《NPC勇者〇〇はどうしても世界をDeBugしたい。みたい!?》第10話A 勇者はどうしても現実に帰る。みたい・・・

時は夜、場所は大魔道飯店。

ここでは、ファステの住民が大勢集まり大宴會が開かれていた。あの傲慢なプレイヤーに住民が初めてやり返せたのが嬉しくて、店の中も外も大賑わいの狀態だった。

聞くところによると、あのような輩がこの街を訪れたのは初めての事ではなく、もっと『前』に大勢押しかけてきて街の中を散々荒らしまくった事があるらしい。予想だが、公開されていないテストプレイがあったのだろう。その時は町中ひっくり返されたみたいになったとか。

「いやーあん時はみんなでもうこれ以上あの手の奴らには逆らわない様にしようって話になってたんだ!ソレをここまで派手にやり返せる時が來るとはな!ありがとよ!勇者のあんちゃん!!」

「俺達のマドンナのマリーナちゃんがやられたって聞いた時は我慢出來なかったぜ!ヒャッハー!!大將、もっと勇者のあんちゃんに酒出してくれや!」

次々と店の常連から話しかけられ、なんだか恥ずかしいような、そんな気持ちになった。勇者、ハック、タリエル達は店のカウンターの真ん中に座らされ、次々にいろんな住民から挨拶されては乾杯を求められる。

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「てめぇら・・あんま調子のんなよコラァ!!・・・おう、お前、さっきは悪かったな。まぁ、これでも喰っとけや。」

ドンッと暴に勇者の前に出された料理は、足が8本もある豚の丸焼きだった。どう見ても一人で食い切れる量じゃない。店の中に居た常連のゴロツキ共はみんな口々に「デレた」「大將がデレた」とヒソヒソ話を始めた。

「ぅるせー!!たまたま手違いで作ったんだよ!!捨てるのもったいねーから喰わせるだけだ!!ぶっ殺すぞてめぇら!!」・・ヒソヒソ・・・

「ま、まぁまぁミンギンジャン。落ち著いて」

「フンッ!!しかしハックよ、いつからそこのトンマと仲良くなったんだ?お前等元からの知り合いか?」

「トンマって・・・おいおい。」

「いやいや、まさか。勇者殿とは今日知り合ったのだよ。そして今日、パーティーを組むことになったのさ。」

「へぇ~~人嫌いのお前がねぇ。一そいつのどこが気にったんだ??」

「ふふっ、聞いて驚くなよミンギンジャン。なんと彼は、あの鑑定局出張所で私が見ている目の前で『値切り』を功させたのだよ。」

「「「ええぇぇえぇぇえぇぇええぇぇっっっ!!!!」」」

あれだけ騒がしかった店の中が一斉にシーンと靜まりかえった。唯一いてるのは「えっ?えっ?」ときょろきょろしている勇者と、勇者の前に出された料理に勝手に手を付け、両手でを頬張り口のまわり中油まみれにしている『タリエル本人』だけだった。

「ふえっ?」

タリエルもその異変に気づき、辺りを見回す。周りに居たゴロツキ共は冷や汗をかいている。

「あ、あの地獄の強突く張り、<現金の亡者キャッシュグ―ル>から、値切りを・・・」

「あいつ売れるなら親兄弟も平気で売り飛ばすって聞いたぞ!?」

「おれも聞いた!あいつが前にいた街はペンペン草一本も生えない不の地にされたらしい!」

「お、俺はこの前!ど~~しても手持ちが足りなくて新しい農が買えなかったとき、嫁さんでも娘でもいいから質にれてこいって、平気な顔して言われたぞ!」

「まさに金の亡者、<現金の亡者キャッシュグ―ル>・・・一何をすれば奴から・・・恐ろしい!」

「お、おいタリエル。普段どんな商売してんだ?流石に酷すぎだろお前の評判。」

「ふぇ?わらひぃのひょーばん??・・ムグムグ、ゴクン。そりゃまー私ぐらいの鑑定員になれば?大陸全土から殿方からの好意はやっぱけちゃうの必ッ然ッ!ですけどー!?!?タリエルたん可くってゴメンねー!きゃはは!」

「「「ゾ、ゾゾゾ~~~」」」

なぁ、あれは本當に怯えてる人間が見せる『目』だぞ?タリエル。猛獣に襲われたって屈しないようなゴロツキの猛者共が、子貓のように怯えきってしまっている。かわいそうに、いままでんな事があったんだろうな。ご愁傷様。

「わ、わたし!!見たんです!!」

今度はその聲のした方向へ皆が一斉に振り返る。店のり口付近に立ってた、両手に酒のったジョッキを沢山持っているマリーナが、顔を真っ赤にしながらんでいた!うわー何だろすっご-い嫌な、よ☆か☆ん!!

「あれは、あの3人に絡まれる前の事なんですけど、鑑定局出張所にお弁當の配達に行ってたんです!お店の中が暗くて、お留守かなーってゆっくり覗いてみたんです・・そ、そしたら・・・」

「「「そ、そしたら・・」」」ゴクリ

やめてマリーナ、それ以上『いけない』。

「す、すっごいやらしい顔して、何かこう・・ゴソゴソとズボンにしまって笑ってるマルマルさんと、その・・・機の上で、服がれたまま、泣いてるタリエルさんが・・・きゃあぁ!!」ガチャン!

「「「な、なんだってぇぇぇ!!!!」」」

マリーナが話に夢中になるあまり手に持ったグラスを落とすのと、ソレを聞いていた住民のびはほぼ同時だった。ねぇ、なんでそんな言うのさマリーナ。僕君のこと助けたよね?あれ夢じゃないよね?僕の勘違いとかでもないよね??僕ぁそれが助けてあげた人への『恩返し』だなんて、ちょっとひどいんじゃないかなーっておもうんだぁ。あんまりだよなー。ねぇ神様?そうだよね?なんか言ってよ『サウタナ』のかみさまー??ねぇ~~??

勇者は直前の閃きでとっさに自らの脳に閉じこもり、事なきを得た。被害はゼロだ!

・・・そう思うことにした。

Aパート終了→

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