《NPC勇者〇〇はどうしても世界をDeBugしたい。みたい!?》第6話A 勇者はどうしても裝備を調えたい。みたい?
あれからだいぶ時間は掛かったが、目的の裝備はなんとか一揃い揃える事が出來た。やった事と言えば、100G以で買える未鑑定品Fランクアイテムを一つ買い、その場で鑑定してもらって気にらなければ即売る。これを繰り返す。
何十回と繰り返しているうちに、いつの間にかタリエルとのコミュランクが2に上がっていた。そりゃ當然だろう。『鑑定局で購後に即鑑定、即売卻』なんて鑑定局しか得をしないから普通のプレイヤーは絶対しない。
普通の店では販売商品を自由に価格設定出來るのに対し、鑑定局では絶対に商品の価値を下げるようなの売り方はしない。販売は原価以上、買い取りは半額以下。それが鑑定局員の鉄の掟である。その代わり、一般的な店舗では取引できない未鑑定品なども引き取ってくれる。・・・まぁ、一桁Gでの話だが。
「ほ、おほぉぉぉ~~!!マルたんはファステ支部の紛れもなく『勇者』様だよぉぉ~!これからも店の販売績という名の世界を救ってぇ~!」
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いつの間にか完全に営業モードを解き、完全にとろけきっただらしない顔を見せている。しかも勝手に人の事をマルたん呼ばわり。ハックは隣で信じられないという出で立ち。
「ゆ、勇者〇〇殿。自分が何をしているのか分かっているのか?そんなFランク裝備、そこらの店で買える値段の軽く10倍以上は損をしておるぞ?ダンジョンで一回探索すれば1日程度で揃えられるを・・・勇者〇〇殿がタリエルの私腹をやしても百害あって一利も無いというのに。」
俺だって好きでこんな事してアイテム手してる訳じゃないんだが、あいにくと100G以下ならいくらでも損したって構わないからな。
「まさか新規のお客様がここ何日か分の売り上げよりも稼がせてくれるとは。これも鑑定士に生まれた私のなのね。あぁ、可いって罪!あ、ハックさん商売の邪魔なんで帰ってもらえます?こちらの太客さまと大事な商談があるので」
「クッ!大抵の場合私の書いてくる魔導書の売り上げでしか月のノルマを達出來ていないと言うに、新たな稼ぎが出來た途端この変り様。まさに<現金の亡者キャッシュグ―ル>の名にふさわしい行い!」
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「だからそのちっとも可くない<通り名>で呼ばないで下さいと何度も言ってるでしょーに。ハックさんはいいですよねー<錬金の師マスターアルケミスト>だからどこで誰に呼ばれても恥ずかしく無いですもんねーいいなー。」
「通り名って何です?」
「え!?マルたん知らないの!?実績解除でもらえるあざなだよ。メニューボードで自分の確認出來るから見てみなよー!」
「あー稱號の事ね。へぇ、前作じゃ何も使い所無かったけど『2』じゃそんな使われ方するのか。そういえばレベルアップした時ステータス確認してなかったな、どれどれ??」
メニューボードを取り出してステータスを確認する。そこには大きくとんでもない言葉が表示されていた。
プレイヤー名:勇者〇〇 種族:人間
通り名:<負け犬グッドルーザー>
解放條件:連続で同じ敵に10回以上戦闘で負ける。
サァーっという音が聞こえる程、冷たい空気が3人の間に流れるのをじた。タリエルに至っては自分で話を振ったくせにあらぬ方向を見て吹けもしない口笛を吹き始める。
「・・・辛い経験をなされたのだな。だが『勇者』を名乗りその覇道を突き進むには、それも必要な事だと私は思うぞ?」
「いいんですハックさん。もうすでに人としての尊厳なんてとっくに失っていますから・・」
「よ、よしそうだ!私が<錬金の師マスターアルケミスト>として、そなたに別の通り名を付けてやろう!えー、ソナタの人柄からとって・・・<二重丸の勇者ダブリング・ブレイブハート>なんてどうだ?」
「・・それただ名前を格好良く言い直しただけですよね?」
「ぶっ!くく・・・失禮、急にの調子が。アーオホン!これで良くなったーよかったーカゼかなー。」
「今絶対笑っただろタリエル」
「こら!よさんか!本人が目の前にいると言うのに!」
「いやいやハックさんもそれ中々失禮ですけど?」
「まけいぬ・・ぷくく」
カチンッ!
「あ?言ったね言っちゃったね。さっき散々儲けさせたってのに!こっちは言うに言われぬ事でこんな名前で苦労してるんだよ、それをそんな風に言うとどーなるか分かってるのかな?鑑定局員さん?」
「ほら!勇者殿も怒ってるじゃないか、謝りなさいタリエル。」
「は~いすいませんでしたぁ~。ふ、うふふ、うぷぷ」
「ちっとも謝ってないじゃないか!もう許せん!!」
勇者は店の奧に飾ってある多分この店で一番高いであろう當ての裝備を指さし、怒気をじさせながら言い放った。それは『鑑定局員』を怒らせるのに十分効果があると知っていて。
「あのハーフプレート、是非買い取らせてもらおう。『100G』に『値引き』してもらってな!」
「いっ!?」
「・・・・・・はぁ?」
タリエルの雰囲気が砕けたから一気に変化する。當然だ。『鑑定局員に値引き』だなんてドラゴンの逆鱗にるが如き冒涜だ。タリエルの顔が恐ろしく冷たい表に変る。橫で聞いているハックの方が慌てている。
「勇者、さんさぁ。それってどう言う意味で言ってるか分かってて言ってますよね?後からこののバッジが見えなかったなんて理由にならないんですけど?」
「もちろん分かって言ってる。だからはやくそれを『値引き』してくれ。」
「よさないか二人共!これ以上はいけない!手遅れになる前に!!」
「いーやハックさん。殘念です。さがってて下さい怪我します」
タリエルが一つ、大きくゆっくりと深呼吸をすると一気に怒りの表を見せ怒號を発する。
「言うに事欠いて!!この鑑定局の支社で!大陸全土に安全で公正な取引を信條とする認定局員課程卒業証明バッチをつけたこの私に!!それがまかり通ると本気で思ってるのかァ!!」
恐ろしい程の人の変りよう。ついさっきの人食いグリスリーが可くじられる程の覇気だ。無理も無い、このゲームで『鑑定士』及び『鑑定局員』の職業になるのは並大抵の努力では出來ない。
大陸中のドケチの中のドケチが揃う鑑定局の局員課程に學するにはとてつもない資金が必要で、それまでに節約に節約を重ね、1Gも損をしないためにはどうやって生きていけば良いかを學する前からとで學ぶ。
そして見事學出來たとしても常に考える事は事への質と価値。命の次に重い、むしろ場合によっては命よりも重いゴールドへの執著を見事にマスターした者で、その中でも特に優秀な績を収めた一握りの逸材にしか與えられない名譽ある稱號、<現金の亡者キャッシュグ―ル>をもつタリエルに対して『値引き』しろとは、まさに今までの彼の人生と苦労をすべて否定するような発言だ。もちろん許せる訳がない。
タリエルは今や、黃金に輝く怒りの亡者と化していた。怒りのあまり宙に浮いているようにも見える。あまりの事態にハックが勇者をかばう。
「むぅッッ!!なんというすさまじいゴールドへの執著!!あやつとの付き合いは中々に長いが、これ程までに怒りをわにしたのは初めて見た!勇者殿、下手をすればあなたの命が危ない。奴を殺人者にする訳にはいかんので、ここは私が沈靜化の魔法を使う!」
勇者がニヒルな笑いを浮かべながら、ハックの肩を手で避けてタリエルの前に出る。
「いーやハックさん。ここでつかうのは沈靜化なんてチャチな『魔法』じゃない、こういう『魔法』だよ。」
「グオォォォ!!!ユウシャァアアァァ!!ユルサナイィィ!!」
「さあタリエル、値引きしてくれ、『俺との仲』、だろ?」
まるでバチーン!とでも音の鳴るかのような、そんな『ウィンク』が勇者の全力キメ顔から繰り出された!!怒りに我を忘れたタリエルに痛恨のダメージ!!
「・・キュ、キュウ~~ン!!!」
 テテーン/ NPC タリエルとのコミュが上昇しました。ランクは、9です
Aパート終了→
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8 162人類最後の発明品は超知能AGIでした
「世界最初の超知能マシンが、人類最後の発明品になるだろう。ただしそのマシンは従順で、自らの制御方法を我々に教えてくれるものでなければならない」アーヴィング・J・グッド(1965年) 日本有數のとある大企業に、人工知能(AI)システムを開発する研究所があった。 ここの研究員たちには、ある重要な任務が課せられていた。 それは「人類を凌駕する汎用人工知能(AGI)を作る」こと。 進化したAIは人類にとって救世主となるのか、破壊神となるのか。 その答えは、まだ誰にもわからない。 ※本作品はアイザック・アシモフによる「ロボット工學ハンドブック」第56版『われはロボット(I, Robot )』內の、「人間への安全性、命令への服従、自己防衛」を目的とする3つの原則「ロボット工學三原則」を引用しています。 ※『暗殺一家のギフテッド』スピンオフ作品です。単體でも読めますが、ラストが物足りないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。 本作品のあとの世界を描いたものが本編です。ローファンタジージャンルで、SFに加え、魔法世界が出てきます。 ※この作品は、ノベプラにもほとんど同じ內容で投稿しています。
8 81たとえ夜を明かすのに幾億の剣戟が必要だとしても【Web版】(書籍版タイトル:幾億もの剣戟が黎明を告げる)
【書籍版①発売中&②は6/25発売予定】【第8回オーバーラップ文庫大賞『銀賞』受賞】 夜で固定された世界。 陽光で魔力を生み出す人類は、宵闇で魔力を生み出す魔族との戦爭に敗北。 人類の生き殘りは城塞都市を建造し、そこに逃げ込んだ。 それからどれだけの時が流れたろう。 人工太陽によって魔力を生み出すことも出來ない人間は、壁の外に追放される時代。 ヤクモは五歳の時に放り出された。本來であれば、魔物に食われて終わり。 だが、ヤクモはそれから十年間も生き延びた。 自分を兄と慕う少女と共に戦い続けたヤクモに、ある日チャンスが降ってくる。 都市內で年に一度行われる大會に參加しないかという誘い。 優勝すれば、都市內で暮らせる。 兄妹は迷わず參加を決めた。自らの力で、幸福を摑もうと。 ※最高順位【アクション】日間1位、週間2位、月間3位※ ※カクヨムにも掲載※
8 193【第二部完結】隠れ星は心を繋いで~婚約を解消した後の、美味しいご飯と戀のお話~【書籍化・コミカライズ】
Kラノベブックスf様より書籍化します*° コミカライズが『どこでもヤングチャンピオン11月號』で連載開始しました*° 7/20 コミックス1巻が発売します! (作畫もりのもみじ先生) 王家御用達の商品も取り扱い、近隣諸國とも取引を行う『ブルーム商會』、その末娘であるアリシアは、子爵家令息と婚約を結んでいた。 婚姻まであと半年と迫ったところで、婚約者はとある男爵家令嬢との間に真実の愛を見つけたとして、アリシアに対して婚約破棄を突きつける。 身分差はあれどこの婚約は様々な條件の元に、対等に結ばれた契約だった。それを反故にされ、平民であると蔑まれたアリシア。しかしそれを予感していたアリシアは怒りを隠した笑顔で婚約解消を受け入れる。 傷心(?)のアリシアが向かったのは行きつけの食事処。 ここで美味しいものを沢山食べて、お酒を飲んで、飲み友達に愚癡ったらすっきりする……はずなのに。 婚約解消をしてからというもの、飲み友達や騎士様との距離は近くなるし、更には元婚約者まで復縁を要請してくる事態に。 そんな中でもアリシアを癒してくれるのは、美味しい食事に甘いお菓子、たっぷりのお酒。 この美味しい時間を靜かに過ごせたら幸せなアリシアだったが、ひとつの戀心を自覚して── 異世界戀愛ランキング日間1位、総合ランキング日間1位になる事が出來ました。皆様のお陰です! 本當にありがとうございます*° *カクヨムにも掲載しています。 *2022/7/3 第二部完結しました!
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