《Skill・Chain Online 《スキル・チェイン オンライン》》一話 SCO(スキルチェイン・オンライン)
2123年
世界中のゲーマー達が待ち焦がれた、完全なフルダイブデバイス《VRギア》が発売されニ年。語の様な験が遂にできると期待していたゲーマー達は、數々の発売されたソフトをプレイし、落膽してきた。
発売されたソフトは、真っ白な空間でのシューティングだったり、の生活シーンを近で眺めるだけだったりと、せっかくのフルダイブの能を全く活かせていない様な『殘念ソフト』ばかりだったからだ。
だからだろうか……。
Skill Chain Online(スキルチェイン・オンライン)『世界初のVRMMORPG遂に登場』
そのニュースを見た瞬間に、俺を含めた日本中のゲーマー達はまたもや震撼した。遂にきた。今度こそ。今までは準備期間だったんだ。次々にあがる期待の聲に、俺もを躍らせた。
それからは毎日が大忙しだった。
最新報をチェックし、事前報や開発者のインタビューが載った本などは発売日に購し、容を暗記するまで何度も読みまくった。
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そんなゲーマー達の期待に応える様に、運営はゲリラでβテスターの募集をすると発表する。
俺は今まで數々のオンラインゲームを共にプレイしてきた仲間と協力し、なんとかβテスターとして選ばれた。
そして毎日毎日SCOにログインする日々、數々のゲームを経験し、それらの多くでトッププレイヤーとなってきた俺から見ても、SCOの世界は圧巻の一言だった。βテストではなく製品版と言っても過言では無い程のクオリティと、フルダイブの能を最大限に活かしたファンタジー世界の再現度は、βテスターに選ばれた千人のゲーマー全員に確かな満足と、製品版への期待を抱かせた。
結局、βテストの二ヶ月間、晝も夜もSCOの事が頭から離れる事はなかった。
その後、βテスターに選ばれ、優先購権を得ていた俺とゲーム仲間達は無事SCO製品版を手にれた。あの時、お互いに喜びあって馬鹿騒ぎをしている中、きっと俺たちの目には涙が溜まっていただろう。
だって憧れだったゲームを真っ先にプレイできるんだぜ? こんなに嬉しい事はないだろう?
いよいよSCOの正式サービス開始の日、テレビやネットではそのニュースや話題に持ちきりだった。SCOの初回販売を購出來たのは日本中でたったの一萬人、皆徹夜で店に並び、必死に手にれた人達ばかりだ。オークションなどではゲームソフトの価格とは思えないような、凄まじい値段になって取り引きされていた。
俺は仲間達と連絡を取り合い、開始してからの合流場所を決めてから、VRギアにSCO専用のラグ防止付屬部品を裝著した後、ベッドに橫たわり、サービス開始時刻ピッタリに、βの時と同じ様にVRギアを起させた。
意識が世界から完全に引き離され、真っ白な視界が空けると、そこにはβテストの時に何度も見た景、大量のプレイヤーと《始まりの街》が広がっていた。
……おかしい。
SCOの世界にって最初に俺が抱いたは、喜びでもなく、でもなく、困だった。
この世界に來る途中視界が真っ白になったが“何も起こらないで”ゲームが開始された。
本來それはあり得ない。このゲームに限らず、MMOをプレイするにあたって必ず必要な作がある。キャラクタークリエイトだ。プレイヤーは自分の分であるキャラクターを作りゲームをプレイする。それらのカスタマイズなどはMMOを楽しむ要素の一つとして必ず存在するものだ。
それが無かったという事は、もしや何らかの不合で、βテストのキャラクターデータのまま始まってしまったのかと疑うが、周りのプレイヤー達の姿を見てその可能を否定する。
大抵のプレイヤーはキャラクタークリエイトをする時、見た目をかっこよくするか、笑いを取りにふざけた見た目にするかの二つに分かれる事が多い。俺もβテストや他のMMOをプレイしている時は、アイテムなどでカスタマイズしたかっこいい姿を追い求めていたものだ。
しかし俺の周りにいるプレイヤー達は皆、何というか……現実っぽい姿をしていた。
VRのゲームをプレイするにあたって、長や格の変化に酔ったり違和をじさせる事を防ぐ為、VRギアに自のの數値を事細かく力している。
SCOをプレイするにしても、注意書きに、キャラクターの長を変更する際、極端な変更をあまりしないようにと書かれていた為、二メートル以上の長を持つ人や、小人の様な小さな人が見當たらないのはまだ理解できる。だが顔は、キャラクターを作る時に重要となる部分は皆、あまりにも自然な顔ばかりだった。
もしやと思い、すぐ後ろにあったアイテムショップの、ガラスに映る自分の姿を確認すると……。
「……まじかよ」
そこに映っていたのは、紛れも無い、現実世界での俺の顔だった。
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