《NPC勇者〇〇はどうしても世界をDeBugしたい。みたい!?》第50話 #22ep『殘念勇者の伝説』

ミンギンジャンが頼んだ容は、マリーナを冒険のパーティに參加させると言うより、大魔導飯店から連れて行ってくれという話だった。

「何言ってるんだ?街から出て行くんだぞ??」

「俺は前から、娘には人生を縛るつもりは無いと話はしてあった。」

「こ、ここの経営どうすんだよ?」

「俺1人でもなんとかなる。」

この話を橫で聞いていても、マリーナは背を向けたままだった。

「連れて行ってしい理由がある。娘の、『産まれた場所』を探してしい。」

「産まれた…場所?」

「…俺がまだこの店を持って日が淺い頃、遠くの街まで香辛料を仕れに馬車で行っていた。娘はその道中で街道沿いを1人で歩いていた。」

「は?街の外を??」

「あぁ、どうやら一家全員モンスターに襲われたみたいなんだが、親やどこから來たのかを全く覚えて無くてな。気付いたら草原の中に1人でいて、宛もなく彷徨っていた。」

「そこを、ちょうど通りかかったって訳か…」

「だから娘は自分のルーツを何も知らない。俺は拾った時に本人と約束した、もし探したいならいつでもここから出て行っていいから、それが出來るようになるまではここに居ろって。」

Advertisement

マリーナは、背を向けたまま目の辺りをっていた。泣いているのだろう。

「だから、マリーナが急に居なくなっても怒らなかったのか…」

「そう言う訳だ。頼む、この通りだ。娘をお前の旅に連れてってくれねぇか??」

ミンギンジャンは頭を下げた。あの、橫柄な態度で気にらなければすぐに毆る、怒鳴るのミンギンジャンが。

「頼むって言われても…本人がどうなんだよ??」

ミンギンジャンは振り向き、こちらに背を向けているマリーナに多怒気のった聲を掛ける。

「おい!自分で頼むんじゃないのか!?さっきからなんだその態度は!」

聲を掛けられてビクッとしたマリーナが、こちらに姿勢を変える。目には大粒の涙が溜まっていた。

「…お願いします!マルマルさんの旅に連れて行って下さい!」ぐずっ

マリーナは今回の冒険について來て果たして良かったのだろうか?確かに々な経験は出來た。だがその決斷は、ミンギンジャンに対してひとり立ち出來る証明となってしまった。それは彼にとって幸せなのか?勇者は深く考え込んだ。

「…連れてくのはいい、本人の意思なら尊重する。だが、今すぐ出て行く訳じゃない。充分に準備して、それから出発の予定を立てよう。な、マリーナ。」

「ごめんなさい…ありがとう、ございます…」

マリーナは機に突っ伏して泣き出した。

「ま、そういう訳だ。娘を頼んだぞ。トンマ。」

ミンギンジャンはそれだけ言うと部屋を出て行ってしまった。それからしばらく、マリーナが泣き止むまで勇者は背中をさすってめた。

すっかり遅くなってしまったが、勇者はハックの錬金工房に帰ってきた。

「おーす、ただいま。」

「おお、勇者殿おかえり。客人が來ているぞ。」

「お客さん??誰だろ?」

奧の書斎で待っていたのは…

カルガモットだった。勇者の姿を見て椅子から立ち上がった。

「な、なんだ。お前か。」

「…この度の事で、正式な謝罪に參った。どうか聞いてしい。」

「…そんなっ苦しくしなくていいのに。はいよ。」

勇者とハックは、カルガモットと同じ機の席に座る。

「では、改めて謝罪させてもらう。勇者○○、貴殿並びに貴殿のパーティにした事、このカルガモット・ザゥンネは正式に謝罪を申しれる。すまなかった。」

カルガモットは立ち上がったまま、深く頭を垂れた。

「いや、もういいから!分かったって!お前もやりたくてやった訳では無いんだし、仕方のない事だったんだよ。れます。」

「…ありがとう。勇者よ。」

カルガモットに勇者と呼ばれるのがとてもかゆくじた。

「〜〜なぁ、もうやめようぜ?行儀良くしてるの嫌いなんだ。お互い様なんだから、イーブンでいこう。」

「…そうしてくれると助かる。」

カルガモットは著席した。

「それで?わざわざそれを言いに來た訳じゃ無いんだろ??」

「実は、領主の座を弟のダスキドに引渡した。」

「「まじで!?!?」」

「私も元々、剣の道に生きるだったのでな。政にはしょうが合わない。弟も快く引きけてくれたので譲った。」

「…そうか。それで?コレからは?」

「このに付けた武技を自分が信じる正しい道へと生かそうと思って…1つ相談があったんだ。」

「なんだ相談って?」

「率直に言おう。君達のパーティにれてしい。」

「「はい!?」」

「君達はこれからも…その、俗に言う『世直し』の旅に行くんだろ?仮想世界に住む人々の為に。だから、私もそれに參加して、困っている人を助けたいのだ。」

「うーむ…何か激しく勘違いしているみたいだが…元領主様?とりあえず我々は今すぐの行予定など決まってないのだ。」

「いや、すまんハック。今日大魔導飯店に行って決めたんだが、旅に出ようと思う。」

「なんと!?」

「もう現実に帰る為とかじゃなくてさ。この世界にこの能力を持って現れたのは何か意味があると思うんだ。だからこれから先はあちこちを見て回って制作サイドに困らせられてるキャラクターを助けてやりたいと…そう考えたんだ。」

「……………なるほど。」

「だから、今すぐではないけども、準備が出來たらファステの街を出ようと思う。」

「分かった!勇者殿、私もそれに付き合おう!!」

「來てくれるのか?ハック」

「當たり前だ。私だって勇者殿に助けられただからな。」

「とりあえず、今決まってるのはハックとマリーナだけなんだが…」

「私も一介の騎士として、同行しよう。」

「みんな隨分フットワーク軽いな、いいのか?勢いで決めたことなのに…」

「勇者殿がむとおりにすればいいさ。」

「…ゴホン、ところで…チリードルさんは著いてくるのか?」

「…へ?タリエル?いやあいつは店あるし來れないだろ」

「そうか…すこし『殘念』だったな。」

「そういや帰ってきてから全然姿を見てないなぁ。」

「あのうるさい業突く張りも、居ないとし寂しい気がする。」

「昨日店に寄って謝罪しようとしたのだが、不在だったようだ。別の者が店番をしていたぞ?」

「「別の者って…誰??」」

「さぁ?見たことの無い人だったが。」

「新しく従業員でも雇ったか?まぁいいや。明日話に行こう。」

「私は冒険者ギルド直営の宿に泊まっているからいつでも聲をかけてくれ。それではこれで失禮する。」

カルガモットはそう言うと帰って行った。

「…とんでもない事になったな、ハック」

「それはこっちの臺詞だ。勇者殿。」

「まさかのカルガモットが著いてくるとはな。」

「勇者殿に謝しているんだよ。きっと。『勇者の子孫』という呪縛から解き放ってもらえてね。」

「そうかなぁ〜」

「さて、明日の為に早めに休もう。」

「ん?明日何かするのか??」

「パーティが方針を決める時だ。決まっているだろう。『賢人會議』だ。」

「げぇ〜〜〜」

第50話 END

    人が読んでいる<NPC勇者〇〇はどうしても世界をDeBugしたい。みたい!?>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください