9章 Grim happy end

「……もうこんな時間ですか、宿に戻りますかね」

調べをした後に図書館から出ると、空はすっかり夕焼けに染まっていた。

結局のところ報の補足くらいしかできなかったが仕方ないといえば仕方ないだろう。

(今回はこのくらいにしておきましょうかね……あまり調べすぎても角がたちそうですし、潛伏してり行きを見屆けるのが先決です)

「あ、すいません。そのハニーパイいただけますか」

ずっと本を読んでいたせいで晝食を抜いたため、満腹度が殘り一割ほどにまで減している。

宿で提供されるであろう夜食までのつなぎとしていくつかの軽食やお菓子を購し、食べながらゆっくりと大通りの宿へと戻り、昨日とは違う顔、名前でチェックインして再び部屋に戻る。

堅焼きパンと鶏をれたホワイトシチューを堪能し、部屋に戻ると一人でチーズを肴に葡萄酒ワインを飲む。

赤、白と飲み比べをし、葡萄酒ワインごとに合うおつまみを堪能していく。

結局3本ほどボトルを開け、その全てを飲み干す頃には朝日はすっかり登りきっていた。

そして部屋を出て、昨日と同じようにチェックアウトの処理を済ませたら再び路地裏へと進んでゆき、魔法で知覚されないようにしてから変魔法を使用する。

今回の変先は金の髪に金の瞳を持つである。

金はこの國で最も多い瞳と髪のであり、平均的な顔立ちや長にしたため、目立つことはほぼないだろう。

変を終えて路地裏から通りへと出ると、の大聲がシグレの耳に響く。

「太王様のお言葉だ！全員今すぐ中央広場に行きな！」

それを聞くと、男がいなくなった町人達は兎のごとく中央広場へと駆け出していく。

その流れに乗り、シグレも中央広場へと進んで行った。

そうして到著した中央広場には、見渡す限りの群衆が一際豪奢な一點にむらがっていた。

AMOにおいて酒は人にしか飲めないアイテムという訳ではありません。

ただ、人の場合は酔います。

未年は酔いません。

それだけの差です。

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