セントラルゲートに開いた大を塞ぐどころか、そのからり込んでくるドミネーターの殲滅も済ませることができない。

あまりに數が多いのだ。まるで、その群れが一つの意思を持って侵攻してきているような様相を呈すこの狀況を、アレイン・ノックノックは不思議に思っていた。

セントラルゲート防衛班が、著実にドミネーターの數を減らしていってる中、高層ビル街の、狹い隙間をいながらもとんでもない速さで飛ぶ青い機。

結月靜流が搭乗し、る特殊二腳機甲ブルーグラディウス。

市民に害を及ぼす可能のあるドミネーターを、機周囲に展開した複數遠隔作型対ドミネーターブレード兵、ムラクモを使用し駆逐していた。

より危険度の高いものから破壊しつつ、向かうはセントラルゲート。ステイシスを奪って逃亡しているという企業連正規軍のエグゾスケルトン。

「……目視しました」

青い殘を殘しながら低空飛行するブルーグラディウス、その前方約８００メートルに、もうすぐセントラルストリートを抜け、海へ飛び出さんとする機が見えた。

「ムラクモ、一から三刃で目標を補足ロック……保護対象、ステイシス

、スフィアを避け正規軍二腳機甲のみ破壊します」

《ちょおー！　ちょっと待って結月尉！！　ダメ！　あの機を破壊するのはダメだ！！》

連戦に次ぐ連戦で、これ以上なく昂ぶった神狀態に任せて目の前の逃亡機を破壊しようとしていた靜流だったのだが。

突如としてそこに割り込んできたオペレーター、東雲姫乃の言葉に止められてしまった。

「なんですか！　このままでは、ステイシスを外に……！」

《今、葉月ちゃんから連絡がったんだよ！！　あの機の中に、祠堂雛樹君が乗っているって！》

「……はい？」

一瞬、靜流の頭の中が真っ白になる。ステイシスを強奪した機の中に、雛樹がいる？　もしかして、その強奪者は……いや、ありえない。彼に限ってそんなことは。それに何も知らない彼が二腳機甲の縦など……。

《今、あの機は遠隔作でいてるらしいの！　それを、祠堂雛樹が止めようとしているみたいなんだけど……無理だって！》

「ごっ、誤解のある言い方をしないでください、東雲準尉！　心臓が止まるかと……！」

とりあえず、雛樹があの暴走機に乗ってステイシスを奪ったわけではないことにホッとをなでおろした靜流は、機の高度を上げてセントラルストリートを見下ろせる位置取りへ。