《NPC勇者〇〇はどうしても世界をDeBugしたい。みたい!?》第13話C そして勇者は能力について話す。みたい!

一瞬の空白。みんな音は聞こえたけど理解していないって顔だ。やはり言わなければ良かったか。

「え?あ、あははヤダもうマルマルさんってば!変な冗談言うから間にけちゃったじゃないですか〜」

「そうとも、まさか流石にそんな訳ないであろう?なぁ勇者殿、人が悪いぞ」

あら、ハックまで信じてないのか、意外というか何というか。今までいろんなモノを見てきたけど流石にこれを信じろってのは無理があるのだろうか。

「えーっと、じゃあ。これが俺の所持金袋だ。中を見てくれ。」

「「「じ〜」」」」

「中は100Gの金貨が1枚、これを覚えておいてくれ。ハック、何か要らない持ってるか?」

「要らないとは?」

「なんでもいいよ。手放してもいい、価値のないモノを見せてくれ」

「では…これならどうだ?使い終わった魔石のかけらだ。特に何も付與されていないし、かけらだから単では使いにならん」

「わかった、じゃあ、それを俺に売ってくれ。100Gで」

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「ほ、本気か!?売ったって々1Gの値がつくのが一杯の品だぞ?」

「あぁ、だから『良い』。」

ハックは魔石のかけらを機に置く。勇者はワザと袋の中をひっくり返し、100G以外何もっていない事をアピールして金貨を1枚機の上に置く。

「じゃ、立だ。お互いのを取ろう。」

ここで両者が互いに出したモノに納得して、両者が同時に取る。これがこのゲームにおいての渉および個人商談のルールだ。これを守らなければ商談が立したとはみなされない。

「取ったぞ?勇者殿よ。次は何をすれば良い?」

「そのまま自分の所持金に足してくれ」

ハックは自分の袋に1枚の100G金貨をれる。それを確認してから、今度は俺の所持金袋を開いてみせる。

中にはちゃんと100G金貨が1枚っていた。

「…ただのトリックとか、手品なんじゃないの?」

完全におちゃらけた雰囲気を消したタリエルが、不機嫌そうに口を挾む。まぁ、側から見ればただの手品にしか見えないな。

「では、ここで俺のステータス畫面を見てくれ」

皆に見えるように紫のメニューボードを開く。そこには所持金が100Gのまま、アイテム欄に魔石のかけらが追加されていた。

「ホント…なんですか!?」

「本當だよ。ただし、所持金額分しか無限にならないらしく、1度に100Gまでしか使えないけどさ。」

「す、凄いぞこれは。私の職業である『錬金士』と言うのは元を辿れば、何か別のアイテムを合したり錬する事によって金、即ちゴールドを作する為に研究が始まりそれが魔と複合して発展したものが源流である。だが、數多の時を重ねてもそれが功する事は葉わず、いつしかその目的は不可能であると斷定され職業としては元の意味を持たなくなった。今、私は錬金の完を見た!これは歴代の錬金士の誰もがし得なかった事であるぞ勇者殿!」

やばい。ハックの反応が想像以上だ。やっぱこれは言うべきでは無かったか?タリエルがさっきから黙りこくってるのが気になる。

それもそうだ、コイツは鑑定局員になるまでの滲むよう努力をしてきたらしい。今までずーっとお金の大事さをじ、そのセンスを鋭く尖らせて生きてきた。無限に金の湧くサイフなんて、彼の生きてきた人生への冒涜でしかないモノだ。最低でもタリエルの前では知らせるべきでは無かった。失態だ。

2人共、タリエルの雰囲気が変わっている事に気づきその場を取り繕うとする。だが…

「 …あのさぁッッ!!」バンッ

タリエルが怒りをあらわにしながら機を叩き、その勢いで立ち上がる。顔が本気で怒っている、値切りをした時と同じ顔だ。仕方ない、金の価値を落とすような真似をしたのは俺だ。コイツの怒りをれよう。それが彼の守らなければならない自らの『尊厳』の為になるなら。

「わ、悪かった。すまんタリエル。」

「勇者殿は自分の能力を説明してくれただけだ。それを君の前でさせたのは私の罪だ。許してくれたまえ。」

「タリエルさん落ち著いて!」

「…ちょっと良いかな?だって、もう我慢出來ないよ。あんな事されて、平気な顔してろって言うの?冗談でしょ!!いい加減にして!!」

「悪かった!ごめんよタリエル。」

「もういいから!!値切りの時もそう思ったけど、1つこれだけは絶対にはっきり言っておくよ!!」

からの次の罵倒を、甘んじてれよう。そう思い、眼を閉じて頭を落とした。

「結婚を前提に!お付き合いして下さい!!!!」バシッ

「 う、うわぁ…」

「うわぁー…」

「うわぁ…」

タリエルが、機の上に頭をぶつける勢いで(いや実際にぶつかっていたが)90度に腰を曲げお辭儀し、プロポーズしてきた。勇者◯◯無限のサイフに対して。額の當たった機にゆっくりと赤い溜まりが広がっていく。コイツ、ガチだ。

「うわーちょっと、マジかよ。引くわぁ」

今言ったのは俺じゃない。ハックだ。すっかりキャラを忘れている。そのぐらいのドン引き!勇者は不意をつかれた!きが取れない!

「あわ、あうあう…」

「それで!返事は?」

「あぁぁ、うああわあ」

「返事はいつ程もらえるのでしょうか!いつまでも待ちますけど!!」

ぐりんと顔と制をマリーナの方に向き替えるタリエル。何をするつもりだ?

「マリーナさん。良いですよね?私が無限のサイフコレ貰っても!別に構いませんよね!?」

「あわわ!私にそんな事聞かれましても!その、マルマルさんとは赤の他人と言いますか知り合ったばかりで全然そんな関係では無いですし!って、言うか!私に聞かないで下さいぃ!!」

何気にマリーナがとても酷い事を言った!勇者はこんらんしている!

「ひ、ひぃぃ」

「ライバル無しって事はOKで良いですよね!?だって私、正ヒロインですもんね!!あっ!なんだったらアレでも良いですよ?ヒロイン的な「お辭めなさい!!」」

自らを取り戻したハックが寸前の所で止めてくれた。ハックGJ!このままいってたら完全アウトな方向だったよ。いやもうアウト側か。

「人の不幸に取り込んで、なんて事を言うのですか!見なさい、この怯えた勇者殿の表を!恥を知りなさい!このの突っ張った現金の亡者キャッシュグールよ!!」

ハックが聖屬の魔力を杖に込めてタリエルの頭を叩く。タリエルの眼からはやっとゴールドのが消えた。

「ハッ!?わ、私ったらどうしてしまったのかしら〜オホホ〜」

「『史上最大の儲け』を目の前にして、ソナタらしくもなくゴールドの暗黒面ダークサイドに墮ちてしまったのだ。次に勇者殿に手を出そうとしたら本気でソナタを聖屬魔法で消し去りますよ!?」

「ちぇーちょっとふざけただけじゃんかー」

ハックが結構な勢いで怒ってる。腰が抜けた勇者はただただそれを見ているしか出來なかった。それ程にショックをけた。何というか、男としての尊厳を完全に失ってしまった。もう立てない。別の意味でも(いや、何が?!)

「なんなんですか皆さん!もう帰って良いですか!?うえーん」

マリーナまで気に當てられて泣き出す始末。もうめちゃくちゃだ。

そんなこんなで、第1回目の賢人會議は幕を閉じたのであった。

第13話 END

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