9章 Grim happy end

まずは街を見るだけでわかるが、重稅と徴兵令、そして、汚れた街燈や道を見るだけでわかる行き屆いていない部の化。

仮にもこの街は首都らしいので、絢爛豪華にとは言わないがもうし整備に気を使うべきではないだろうか。

まあ、貴族がのさばっていて庶民だけがこのような狀態になっている訳では無いのでそこだけはマシな點と言えるのだが。

貴族街もどちらかと言えば廃れたようなじである。

ちなみにこれらの問題點の理由はただ一點。

‘‘兄弟喧嘩’’である。

いや、“戦爭”と言った方が正しいだろうか。

目的も知らされずに今まで仲の良かったはずの両國の王子が戦爭を始めて、國民は大いに混し、見知った人間の混ざる敵兵を殺すことに忌避をじていたらしい。

何も知らぬ國民たちからしてみれば、王様が病に伏せったと思ったら、仲が良かったはずの王子達が喧嘩していきなり國が分裂した挙句、無理矢理戦爭に參加させられているのだ。

分裂した二つの國の國は寸斷され、今では行き來が出來なくなっている。

そのせいで友と引き離された者がいるかもしれない。

自分の仕事がなくなった、あるいは大打撃をけた者がいるかもしれない。

そして、そこに立て続けに戦爭がやってくる。

しかも、理由も何も明かされず、王の命令であると強引に戦爭に駆り出される。

戦いの最中、かつての友人を殺した人がいるかもしれない。

かつて住んでいたはずの村を焼いた人間がいるかもしれない。

そうして心を病み、靜かに自らの命の燈火を吹き消したものがいるかもしれない。

無慈悲に村を焼かれ、資を略奪され、訪れる冬を越すことも出來なくなるほどに疲弊した民がいるかもしれない。

これで不満を抱くなという方にこそ無理がある。

「……そろそろクーデター起こりそうですね」

祝四百話！

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