《NPC勇者〇〇はどうしても世界をDeBugしたい。みたい!?》第19話B そして勇者はパーティを結する。みたい!

「あの人、カルガモット?だっけ?中々に人気無いなぁ〜」

「空気読めないんだよ。だから殘念騎士。」

「あぁ、そういう事!それでハック、その殘念騎士の先祖が何したんだ?」

「まさにそれなんだよ勇者殿!ザゥンネ家の勇者の存在は知られていても、その勇者が何をしたという文獻が全く無い。いくら調べても、何をしたとか、どうなって勇者の名が広がったのかという裏付けが存在しないのだ。」

「え?そんなの矛盾して無いか?ある程度人に認められたんだから勇者って呼ばれるんだよな?何をしたのかも知らない人を勇者とは呼ばないだろ。」

「それこそまさに開発者の殘した抜けだと考えるべきだ。そこに必ず何かがある!」

る程!そういう事か!!」

「それじゃ、最初の冒険は領主様のお家って事になるのかしら?ハック君。」

「そうだ。ザゥンネ家に不法侵し、先祖の存在にまつわる報を探す。」

「不法!?まいったなぁ、そんな悪い事するとは思わなかったよ」

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「私は金さえ払ってもらえばいい。」

「ハック、不法じゃ無くて正々堂々と調べに行けないのか?」

「現領主に、あなたの祖先は偽だから調べさせて下さいとでも言うつもりかね?」

「あーそりゃ無理か。」

「誰か他に案のある者はいるか??」

みんな頭を捻らせてはいるが良い意見が生まれなかった。

「それでは、領主様の館に侵する方法を探すのが當面の課題だな。パーティメンバーはそれぞれ生活しながら、それに関する報を得られたら教えてしい。當面の間はココを拠點とするが、何かある場合は私か勇者殿と連絡を取ってしい。」

「あ!ちょっとお願いあるんだけど!!」

勇者は冒険者組の方を向いて頭を下げた。

「すまん!俺まだ1回もフィールド出た事無くて、パーティ組んだら一回街の外出てみたかったんだよね!明日の午後暇な人いたら、俺と一緒に外行かない??」

「私はいつでもいい。」

「自分も、今は特にやる事ないので行けます。」

「はーい!じゃあサイカ母さん特製のお弁當作って準備します!」

「お弁當!?あたしも行きたーい!!」

「タリエルさん、店番はいいんですか?」

「うぐ!そうだった…」

「必要なら聲を掛けてくれ、ただ、出來れば私は書斎で調べをしたい。」

「強制とかじゃ無いよ!いける人だけでいいから!!」

もう一度數え直すが、勇者に同行するのはアンジェラ、ヤンド、サイカだけだった。

「えーっと、じゃあ俺とアンジェラとヤンドさんで前衛、サイカさんは後衛って事でいいな?」

「えっ!ちょっと!あの、自分はバッグ対処専門なので…前衛に數えられると困ります!」

「いや、流石に4人パーティを2-2に分けるのはちょっと…」

「それだと自分も困ります!!」

「いや、參ったなぁ。低レベルで2人前衛だとアンジェラさんに負擔かかり過ぎるし…」

「私は構わないが?」

「そういう訳にもいかないでしょ。あ!そうだ、実はもう1人パーティに立候補してる人がいて、その人にってもらえばいいか。」

「え?誰?ハックさんから聞いてるのはここにいるメンバーだけだよ?マルたん他にも見つけてたの?」

「あぁ、その人だが一応街を探してみたが見つからなかったのだ。何処に行くとか言ってなかったか?」

「そういえば何も言わずに居なくなっちゃったもんな。ナユルメツって名前の人なんだけど。誰か知らない?」

ファステの街に住むメンバーの誰もがその名前に聞き覚えが無かったようだ。みんな首を傾げている。

「呼んだ?」

ふと勇者の真後ろから聲がして、驚いて振り返る。ちょうど勇者の影になっているような場所から、ヌルリと真っ赤なローブ姿が現れる。

「うわっ」「キャッ」「何っ?」

皆が驚きの聲を上げる。誰にも気配を悟られず現れたのだから、當然警戒される。アンジェラに至っては剣に手を掛けるが、ハックにそれを制止されていた。

「マルマルさん、その人、パパが言ってた人?」

「そ、そうそう。昨日お店に現れて脅かしちゃったみたいなんだけどさ。悪い奴じゃないよ。多分。」

「何それ多分じゃ困るよマルたん!なんか怖いんだけど〜」

ナユルメツはみんなから不穏な視線を送られても、ビクともせず突っ立ったままだ。

「えーっと…ナユルメツ、さん?みんなに自己紹介してくれる?」

「名前、ナユルメツ。ヒーラー」

それだけ言うとまたナユルメツは黙ってしまう。

「パーティにりたいんだよね?俺達に協力してくれる?」

「協力、する。その前に、『報』しい。死なない勇者。」

「そう言えば、なんの報がしいの?」

「…たましい。死なない勇者の、生きているという、報。」

ナユルメツはそう言うとローブから手をばす。その手はシワシワに『枯れていた』。

陣がその手を見て軽い悲鳴を上げる。ヤンドとハックが近くに寄り警戒するが、勇者がそれを止める。

「いいから!…ナユルメツさん。君のしい報を上げるから、俺達の仲間になってくれ。」

「承知」

ナユルメツのシワシワになった手が勇者の額にびる。顔にれた所から白い輝きが溢れ、その手に吸収される。

「うおぉぉぉおぉああぁぁああぁ!!!」

勇者のしだけ中に浮く。ナユルメツの手がドンドン勇者のから出る白い輝きを吸収していく。

「ちょっと、ハックさん!!これヤバイんじゃないの!?」

「勇者殿を信じろ!彼はあの者を信じている!!我々も信じるのだ!」

やがて勇者のが真っ白い輝きに満ち、目も眩むほどの激しいを放った時、空間に衝撃が走った。周りにいた全員が軽く吹き飛ばされる。

「「うわっ!!」」「「きゃあ!」」

「いてて、みんな大丈夫か??」

1番先に起き上がったのは勇者だった。みんな心配して勇者の側に駆け寄る。のあちこちをみんなでって確認する。

「おい、俺は良いって!んなくすぐったい!!」

「大丈夫なのか勇者殿!?」

「平気だよ、それより…」

ナユルメツと名乗っていた真っ赤なローブは、ペシャンコになって床に広がっていた。

Bパート終了→

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