《NPC勇者〇〇はどうしても世界をDeBugしたい。みたい!?》第43話 #2 Boss『ザゥンネ家の英雄』

「貴様…何故だ!?致命傷は與えたハズだ!!」

「あぁ、確かに致命傷『だった』な。」

勇者にだけは明確な嫌悪わにするカルガモット。そして、その理由を『知っている』勇者。

「お前が許せないのは『俺』か?俺の『肩書き』か?…それとも、そこに至らない『お前自』なのか??」

───

勇者が言い終わると同時に、カルガモットは斬撃を繰り出す。

▷『ザゥンネ家の英雄』の 攻撃!勇者は息絶えた。

今度は致命傷などではなく、完全に息のを止める攻撃を放った。

勇者は力し、その場に崩れ落ちる。

石版の上に倒れると同時に─勇者はそこに『現れた』。

「…なるほど、それがお前の『特』なのだな?ニセ勇者。」

「だったらどうする?カルガモット。俺はダスキドからアンタの話を聞いている。『何故勇者にそこまでこだわるか』をな。」

し前、領主の館にて─

「勇者さん。僕の願いは、兄を救ってしい事だ。」

「救う…?助けるって、『何かに困っている』って事なのか?」

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「うん、そうだよ。だからお願いしてる。」

「…的に、領主は何に困っているんだ?」

「お兄ちゃん…兄は、僕のせいで勇者にならなければいけないと思っているんだ。」

「…はぁ?」

「僕はそこの、お姉ちゃんと一緒なんだ。『全て知っている』」

勇者は後頭部から背中にかけて、が引いていくのをじていた。

「タリエル!どういう事だ!?」

タリエルはブンブンと首を振る。

「はぁ!?おい!答えろ!」

(喋っていいの!?)ボソボソ

「…あぁ、すまん。発言を許す。」

ブハァと大きく息を吐き出すタリエル。ゲホゲホと咳き込んでいる。

「ま、マルたんが喋るなって言ったんだかんね!!我慢するの大変だったんだけど!!」

「それで!いいから要件を!」

「この子、私と一緒だよ!NPCだって事理解してる!」

ゆっくりとダスキド年に視線を戻す勇者。ダスキドはニコニコしている。

「…ある日突然ね。急にふわーっと頭の中に吹き込んで來たんだよねー。で、それで理解したんだ。」

「それと領主が勇者になるのがどう関係するんだ??」

「うん。順を追って話すね。僕がそれを理解した日に、パパに話したんだよ。ここはゲームの世界だって。」

「そしたら?」

「パパは、自分で『領主の地位を降りた』」

「うん?」

「アレ?伝わらなかった?『自殺』したんだよ。前領主は。」

「「!!!??!?」」

「なんでかは正直分からない。でも、ゲームの世界だって理解した僕は、それに対して心はかなかった。」

「…はぁっ!?父親だろ!!」

「設定上、はね。」

ぞわりと腹の底から蟲酸が走る。

「…そうか、ま、それは人それぞれの覚だ。何も言うまい。」

勇者は一杯痩せ我慢した。本當はそんな事、1ミリも思っていなかった。

「…で、兄は今、僕の事を治そうとしている。」

「「治す??」」

「今の、僕の、現狀を。」

「ど、どうやって??」

「自分がザゥンネ家に伝わる、理想の英雄になる事によって。」

「…あぁ。そう言う事か。」

カルガモットは自分という存在を打ち消し、先祖に伝わる理想の勇者像を現する事によりこの世界がゲームなどではなく本の世界であると証明しようとしていた。その為に自分が領主の地位を継ぎ、人には定められた運命など存在しないとダスキドに見せつけようとしていたのだった。

「だから、俺が『勇者』を名乗る事を頑なに拒否していたんだ…」

「そそ、そういう事。」

「それで…『カルガモットを救う』とは、的に何をすればいい?」

「兄を、打ち負かしてしい。」

「…………。」

「出來るでしょ?本のプレイヤーなら。」

「ははぁっ」

思わず乾いた笑いが込み上げた。『コイツはそこまで知っていた』んだ。俺が勇者○○だと知って理解していた。

「俺にしか…出來ないから頼むんだな?」

「それがここから安全に出て行く條件。頼むよ、勇者なんだろ?困ってる奴を救えよ。」

「…食えねぇ糞ガキだな。乗った。」

勇者は片手を開いてダスキドに差し出す。

立、かな?」

「あぁ、恙無く無事終了だ。」

2人は握手をするのと同時に椅子から立ち上がった。

「あ、でも気をつけて。『ウチの兄は結構強い』よ?」

「やってやるさ。ガラじゃねえが、こちとらコレでもここらで『勇者』名乗ってるなんでね。」

「ふぉああぁぁぁ!!マルたん!かか、かっこいいぃぃ!!」ギュッ

「…やめーやタリエル。鼻水付けんな。お前のせいで締まらん。」

「それを知っていて私の前に立ちはだかると言うのか?だったら猶の事貴様という存在は許す事は出來ない。」カシャ

カルガモットは剣を鞘に収めて近付いてきた。

「おい、剣を収めてどうし…グハァ!!」

▷『ザゥンネ家の英雄』の スキル攻撃! 「けたぐり」は功した!

剣士にとっての重要なスキルのうち、鍔迫り合い狀態や拮抗狀態から相手の制を崩す為のスキル技がある。今カルガモットが放ったのは相手のつま先を強烈に蹴りこみ、それと同時に手を引き制を崩す技だ。

「ふん、殺しても死なない者アンデッドの無力化など、いくらでも想定しているのだ。」

制を崩した勇者の─アキレス腱に向かってナイフを突き刺した。

「ぐうぁぁぁぁあ!!」

▷『ザゥンネ家の英雄』の スキル攻撃!「バンカーパイル」は功した!

鋭い中段蹴りを放ち、カルガモットは勇者を突き飛ばす。コレは相手との距離を強制的に突き離す技だ。

そしてもちろんカルガモットが勇者を突き飛ばしたその先は─

ザバァン!!

─敷地を流れる川の中だ。

「これで奴もしばらくは戻って來られまい。今の私はホンのちょっとだけ時間を稼げれば良いのだからな。」

踵を返し、ハックへと歩み寄るカルガモット。

「さて錬金師。私はあと何回魔法を『無力化』出來ると思う?あと何回魔法を『反』出來ると思う??貴様の魔法連が早いか、それとも私のスキル練度が高いか…『賭けて』見るのも悪くない。そう思わないか?」

「くっ…!!」

「終わりだ。ニセ勇者のパーティーよ。參謀のお前さえ落ちればこれで終了だ。」

巖石に背中を當てて逃げ場を失ったハックに、カルガモットが詰め寄る。

─その時、今までの弛まぬ努力で積み重ねたカルガモットの騎士としての勘が、『ある違和』に気付き咄嗟に剣を抜く。

彼が剣を構えた先に居たのは…

先程のハックの魔法により吹き飛ばされ倒れた者達だった。

『馬鹿な、4人、だと!』

第43話 END

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