をやっているのですが……分証を落としてしまいまして」

これがハクロののままなら違和があっただろうが、今のシグレの姿は片手直剣ブロードソードを攜えた青年である。先程捕獲した牛のなんかもアイテムボックスではなく即席で作りだした皮袋型マジックバッグにれ替えたため、ここから戦利品と言って出せば疑われることは無いだろう。

「なるほど、それでは、今仮の分証を発行する。待っていろ」

そう言って、男は扉の奧へと消えていった。

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