《NPC勇者〇〇はどうしても世界をDeBugしたい。みたい!?》第24話C #2 『殘念勇者の伝説』

結局その後4人で食事し、全てハックの奢りとなった。勇者は明後日以降ならいつでも冒険に行けるという事を皆に共有し、タリエルは自分が行く事に対してずーっと文句を言っていた。

「…ガシュ、ガシュガシュグジュ…。」

「マスターがまた來て下さいだそうです。」

(((言葉分かるんだアンジェラ…)))

「アンジェラはしばらくはここで働らくつもり?」

「あぁ。パーティ組んだし勝手にクエスト行く訳にも行かないからね。日銭はここで稼ぐよ。」

「メイド服、似合ってますよ!アンジェラさん。」

「………あぁ。うん。」

「俺は鑑定局に用事あるけどみんなはどうだ?」

「私はお店に帰ります!ヤンドさんに変な事頼んじゃったので。」

「マリーナは帰るのね。ハックは?」

「私はギルドに用があるので行ってくる。それではここで解散だな。」

手を振りマリーナとハックは別々の方向に歩いて行く。勇者とタリエルも鑑定局に向かった。

「…で、何で私化粧させられたの?」

アンジェラは窓ガラスに映る自分の姿を見て、髪をる。

「………ふふん。」

どうやら満更でもないようだ。

ー鑑定局ファステ支部ー

「ただいま〜っと!」

「何で誰も居ないの知ってて言うんだよ。」

「いーじゃんか!私の家なんだし!」

「まぁ悪い事ではないよな。」

「それで我が鑑定支部に何の用かな??」

「お!そうだった。コイツを鑑定してくれ。前のダンジョン攻略で見つけたんだ。」

「お寶!?」

「いや、ただの武だよ。」

勇者は荷からダガー?を出し

、カウンターに置いた。

「んん〜。んんん?」

「お?その反応は良いなのか?」

「殘念、その逆。マルたんが持ってきたからまたなんかとんでもないだと思ったのに…これじゃあ営業モードになれないよぅ〜。」

「アイテムで差別すんなよ。」

「だってどう見てもFランクだしぃ。」

「いいから頼むよ。」

タリエルはダガーを鞘から抜き、刃の裏表を一度見るとすぐに鞘に納めた。カウンターの裏にある本棚から一冊本を持ってくる。

「なぁ。聞いてもいいか?」

「なーに?」

「この前も思ったけど、何でいちいち本を持ってくるんだ?持ってきてもそれ開きもしないだろ?」

「あぁ、コレね。ほら見てみて。」

タリエルは本をペラペラとめくってみせる。それにはびっしりと々なアイテムの報が載っていた。さしずめアイテム図鑑といった所だろう。

「ほぇ〜凄いな。これ使って調べるのか。」

「いいや?使わないよ?」

「え?使わない?何で使わないのに持って來るんだ?」

「だって、全部おぼえてるもん。」

タリエルが恐ろしい事をサラッと言う。冗談ではなさそうだ。

「覚えてるって…この本をか?」

「んーん。『ここ』の本。」

ゾワッと鳥が立つ。目の前のタリエルが、急に恐ろしいモノに見える。

「え…全部ってこの店の本全部か!?」

「そうだけど…変?」

「変じゃ無いけど…す、すげぇなタリエル。」

「エッヘッヘ〜〜!もーっと褒めても良いんだよ〜マルたん!」

「じゃあ、改めて聞くけど、何で本を持って來るんだ?」

「マルたんは知ってる人だから別にする必要が無いけど、鑑定結果を証明する必要がある場合もあるんだよ。私に信用がない場合ね。」

「それを証明する為にわざわざ持ってきてるのか!?」

「そうだよ? …私にとってアイテムの鑑定は、『図鑑を取って來るよりも早く終わる』のが日常業務でございます。」

會話の最中に、急に営業モードになるタリエル。ただの金にがめついチンチクリンなの子だと思っていたが、これ程までに能力の高い人間だとは思わなかった。

「….恐ろしい奴だ。タリエル。」

「ふふっ。もーっと好きになっても良いんだよ?」

屈託のない笑顔で答えるタリエル。その瞳と小さく尖ったに思わず心が奪われてしまいそうになる勇者。

「う、うわ!そうだ。鑑定結果はどうだったんだ!?」

「もー慌てちゃってぇ。大した事無い品だけど良い?」

「あぁ、教えてくれ。」

「………これは、Fランク武でダガーの種類になるんだけど、『無頼漢の短刀』って言うんだ。要はヤクザのドスみたいなもんだね。」

タリエルに鑑定してもらうとダガー?だったアイテムは白鞘のドスに見た目が変わった。

「ドスか。へえぇ。」

「まぁFランクの武にしちゃ高威力の方だね。でもこれダガーなのに『投げ』屬が無いんだよ。だから近接で戦わなくちゃならないね。あ、でも一応クリティカルに補正つくよ。」

「うん…うん。そうか。鑑定ありがとう。」

「鑑定料は10Gね。もし不要ならこのまま10Gで引き取るけど…どうする?」

「いや、いいよ。はいコレ。お釣りは要らないから。」

「やったっ!!まいどあり〜〜!!」

タリエルがカウンターの下に金貨をしまうと、勇者はもう一枚金貨をカウンターに出す。

「ん?これは?マルたん?」

「売ってくれよ。」

「え?何を?」

『コイツと同じが手にる、報』をよ。」

第24話 END

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