《NPC勇者〇〇はどうしても世界をDeBugしたい。みたい!?》第24話B #2 『殘念勇者の伝説』
喫茶スケアガーゴイル。ファステの中にある數ない喫茶店の中でも、最もフードメニューが充実している店で、悪魔ハマナスのローズヒップティーが有名。らしい。らしいというのはたまたま先程すれ違った買い途中のサイカにオススメの店を聞いて來たので、2人共店にるのは初めてであった。
「〜ゴショ…ボソボソ…ガサガサ…」
ペスト醫師そのものコスチュームにを包むマスターが、ローズヒップティーを2人に出す。マスターは何の種族なのかマスクをつけていて分からないが、耳元でヒソヒソ話でもされてるような音で會話する。當然2人には何も通じない。
「「おぁ〜」」
一口飲むとらかく深いバラの香りが鼻から抜ける。悪魔ハマナスは灰が強くキツい匂いのモノらしいが、こだわり抜いた品質にじっくりと時間をかけて蒸した上質なお茶が2人の心を和ませる。勇者とタリエルは久し振りに心から安らぎをじた。
「いや〜これ味しいなぁ〜」
「ほのかに甘いのも凄くいいよぉ〜。とっても味しいね。」
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「ガサガサガサ、ゴショゴショ、ボソ。」
「マスター味しいです!ありがとうございます。フードメニューで何かオススメがあれば頂きたいんですけど。」
「わしゃわしゃ。カサカサ。」
話は通じてるのだろう。マスターは廚房にって何か料理を作り始めた。
「マルたん連れてきてくれてありがとう。すっごく嬉しいよ。」
「まぁこの前ったの俺だしな。喜んでもらって何よりさ。」
「なんか…不思議だね。初めて會った時にはこんな事になるなんて思っても見なかったよ。」
「それはこっちの臺詞だ、タリエル。…あの時は無理矢理値切らせてしまって悪かったな。」
「ふふん!マルたんだけの特別サービスだからね。あはは。」
(きゃー!ハックさん!!見て下さいよあの2人!!どこからどう見てもアベックじゃないですか!!)ヒソヒソ
(アベックって…とりあえず一旦落ち著こうマリーナ嬢。あまりはしゃぐとバレてしまう。)
何とか先回りに功したマリーナとハックは初級魔士用の茶いローブ姿に著替えて客としてすでに喫茶店の中にいたのだ。ちなみに2人もローズヒップティーを頼んでいた。
(タリエルさん頑張って!!絶対に上手くいきますから!!)
(マリーナ嬢はまた隨分とアヤツを気にっておるのだな。そんなにタリエルが好きか?)
(だってタリエルさん。小ちゃくて可くて、健気なのに一途ですっごく素敵なんですもの。私には無い魅力いっぱい持ってます!)
(そうか。…え?そうか??)
(何言ってるんですか失禮ですよ!!)バシッ
(これ!あまり騒ぐでない!勇者殿に見つかってしまう…)
2人はをめて靜かにする。…大丈夫。まだ気付かれてないみたいだ。
「フードメニューいいっすかー?」
軽いじで注文を取りに來たウェイトレスが1人、なんだかブカブカのダルダルなメイド服を著ていかにもやる気のなさそうな雰囲気のがハックとマリーナの席に來る。その顔を見て2人は愕然とした。
「ん?あれ、2人共いらっしゃい。」
「「アンジェラ(さん)!!」」
2人は自分で大きい聲を出したくせに2人でシーっと指を立てて靜かにしろというジェスチャーをし合う。
「どうしたの?」
(ちょっと聲を落として!なんでアンジェラさんがここに!?)ヒソヒソ
「え?サイカが料理を作れるようになった方がいいって言うからバイト始めた。」
(いつから始めたのだ?)
「今日。不定期でもいいから働けるのここしか無かった。」
(しかし…なんだそのサイズの合ってない服は。どうしたんだ?)
「ここで前に働いてたのオーガのの子だったんだって。それしかウェイトレスの服無いし、鎧はダメって言われた。」
(オーガのウェイトレスが居たのか…ぜひ見たかった。)
(じゃなくてハックさん!どうします?このままじゃバレちゃいますよ!)
(仕方あるまい。アンジェラ殿、私と來てくれ!)
「え?あ、ちょ」
アンジェラの手を引いてハックは店の奧に向かう。しばらくするといつものボサボサな髪をツインテにまとめて、まるでパンダのような濃いめのアイラインを引かれたアンジェラが出てきた。
(かっ!可い!!アンジェラさん凄く似合ってます!!)
「………うん。」
目線を斜めに逸らし、恥ずかしがるアンジェラ。
(てか、なんでハックさんメイク道なんて持ち歩いてるんですか!)
(錬金師たる者、自分の顔ぐらい作れなくてはな。)ドヤァ
(えー!!普段からお化粧してたんですか!?)
(普段はしてないが、これぐらい錬金師の嗜みさ。)
(ハックさん!このままアンジェラさんに協力してもらってあの2人がもっとラブラブになれるような作戦立てましょう!)
(うむ。まずはマスター殿がどのような料理を作っているのか偵察してくるのだ。)
「別に良いけどさ…」
(うん?どうしたアンジェラ殿?」
「錬金師も大概暇なんだね。」
「ぐぅっ!!」
アンジェラに痛い所を突かれ、ハックのプライドに重く響いた。
「…それで、どんな作戦なんだ?ハック。」
(うむ、まずはお店に協力してもらい、スペシャルデザートを作ってもらおう。そしてその時にデザート用のスプーンが1つしかないと言い、勇者殿がアヤツに食べさせてあげると言うのはどうだ??)
(あ!!良いです!それ、お店で前にもそんなじの事やってたんですけど、結局未遂で終わったんですよ!)
「へーそんな事しようとしてるのか。『俺達』に。」
(良し、では早速アンジェラ殿に注文してきてもらうか。料金はこっちで持つので、何か見た目の綺麗な、けするスイーツを頼む。)
「ふぅーん。『私達』に奢ってくれるみたいだよ?」
(飛び切り可い奴でお願いしますね!アンジェラさん!)
「ありがとマリーナ。気遣い謝するよ。」
(いやいや、あの2人の為ですもんね!って、何で私にアンジェラさんが謝するんですかっ)
「今喋ってるのは私じゃないぞ?」
「「……え?」」
恐る恐る視線をあげるマリーナとハック。
聲の主はアンジェラの後ろに隠れて見えない位置にいた、勇者とタリエルだった。2人共鬼のような顔をしている。
「…お、おぉっと!なんだアンジェラ殿。どうやら先輩のオーガ氏はまだ辭めて無かったみたいだな。どれ、同じ職場の先輩後輩で々あるだろうし、それを邪魔するのは野暮というものだ。帰るぞ、マリーナ嬢。」
「そ!そうですね!帰りましょうかハックさん。それでは、機嫌よう〜おほほ〜〜。」
「あーあ。」
呆れるアンジェラを目に、後ろで4人の取っ組み合いが始まってしまった。
Bパート終了→
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