《NPC勇者〇〇はどうしても世界をDeBugしたい。みたい!?》第29話 #7 『殘念勇者の伝説』
「さ、ついたぞ。ここがザゥンネ領の小さな町、シャイガルだ。」
初めて見たシャイガルは平屋建ての家々がポツポツと間隔を空けて並ぶ靜かな町、そんなイメージだった。よくゲームである重要拠點では無いけど、次のダンジョン攻略には必要な設備が最低限度整っている程度の町。
人口で言ったら100人にも満たないような、そんな町だ。途中から勇者達は徒歩で來たので、到著した頃には辺りは薄暗くなっていた。
「いやぁ久々にこんなに歩いたけど、結構疲れるな。」
「私お腹減った〜。酒場に行って何か食べようよ〜」
「ふむ、私は先に宿屋へ行って部屋を抑えて來よう。」
「あ、じゃあセーブしてくるし、俺が馬車組にDM送ってみる!」
「じゃあ私とタリエルさんで先に酒場行ってますね。」
勇者達は最終的に酒場で落ち合う事にして、別行を取った。
街の外れにあるセーブポイントでセーブし、すぐ隣にあるDM専用端末を使う。
「宛先は〜とりあえずアンジェラが無難かな?よしっと」
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こちらは無事に街についたと文面を打ち、送信する。
ワンテンポずらしたタイミングで返事は帰ってきた。
「えーっと…『こちらも著いた。ミンギンジャンには伝えた。でも異常発生。』え?なんだ!?」
アンジェラに詳細を聞き返す。
ミンギンジャン、娘取られてキレて、ヤンドと腕相撲
「いやいや意味わかんねーぞ!?なんて伝えたんだ?」
お前の娘は預かった。と伝えた
「ゆ、拐犯の常套句じゃねーか!何言ってんだよアンジェラ!殘念騎士はどうなった??」
サイカが街の外で見張ってる。店から出れなくて合流出來ない
「…あれ?もしかして、ヤンドって酒飲まされてる?」
ベロンベロン。ガヤのゴロツキ共からどんどん酒が來る。
「あちゃー。もう今晩はそっちでなんとかしてくれ!ウチらは明日予定通り屋敷に潛するから!じゃあな!!」
ユーシャは薄者
「うるせーよ!!っと。何をやってんだ全く…」
大魔道飯店の阿鼻喚を想像し、震いしながら勇者は酒場に向かって行った。
シャイガルにある小さな酒場は、小さいながらも活気に溢れていた。し狹いような印象をけるが、その中でも町の人々や冒険者達は賑やかさを見せて各々夕食のひと時を楽しんでいた。
「おぉー結構盛り上がってんなぁ〜どれ、アイツらは…」
ハック達の姿は、探さずとも直ぐに見つかった。…何故なら店の中で1番騒いでいるのが自分たちのパーティだったからだ。
「だーから!!ぜんっぜん納得行かないんですけど!?!?」
「貴様の言っている事は道理が通らん!何故そこまで固執するのだ!!」
「お、落ち著いて!二人共!!」
荒れる3人。遠巻きにその景を見た勇者は、正直行って近付きたくない衝に駆られた。
「えーっと…どしたの?みんな。」
「どーしたもこーしたも無いわよ!マッタク!!」ダンッ
タリエルが発泡酒のったジョッキを機に叩きつける。見れば顔も真っ赤になっている。
「お前…酒飲んでいい歳なのか??」
「ムキィィ!!マルたんまで子供扱いしおってからに〜グギィィ!!」
「マルマルさん助けて下さい!タリエルさんが飲み始めたらどんどん激昴してしまって…」
「コイツは前からそうだったが、酒がると途端に絡み出してくるのだ。毎度付き合わされるこちらの迷も考えてしいものだな!!」ダンッ
ハックの青白いも、頬の所だけ赤くなっている。ここまで酔っているのを見たのは初めてだ。
「なぁ、一何でそんなにめてるんだ?」
「「部屋割りだよッ!!」」
「へ、部屋割り?」
「ハックさんが宿を取ってきてくれたんですけど、資金を節約する為に4人で2部屋にしたんです。」
「あーなるほど。…え?普通じゃあ無いか?」
「私はその部屋割りに文句いってんの!ヒック」
「なんだ?自分だけ仲間外れにされたとかか?」
「ちょうどいい。勇者殿にも聞いてみたらどうだ?どう考えたってソナタの言ってる事が正しく無いに決まっている!!」
「うるっさいんだよぉハックぅー!私はぜーったい認めないからぁ!」
「あーもういい!お前らちょっと落ち著けって!マリーナ、部屋割り教えてくれるか??」
「はい、その…タリエルさんと私で一部屋、マルマルさんとハックさんで一部屋です。」
マリーナがとても困った顔で言ってきた。無理もない。どこをどう考えたってその考え方は正しいからだ。
「…え?なんでその部屋割りでタリエルが怒ってんの?」
「…ええと、タリエルさんはどうしても、その。マルマルさんと一緒の部屋になりたいらしくて…」
「ええぇえぇぇえぇええぇぇ!?!?!?」
「ほら見た事か!誰だってそんな部屋割り納得する訳ないだろう!」
「嫌よ!私はせっかくお店まで休んで來てるんだから!ぜーったいマルたんと一緒の部屋になるまでここをかないんだから!」グビグビ
「お、おいおいもうそれ以上飲むなって。って言うか、えぇ?」カァァ
勇者は思わず赤面し、恥ずかしくて目を逸らしてしまう。まさかの子が目の前で自分と同じ部屋に泊まりたいと駄々をねるなんて、一生に一度あるかないかの境遇だ。……たとえそれがタリエルであったとしても。
「ほら見ろ!勇者殿のあの顔を!全力で嫌がってるでは無いか!!」
「ちょっとハックさん落ち著いて!」
「いやまぁ嫌では無いと言うか…風紀的にさぁ?なんかちょっと問題…あるよなぁ?ねぇ?」
勇者の満更でもない顔に、タリエルがニタリと笑う。
「マールたんは私と一緒の部屋が嬉しいみたいよぉ??」
「ばっ!ちげーし、う、嬉しくなんて…」
「マリリーたんは、ハックさんと一緒の部屋でも良いよね!良いよねぇ!?!?」
「ええ!?わ、私ですか!?べ、別にいいですけど」カァァ
「私もマリーナ嬢と同部屋になるのは一向に構わんが·…」
「ハイ!じゃけってーい!!カンパーイ!!」
「「「お、おぉー…」」」ガチャン
タリエルの半ば強引な決定により、勇者は仲間との初めての夜(?)をタリエルと迎える事となった。
この後どうなる!?
第29話 END
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