《NPC勇者〇〇はどうしても世界をDeBugしたい。みたい!?》第21話B そして勇者はダンジョンを踏破する。みたい?
「あ、前の方は片付きました。」
角から出てきたヤンドは、両腕と顔面に返りを浴びてる以外はいつものヤンドだった。
「あ、はい。」
「やりましたよリーダー!指示された通り前で戦ったら他の人に迷かけずに済みました!」
「よ、良かったね…」
「それで、あの…」モジモジ
「な、なんだ?ヤンド?」
「ご褒、お願いしまっす!!」
「あ、あぁ」チャリン
「アザーッス!!」
まだの滴る両手で大事そうにゴールドをけ取ると、急いで財布にしまっていた。
「ん」クイッ
後ろからアンジェラが手を出す。
「…何の手だ?」
「警戒してた。それで、私が危険を察知して、それを勇者に伝えた。」
「……。」チャリン
「わかればいい。」ゴソゴソ
「ね?勇者君っ」チラッ
「はい」
「ね??」チラッチラッ
「……ハァ。」チャリン
「あ!今溜息ついたでしょ?若いんだから溜息なんかついちゃダメだぞっ!めっっ!」
また勇者は無言の真顔になってスタスタと一人で歩き出して行った。
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<地下2階>
ヤンドの活躍のおかげでそれ程苦労せずに勇者達一行は地下の2階に著いた。コボルドの討伐數もあっという間にヤンドが一人でクリアしてしまった。
「ここのダンジョンは淺いから2階以降に寶箱が出るぞ。狙うか?ユーシャ?」
「あーまぁ初寶箱ぐらい開けとくか。そういえば盜賊系のトラップ解除スキルがある人いる?」
「一応初級なら」「はーい私も出來まーす」
アンジェラとサイカは出來るそうだ。ヤンドはダメだというジェスチャーをする。
「ちなみに、初級の寶箱トラップって?毒針とかクロスボウ?」
「毒針は殆どない。だいたいダメージ系のトラップかな。」
「良かった。ただでさえステータス低いから、レベルダウン系のだと死活問題だった。」
「そんな上級トラップ、聞いたことはあるけど実際に遭遇した事はないなぁ。」
さすがアンジェラ。冒険者としが長い分、々と経験している。
「私はあんまり寶箱得意じゃありませんでした〜」
「自分はいつも叩き壊して開けてました。」
それとは正反対に、こっちの2人の話はてんで頼りにならない。
「叩き壊すのって、手確率がかなり下がるよな?よくそれで1人で冒険者やれてたよホント。」
「ハハハ、いやぁ照れますね。」
「褒めてねーし!」
「サイカさんは昔冒険者だったんですか?」
「うん?私??」
「だってやけに冒険慣れしてますよね?てっきり普通の主婦の方だとばかり思ってましたよ。」
「いやあねぇ、こんなおばさんをからかっても何も出ないわよ、ウフフ。」
なんだか上手くはぐらかされてしまったが、サイカも中々の経験者なのだろう。先程からののこなしや、ダンジョンの歩き方からして普通の民間人では無い事ぐらい理解出來た。
「冒険者の過去を聞くのはマナー違反だ。」
「あぁ、すまんアンジェラ。悪かったよ」
「じゃあ勇者君の事を聞いて見ようかな〜?どう2人とも?」
「聴きたい」「自分は特に…」
「アンジェラ、さっきなんて言ってた?過去を聞くなとか言ってなかったか??まぁいいけどさ。何がききたい?」
「<現金の亡者キャッシュグール>とどこまで行ったの?」
アンジェラからあまりの予想外過ぎる質問をされ、勇者は前につんのめりヤンドの背中に激突してしまう。
「うわぁ!ビックリしたなぁ。やめて下さいよリーダー!」
「す、すまんヤンド。転んじまった。」
「で、どうなの?」
「アンジェラちゃん。大人のカンケイを詮索するものじゃ無いわ。マナー違反よ?」
「わかった!!!」
「わからんでいい!!ったく」
勇者が怒りながら歩くと、何かを踏んづける。ポチっと音がして振が響く。
「…ん?なん、だ…わぁ!!」
あっという間にに勇者は床下に空いた奈落の底に落ちて行った。
「「「はぁ?」」」
そして落ちたの手前に再び現れる勇者。
「「「うわっ!!」」」
「……あー、死んだわ。即死トラップか?」
「ユーシャ、…死んだの?」
「あぁ。トラップで死んだからトラップの前に戻されたみたいだ。」
そう言って勇者は振する黒いメニューボードを見せる。
「だ、大丈夫なの勇者君!?」
「ハイ、もうこの覚にも大分慣れました。」
「でも改めてその、目の當たりにすると…すごいですね。」
「いやーヤンドの変わりようも凄かったぞ?」
アンジェラは落としを調べていた。何か気になる所があるようだ。
「どうした?アンジェラ?」
「このダンジョンに落とし。しかもダウンフロアタイプじゃない。どう考えてもおかしい。」
アンジェラが険しい顔つきで考え込む。
「何かが『違う』。アンデットコボルドと言い、このダンジョンと言い。『絶対的に変わる筈のない』が変わってしまっている。」
「変わってる…変わった…。『変更』?そうか、わかったぞ!」
 「一何がわかったんですか?リーダー?」
「変更されたんだよ。敵も、ダンジョンの仕様も。運営に『修正』されたんだ。本編の配信用に合わせて。」
「運営…この『大陸』を作った人達ね?」
「テストプレイが終わってから大分経つし、本格的にテコれが進んで來たんだろうな。」
「え!?じゃあ、リーダーもしかしたら、その人達に見つけてもらったら帰れるんじゃ無いですか!?」
「…いや、現時點で俺を見つけられてない所を見ると、無理なんじゃないかと思う。今の俺はどっからどう見ても立派なNPCだしな。」
「なるほど、『ココ』でNPCが困ってても誰の目にも止まらない。」
「…この大陸じゃ、なんでもアリ。か…」
サイカの言ったそのセリフは何処かで聞いた気がした。
「とにかく、まだ確証を得た訳ではないがダンジョンも変わってしまっていると考えれば気を抜かずに行った方がいいな。即死トラップもあるなら今度は俺が前に出るよ。」
今度は勇者が先頭に立ち、その次にヤンド、アンジェラ、サイカの順で並び替えて行した。
…だが、その先はとんでもない狀況だった。ペンデュラムに大巖、槍、毒針、クロスボウなどの飛翔。更には落とし、毒ガス、電気罠に火炎放と全滅級のトラップのオンパレードだった。全て勇者が進んで引っかかり、安全になった所を他のメンバーが進んで付いてきた。
「リーダー…本當に大丈夫なんですか?」
「ん?あぁ、どうせHPも15しか無いし、中途半端に回復するぐらいなら復活した方が早いんだよ。」
「うーん、ちょっと見ていて正直にくるがあるわね。」
「確かに、目の前で何回も仲間が死んでくのはキツイ。」
「しょうがないだろ??だったらアンジェラ俺の変わりに前進むか?」
アンジェラはブンブンと顔を振る。
「じゃあこのまま進むから、もうちょっと離れてくれよ」
そう言ってまた勇者はありとあらゆるトラップに引っかかりながら進んで行った。
ややしばらく進むと、下に降りる階段にたどり著いたがその隣の部屋に寶箱があった。
「うぉー!すげぇ!リアル寶箱だ!結構でかいんだなぁ!!」
「なんだ、レア箱じゃないのか」
「良かったわね、勇者君。」
「自分はとりあえずり口見張ってますから、開けてみて下さい。」
「あいよっと、何が出るかな〜」パカッ
「ちょ!ユーシャ!!」
アンジェラが飛び跳ねてを守る。サイカもし離れていた。
「あん?何??」パタン
「……ん?…運が良かったな。鍵かかってなくて」
「鍵?これノーマル箱なんじゃないの?」
「そうか、勇者は初めての寶箱と言ってたな?この『大陸』で手にる寶箱は大概の場合鍵が掛かってる。もし鍵のかかった寶箱を無理矢理開けようとすると発したりするぞ」
「発!?『サウタナ2』になってからそんな機能がついたのか!」
「ピックで鍵を解除するか、魔法を使って開けるか、ヤンド君みたいに箱ごと壊してしまうかのどちらかね。ま、壊すと手率か10分の1になっちゃうけど。」
「そんなのもっと早く言ってくれよ!気軽に開けちゃっただろ!」
「すまん。鍵掛かってて開けられないと思っていたから。」
「でも、鍵付いてないのって回復アイテムとか消耗品だから大していいってないのよねぇ」
「なーんだ。ビックリして閉じちゃったじゃねーか」
「まって!確認したい事がある。」
アンジェラが寶箱に手を掛ける。
「!!」
「どうした?」
「サイカ、ってみて。」
「どうしたの?アンジェラちゃん。あら?これ…鍵が掛かってる?」
「え?いや、さっき普通に開いたぞ?」
「でも、閉まってるわよ?ホラ?」
勇者が手を掛けると、簡単に蓋は開いた。
「…空いてるぞ?」
「えぇっ!?さっき確かに鍵が掛かってたわ!」
「やっぱりな。最初ユーシャが開けた時、チラッと中が見えたんだ。それはどう見ても消耗品じゃ無かった。」
「な、何言って…!?」
ポケットの中が強く振する。黒いメニューボードを開いて勇者は歓喜した。
「オイオイマジかよ!スゲーぞこりゃ!ロック解除だってよ!」
「ロック解除ぉ!?」
「あぁ!なんでも鍵開けられるっぽいぞ。しかし良くわかったなアンジェラ。」
「ふん、これぐらい冒険者やってれば『普通』」
アンジェラは言ってる事とは反対に、ドヤ顔全開で踏ん反り返っている。
「それでリーダー、何がってたんですか??」
「そうだった!どれどれ…あー、なんか大した事ないっぽい。」
\テテーン/ 勇者はダガー?を手にれた
「んー。見るからにFランクねぇ。」
「大した稼ぎにはならないな。」
「修正けても初心者ダンジョンですからねぇ。」
「「「はぁーあ」」」
勇者以外の3人はがっくりと肩を落とす。
「あんたらにはただのFランクかもしれないが、俺には立派な裝備品だよ。後でタリエルの所もってって鑑定してもらうか。」
勇者は自分の荷袋に大事そうにアイテムをしまう。
「良し、下の階に行こっか!」
Bパート終了→
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