《NPC勇者〇〇はどうしても世界をDeBugしたい。みたい!?》第21話C そして勇者はダンジョンを踏破する。みたい?

<地下3階>

「急に広くなったな?さらに寒くなってるし…」

「あー、このパターンは…」

「ユーシャ。ボス部屋だ。」

「今度は自分が前に出ます!」

ヤンドが前に立ち、それ以外の者は勇者を中心に左右に広がる。

「ボス!?強いのか?」

「いや、前までのダンジョンならここにボス部屋は存在していない。だが、この近辺のダンジョンならオーク辺りが妥當だろう。」

「オークかぁ…とりあえずなんでも一撃で死にそうだな。行こう」

それぞれ武を、ヤンドは素手を構えて前に進む。一歩、また一歩と警戒しつつ、慎重に歩みを進める。

奧に薄明かりが見えた。

「…!」

それぞれが更に武を鋭く構える。進むというよりはにじり寄るように詰めていく。

(アンジェラ、何かじるか?)ヒソヒソ

(いや、何も。サイカそっちは?)

(こっちも何もないわ)

「…??アレ、皆さんひょっとして…」

(おいヤンド!聲が大きい!!)

「大丈夫ですよ、自分が反応してないって事は何も居ませんから。」

「確かに。」

「それよりあそこを見てください。」

ヤンドが指を指す薄明るいその場所には、天井に向かって梯子がびていた。いや、天井だけではない。天井を突き抜けてずっと上までびていた。どうやらそこらが明るいのは、その梯子のびる先かられているからのようだ。

「え?出口??」

「ボス部屋なのに、ボスが居ない?」

「…疑っても仕方がない。居ないのが事実。」

「とりあえずはお外に出ましょっか?」

なんとも拍子抜けする最後ではあったが、こうして勇者一行の初ダンジョン攻略は終わった。

<地上>

「お!地上だ!ダンジョンの前に出たぞ。」

墓地にあった墓石の1つがずれ、その下から勇者が這い出てきた。その後にアンジェラ、サイカ、ヤンドが出てきた。ちょうど夕方になった頃だ。

「うぁー、目に夕日がしみるなぁ。」

「意外と時間かかってたんですね。」

「さぁ、そろそろ帰ってお夕飯の準備しなきゃね!」

「夕飯…いいなぁ」

「あら、アンジェラちゃんも食べて行く?」

「いいの!?」

「あ、いーなーアンジェラ。」

「うふふ、勇者君も來る?1人増えるのも2人増えるのも一緒よ。」

「やった!普段ミンギンジャンの店で濃いめの味付けばっかり食べてたから家庭的な味に飢えてたんだよ!!ヤンドも來るよな?」

「ガルルルルルゥゥウウゥゥ!!!!」

「サイカさーん!ヤンドも來るって〜!!」

「みんな、食べられないモノってある?」

「私、辛いの苦手。あと魚無理」

「あらあら、冒険者なのに魚が食べれないなんて困った子ね。じゃあアンジェラちゃんが魚食べられるようになれるサイカ母さん特製の魚料理にしましょうかね?」

「げー」

「こら!げーって言わない!」

「俺は特に苦手とかないです!ヤンドは?」

「ウガアァァァァ!!!」

「おーい!ヤンドも苦手な無いって〜!!」

「さぁ、それじゃあみんなで帰りましょう!」

「「おー!!」」「グァァアア!!」

「…なぁ、そろそろ現実を見るか。」

「そうね。」「うん」

「で、若干1名が獣化してるんだが、辺りに誰かいる?」

「それが…敵の姿が見えない。」

「こっちにもいないわぁ。あら?」

サイカが墓石の影に何かを見つける。それはピクピクとくナニカの腕だった。

「何かしら…きゃあ!」

「どーしました?って、うえっ」

「あー、アンデッドコボルドの腕だね。」

「ここる前にヤンドが蹴散らした奴らか?アンデッドだからってそんなにずーっと殘ってるモノか?」

「ダンジョンにった時點で戦闘は切れる。だからコイツらが殘ってるのは異常。」

「そうなると…イベントバトルの可能は?」

「イベントバトル?」

「ハイ!例えば可能の話ですけど、さっき倒したアンデッドコボルドの群れがここのダンジョンのボス的存在で、今ミンチになってるのが合してキングアンデッドコボルドになるとかですねぇ。」

「あぁ!そういうじ!中々に可能は低いけど、もしそうだったらそういうじになるんだね!」

「ユーシャ、死いて集まってるぞ。」

「何言ってんだよアンジェラ、だからそれはさっき倒したアンデッドコボルドの大群がここのダンジョンのボス的存在で、今から合してキングアンデッドコボルドになる場合の話だってば!」

「そうか、うっかりしていたよ。」

「ガアァァアアァァ!!」

「オイオイヤンド、バーサーカーモードなってどうしたんだ?お前が今バーサーカーになるって事は、さっき倒したアンデッドコボルドの大群が、ここのダンジョンのボス的存在で今から合してキングアンデッドコボルドになる場合の話だろ?もういいっつーの!」

「「「どわーっはっはっは!!」」」

墓地の中央に死の破片が集まり始め、1つの大きな塊となった。

「「「………。」」」

その塊は大きくうねりながら形を変え、どうやら合して二本足の生きの形になった。キングアンデッドコボルドだ。

「「「マジで!?!?!」」」

第21話 END

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