《NPC勇者〇〇はどうしても世界をDeBugしたい。みたい!?》第52話 #24ep『殘念勇者の伝説』

28日の夜

─場所は、いつもの錬金工房─

「それではこれより!第4回賢人會議を行う!!」

「わ、わぁ〜〜〜」パチパチ…

気合いのったハックの開會宣言とは裏腹に、意気消沈気味の聲援とまばらな拍手によって賢人會議は執り行われた。

「先ずは新しくったパーティメンバーの紹介から行おう!元領主殿挨拶よろしく!」

「元領主と言う呼び名はちょっと…まぁ、ただいま紹介に預かったカルガモット・ザゥンネである。この度勇者の志に賛同し、パーティにる事になった。諸君らとは因縁の仲ではあったが、これからは気持ちを切り替えてパーティの為に努力していく次第である。どうか元領主だからと言っても敬遠せずに…」

「ねぇちょっとさー。もうくならずに挨拶出來ないの〜??お堅いマジメキャラはハックさんだけで充分なんですけどー!」

「こ、これは失禮した!チリードルさん。もうし親に接する様努力する!」

「その返事が既にいような…」

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「元領主様、なんとお呼びすればよろしいでしょうか?」

「ヤンド、仲間なんだから敬語使う必要ねーぞ?」

「そうは言われても…この街で1番偉かった人にそう易々と話しかけるのは抵抗が…」

「ふむ…呼び名か。流石に元領主というのは困るので、何か別の呼び名を決めてくれると助かる。」

「殘念騎士」

「剣バカ」

「堅剣士」

「ぐっ…」

▷カルガモットは怒りを抑えている!

「ま、まぁまぁ。みんなそう敵意丸出しにしなくても。そうだな…カルガモットって長いから…」

「何かいい呼び名はあるか?」

「『カモ』で、どうだ?」

「「「カモぉ!?」」」

「あー、短くていいんじゃない?よろしく、カモ騎士」

「待て!カモネギみたいに呼ぶんじゃない!戦士!」

「宜しくね、カモ君」

忍者までそう呼ぶのか!?」

「とりあえず、元領主殿の呼び名はカモ殿でいいな?」

「「「けってーい!」」」

「うぅ…まだ殘念の方がマシだった。」

「諦めろって、これからもよろしくな、カモさんよ。」

「では、次の議題だが…勇者殿、これからのパーティの方針について語ってくれ。」

「了解。とりあえずは俺が元いた世界に帰る方法についてだが、現狀は運営からの回答待ちの狀態なので、せっかくのいい機會だし諸國漫遊…とまでは行かないけど、々な街を見てみたいと思う。」

「アレ?ねぇ!カモ領主にそれ教えてもいいの?」

「うん?あぁ、俺の出自については會議が始まる前にハックと一緒に教えておいたから問題ないよ。」

「…カモ領主って……」ブツブツ

「あの祖先の墓みたいに、ゲームの設定のせいで苦しんでるNPCは沢山いると思う。だから俺はそのキャラクターの為にゲームの異常バグをしずつでいいから直して行きたいんだ。『サウンドオルタナティブ2』は俺が最も楽しみにしていたゲームでもあるし、心の底から楽しむ為に俺もしでもいいから盡くしたい。」

「「「お〜〜〜!!」」」パチパチ

「と、言う事で、我々はここファステの街を離れて、旅をする事になった。しかし皆それぞれ生活があると思うので賛同者を募りたいのだが…」

「わ、私はマルマルさんについて行く事がもう決まりました!私のルーツを探す為に、外の世界を見たいんです」

「うむ、私も勇者殿について行く。」

「ユーシャには借りもあるし、金払いさえ良ければついて行く。」

「うーん…私はどうしましょう。息子も獨り立ちしたし、最終的にこの街に帰って來れれば特に問題ないかしら?」

「自分は…リーダーについて行きます!と言うより、ソロでの冒険がキツくなってたのでこの街に住んでましたし、移出來るなら好都合です。」

「私は…支店もクビになったしこのままついて行こうかな〜。どーせ今のままじゃ何も出來ないしさぁ。」

「勇者の冒険について行く條件でこのパーティにったので、無論私もついていく。私の様に、いらぬ『肩書き』のせいで困っている人が居るなら放っておけないからな。」

「マジか…みんな著いてこれるのか?」

「「「…はい!!」」」

「良し、わかった!これからもよろしく頼む!それじゃあ行くぞ!『レッツエンジョイ!サウタナライフ2』!!」

「………。」シーン

「…っておい!」

「いやぁ、流石にマルたんでもそのダサい掛け聲には乗れないわ。」

「「「わっはっはっは!!」」」ドッ

「では、パーティ全員が著いてくるという事で決定だな?とりあえずの向かう方向についてだが…何か希はあるのか?」

「俺は別に何処でもいいぞ?」

「ユーシャ、稼ぎのいい仕事したいなら『王都』に向かうべき。」

「あ!私も『王都』行きたい!鑑定局本店にカチコミ行きたいんだけど!!!」ゴゴゴ…

「やっぱり『王都』ですかね?も揃ってますし、大陸の中心部にあるから移するなら拠點として持ってこいだと思います!」

「『王都』かぁ…若い頃思い出すなぁ…」

「なるほどねぇ〜ハックはどうおもう?」

「うむ、私は王都に行った事が無いので是非興味があるな。」

「王都に行くなら『名前持ち』がいる方が何かと役に立つ。私の『ザゥンネ』の名前を使ってくれ。」

「良し、とりあえず目的地は王都に決定だな!それで、行く時期だけど…」

「私から提案がある。」

カルガモットが立ち上がった。

「戦闘して思ったのだが、まだまだこのパーティにはパワーバランスにアラがある。しばらくの間は修行と経験を積んで、長期移に耐えられるようそれぞれのポテンシャルを上げるのが先決ではないか?」

「「「おぉ〜〜!」」」

「さすがカモさん、いい事言いますね!」

「初めてザンネンじゃない事言った気がする。」

「カモ君も若いのに先見の目があるわね。」

▷カルガモットは怒りを堪えた!!

「それで、的にはどのような修行をするつもりだ?騎士殿」

「うむ、どこかの誰かに教えを乞うと費用がかさむ。このパーティメンバーのそれぞれが得意な事を皆に代で教えるというのはどうだ?」

「「「おおぉ〜〜〜!!」」」

「カモ領主もたまにはやるじゃん!しだけ見直した!しだけね!」

「一応領主やってただけはあるなぁ。」

「あの、ウチの店に嫌がらせみたいに見回り來てた人とは別人に見えますね!」

▷カルガモットは…怒りのボルテージを抑え込むのに必死だ。

「それじゃあカモの言う通り、しばらくは街に居て順番に教になって、みんなの得意な事を教え合おう。ま、真の勇者である俺達に負けたカモからはあんまり得るもの無いだろうけど、みんな我慢して付き合ってくれ!」

「「「はぁ〜〜い!!」」」

▷カルガモット は 怒りのを解き放った!歪んだ負のが 発する!

「きっさまぁぁらぁぁーーー!!!そこへなおれ!もう一度叩き切ってくれるわァァァーーッッ!!」ガタッ

「や、やべぇ!からかい過ぎてカモがキレたぞ!」

「やはり貴様だけは許せん!ニセ勇者ァァ!!」ガチャン

「おいなんで俺ばっかりに來るんだよ!みんなだってバカにしてただろ!」

「貴様が1番バカにしてただろうがァァ!!」バキッ

…錬金工房の中からは臺風でも來たのかと言う程に大音量の騒音がしばらく響き渡ったそうな。

「めでたしめでたしってね。定命の者モータル達もイチャつくのがホント好きだねぇ。」

第52話 第3部 『殘念勇者の伝説』編 END

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