9章 Grim happy end

「以上が事の顛末だ。余はこのように心してしまった弟を討つべく戦爭をしている。奴の言う理想の國、自分に都合のいい人間を選定して作りあげた國など、滅亡以外の道は無い。しかし、奴とその民は理想に溺れ、狂気へと墮ちて我々を躙せんとしている。我々は正義を執行し、由緒正しき王家の誇りを守るために戦わねばならんのだ！」

「「オオオオオオォォォォォォ！！！」」

太王が高らかに宣言した瞬間、周囲に集まっていた兵達が一斉に雄びをあげた。

「鑑定」

神干渉系のスキルを持っているのかと思い鑑定を行使してみると、何かに弾かれるような覚が伝わってきた。

(鑑定妨害ですか、まあ、効きませんけど。とりあえずジョブとスキルだけでも把握しておきますかね)

ジョブ

勇猛將軍ブレイブジェネラルLv.67

灼炎の騎士プロミネンス・ナイトLv.82

勇猛なる指揮ブレイブ・ウォーリーダーLv.84

スキル

臣民よ、我が聲を聴けキングズ・オーダー

集いし英雄よ、我が礎となれヒーローズ・ピレッジオーダー

全魔法Lv.54

剣Lv.54

魔剣Lv.37

千里眼Lv.34

見切りLv.42

直Lv.32

魔力作Lv.48

魔力探知Lv.45

逆境Lv.34

(妙にスキルのレベルが高いんですが……？魔法剣士は長しにくいと師匠の蔵書に書いてあったんですがねぇ……この戦爭のないご時世にどれだけ命のかかった戦いしてきてるんですかこの王様は、戦闘狂バトルジャンキーでも無いのにここまでやりますかね……)

鑑定した結果は、なんとも恐ろしいものであった。

勇猛將軍ブレイブジェネラル

軍団の指揮に特化したジョブ。

存在するだけで配下の「兵士」「騎士」「魔法使い」のジョブを持つ者に永続的なバフを付與する。

また、指揮容によりバフの効果を変更される。

このジョブ、書かれているのはこれだけである。

一見恐ろしくもなんともないように見えるが実は違う。

このジョブは効果こそ単純だが、ステータスの上昇倍率がえげつないのだ。

的に言うならば、1.5倍である。

そもそも勇猛將軍ブレイブジェネラルの取得條件の厳しさやこの常在バフの発條件の難しさなど様々な要因があるとはいえ、配下の兵全ての能力その他が1.5倍になるとは……なんとも恐ろしいものである。

しかし、これですら太王のおかしなスキルやジョブに比べれば前菜のようなものであった。

(……軽くぶっ壊れてますねぇ)

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