《ノアの弱小PMC—アナログ元年兵がハイテク都市の最兇生と働いたら》第3節12部—ウィンバックアブソリューター出撃—

センチュリオンテクノロジーが所有できるウィンバックアブソリューターは二機。

結月靜流のブルーグラディウスと……もう一機。

併設されたカタパルトにセットされている、青と黒を基調とした機

のブルーグラディウスとは違い、各部の裝甲が厚いために重厚かつ大きな印象を與えている。

センチュリオンテクノロジー製の特殊二腳機甲、コバルトスケイル。

《アインス・ノックノック、コバルトスケイル、対象地域の防衛を開始すんでー》

「結月靜流、ブルーグラディウス。侵ドミネーターを殲滅します」

二機のウィンバックアブソリューターがカタパルトから出され、空へ飛び出した。出後、背面ブースターを噴かして機を安定させながら、ドミネーターの被害をけている區畫へ進路をとっていく。

《結月尉、後方からGNCのウィンバック部隊が追隨してきてる。彼らとうまく連攜をとって大型のドミネーターを殲滅後、セントラルゲートへ向かって!》

「了解しました、東雲オペレーター。ノックノック、市街のドミネーターは任せてください。あなたはゲートへ向かえますか?」

《おお、そのつもりや。多數相手にゃそちらさんの方が向いとるやろ思うてたとこやった。ほな、先行かせてもらうで》

「ええ。お互い全力でいきましょう」

市街へ群がるドミネーターを狙い降下してゆくブルーグラディウスと、高度を保ったまま加速していくコバルトスケイル。

後方から來ていたGNCの赤いウィンバックアブソリューター部隊も同じように分かれたらしい。

二機がコバルトスケイルの後を追い、三機がブルーグラディウスと同じく降下し始めていた。

《こちらGNC所屬ウィンバックアブソリューター部隊、伊庭尉だ。きこえてるかい、結月尉》

「ええ、聞こえています。できるだけ連攜をとるつもりですが、ムラクモの挙範囲にはらないようお願いします。意図せず攻撃してしまう可能がありますので」

《ムラクモのデータはあらかたそちらのオペレーターにもらっているからね。問題ないさ》

伊庭……と聞いて、靜流自心穏やかではなかった。あの噴水広場の出來事での苛立ちを思い出してしまったのだ。

しかし今は非常時。心を鎮め、一人の兵士として敵を殲滅しなくてはならない。

重要區畫を任された巨大企業のエース機達と、怪の一群が接した。

その様子を第三區畫セントラルストリートで見たRB、そして雛樹の両名は飛來し、眼前に現れたドミネーターへ向けて攻撃を開始した。

「ハッ、そんなライフルの弾頭が通じるか!?」

「普通の弾頭じゃ弾かれて終わりだろうな」

弾倉は先ほどリロードしたもので最後。貴重な弾薬だ。雛樹の瞳に淡く赤いが燈り、ライフルの表面に赤いラインが走る。

それは弾倉へ向けてび、消えていった。

消えたがしかし、弾倉にある変化をもたらしていた。弾倉の弾薬、その弾頭が黒く変

グレアノイド鉱の侵食反応と同じものがそこで起き、鉛の弾頭がグレアノイド鉱と化したのだ。

「奴らの表を抜くには、奴らの表を構している質と同じものをぶつけてやればいい」

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