初日はハック、ヤンドの授業で終わり、野営地にも夜が訪れた。

アンジェラとカルガモットはを狩りに、勇者とタリエルは釣りに、ヤンドとハックは野営の準備、サイカとマリーナが食事の準備をした。

「いやぁ、今日は楽しかった！みんなから々な事を教わるっていいアイディアだったなぁ！」

「確かに人それぞれ得意不得意があるし、今まで経験して來た事も違う。かなり実りのある授業になったと思う。」

「魔法使った時のハック先生カッコよかったです！」

「ヤンドの授業も為になった。」

「でも、暴れるのは勘弁して貰いたいよねぇ〜」

「「「あっはっはっは！」」」

苦楽を乗り越えた後は酒を飲み、食事を楽しみ、共に笑い合う。

「なんか…冒険って、仲間って良いなって改めてじたよ。」

「そうだな、勇者殿」

會話が一瞬止まり、皆で中央の焚き火を見つめる。

「そう言えば…いい機會だから教えてくれ。このパーティはどのようにして結されたのだ？加してからまだ日が経たないので、その間を埋めたい。」

カルガモットが話を振ってきた。

「パーティの結…？えーっと…」

「私とタリエルが勇者殿の助けにったのがきっかけだった。」

「あー！そうそう！鑑定局での話な」

「私と會ったのって、それより前のタイミングですか？」

「え？あぁそうだ！ゲームを始めて最初に會ったのはマリーナだったな。」

「え？その頃からマリリーたんと面識會ったの！？」

「えぇ、會って早々にウチの店の悪口言うんだから、思いっきりビンタしちゃいましたよ。」

「そ、その話はやめてくれ…」

一同から笑い聲が起きる。

「それから…何やかんやあって大魔道飯店で働く事になってさ。」

「ちょっと待ってよ！マルたんが空から落っこちて來た話はしないの？」

「だから！その話するのやめてくれよ！」

「その後かな？勇者君がパーティ募集したのって。」

「そうそう、最初はアンジェラ、次にヤンド、最後にサイカだったな確か。」

「リーダー、あの時は無理な要を言ってしまってすみません。」

「…無理な要とは？」

「ヤンドは例の暴走狀態について最初は隠しててさ、他のメンバーに危害が行かないようにって『自分はバックアタック対処専屬です』って噓著いてたんだよ。最初のダンジョン行く時もずーっと後ろに著いてきてたんだ。」

「程、優しい拳士らしいな。」

「私はもっと前に街に來てた。」

「そう言えば…アンジェラは俺より早くこの街についてたんだよな？」

「そう、あのクソッタレ3人組に置いてかれた。」

「クソッタレ？」

「テストプレイの日…って言ってもカルガモットには通じないか。プレイヤーが大量に現れた日があっただろ？」

「あぁ！あの手の輩か。なんでも世界中に現れて暴の限りを盡くしたらしいぞ。」

「そうそう、そいつらに雇われて王都から馬車で來た。」

「で、そいつらがファステの街で暴れて街の皆でボコボコにしたのがきっかけで、俺とハック、タリエルが仲間に、その後にアンジェラ達が仲間になったって訳」

「あの夜騒いでいたのはそういう理由だったのか…」

「私は─それよりももっと前からファステの街に住んでました。」

「サイカさんは開店當初からパパの店を手伝ってくれてたんです。母親の居ない私にとっては母親代わりの大切な存在でした。」

「いやぁね、マリーナちゃんったら…恥ずかしいわ。ウフフ」

「へぇ！だからミンギンジャンの事を料理長って呼ぶのか！なんだよサイカ俺の先輩じゃん！」

「程、皆出會うべくして出會ったのか。」

「今思えば…運命的な出會いだったのだろうな。たった數週間前の出來事が遠い昔にじる。」

「それだけみんなで濃い時間を過ごしたって事でしょ！」

「…それで、ニセ勇者よ。元來た世界には帰らなくて良いのか？」

それまで楽しく話していたムードが、急に冷たさをじるものになった。皆の視線が勇者に集まる。

「まぁ、いずれかは、ね…」

パシン！

タリエルがカルガモットの頭を叩く。

「いた！何をするんだチリードルさん！」

「も〜〜！！だ〜からアンタは『殘念』って言われるんだよ！！」

「「「わっはっはっは！」」」

それからしばらく、野営地の燈りは消える事は無かった。

第55話　ＥＮＤ