《クリフエッジシリーズ第三部:「砲艦戦隊出撃せよ」》第十八話
宇宙歴SE四五一八年七月二十五日。
第二次ジュンツェン會戦の翌日である七月二十五日。ゾンファの報通報艦がシアメン星系に向けて超速航行FTLを行った。その一時間後、アルビオン艦隊のスループ艦五隻が同じようにシアメン星系に向かった。
ジュンツェンからシアメンまではFTLでも約四日間掛かる。シアメンでの渉を終え、報通報艦が戻ってくるには十日近くが必要になる。
アルビオン艦隊は工作艦をフル活させ、損傷した艦を補修していった。
ヤシマ解放作戦、作戦名“ヤシマの夜明け――Operation Yashima Dawn――”、通稱YD作戦參加部隊のうち、ジュンツェン進攻艦隊のグレン・サクストン総司令とアデル・ハース総參謀長は頭の痛い問題を抱えていた。
先の第二次ジュンツェン會戦において総司令部の命令を無視した第三艦隊司令ハワード・リンドグレーン大將の処遇についてだ。彼の命令違反は明白であるため処分が必要であるが、休戦狀態とはいえ敵地で艦隊司令を更迭するには、命令違反を行ったことを公表しなければならず、第三艦隊だけでなく全軍の將兵になからぬ揺が起きると考えた。
「リンドグレーン提督を拘束すべきだと思うが、総參謀長の意見を聞きたい」
「このまま提督に指揮権を與えておくことは危険です。キャメロットに帰還するまで待つ必要はありません。しかし……」
明敏なハースにしては珍しく、僅かに逡巡する。
「この狀況で司令を更迭することは兵たちの揺を招きます。提督に病気になってもらい、副司令に指揮権を移譲させることが最も穏便に済ます方法でしょう」
彼自、心ではリンドグレーンを処分したくて仕方がなかった。彼の命令違反は明確であり、その行為によって數萬の將兵が戦死している。
しかし、戦闘が終了した今、リンドグレーンを処分するには軍法會議が必要になる。作戦中の戦場ということで各艦隊司令が判事となるが、司令が集まる軍法會議を行えば必ず報は洩する。一度噂がたてば、艦隊に一気に広まることは容易に想像でき、リンドグレーンだけでなく、彼をし得なかった上層部全の不審に繋がる。
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ここは敵地であり、最低でも十日間はここに殘る必要がある。今のところ敵將マオが戦端を開くとは考え難いが、敵地で下級士や下士兵たちが揺する事態は可能な限り避けなければならない。そのため、ハースは妥協案の提示しかできなかった。
後年、彼はこのことを後悔したと述懐している。
『リンドグレーン提督の処分については毅然とした態度で挑むべきでした。仮に兵たちに揺があったとしても、サクストン提督であれば充分に対処できたはずですし、ゾンファが休戦協定を破って戦闘になったとしても、そのことで兵たちの士気は上がり、懸念されるような事態に陥ることはなかったでしょう……あの當時、後のリンドグレーン提督の破廉恥な行いを予想することはできなかったとはいえ、それを発した責任は當時の私にあったと考えています……』
サクストンの許可を得たハースはリンドグレーンにそのことを提案するが、
「小は至って健康である。仮病を使うことなど考えられん」と言って拒否した。彼は戦場にいる間に自らの行為の正當を示し、処分を免れることを考えていたのだ。
その言葉にハースは激怒するが、強引に院させるわけにもいかず、更に他の案件の対応に手を取られ、結果として放置する形になってしまった。
リンドグレーンはその時間を活用し、自らの行為の正當を補強すべく行を開始した。
彼は自らの権限で行える艦隊の士の論功行賞を巧みに使い、自分に有利になる証言を引き出そうと畫策した。艦隊の上級指揮は自らの負い目もあり、リンドグレーンの言葉に頷くしかなかった。
しかし、捨石にされた砲艦戦隊は事が異なる。彼らは艦隊と行を共にしておらず、更に自分たちを見捨てたリンドグレーンを擁護する気はなかった。リンドグレーンは砲艦戦隊の証言が自分に不利になると考え、砲艦戦隊の士たちに対し、甘言と恫喝を巧みに使い取り込もうとした。生き殘りの士たちに対しては評価の低い砲艦戦隊からの転屬を仄めかし、しずつ取り込んでいった。
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そして、特に大きな戦果を上げ最後まで戦場で闘した第四砲艦戦隊の司令エルマー・マイヤーズ中佐と、敵駆逐艦戦隊との戦闘で武勲を挙げているクリフォード・コリングウッド佐に接した。
マイヤーズには大佐への昇進と勲章を餌に第三艦隊の転進が合理的であったと証言するよう迫り、クリフォードに対しては生存者數の多さを指摘し不利な証言を行わないよう恫喝を行った。
「……君の艦の生存者が異常に多いのは戦闘継続可能な狀況で艦を捨てたからではないのか? もし、そうであるなら敵前逃亡にも匹敵する所業だ。多の武勲など関係なく軍法會議にかけることになる。今の名聲を失いたくはなかろう……話は変わるが、君も第三艦隊の行に疑問をじていないのではないかね」
リンドグレーンは既に異例の出世を遂げているクリフォードに対し昇進の約束より恫喝の方が有効であると考えた。
それに対し、クリフォードは毅然とした態度で反論する。
「第三艦隊の行について証言を求められた場合には、軍人としての責務と良心に従って証言いたします。また、艦を放棄した件ですが、航宙日誌ログを見ていただければ、レディバード125が戦闘不能に陥っていたことは明らかです。小は恥ずべき行為を一切行っておりません」
リンドグレーンは最後の言葉を自分の行為に対する非難とけ取った。クリフォードにリンドグレーンを非難する意図はなかったが、負い目にじているリンドグレーンは激怒する。
「コリングウッド佐! 君は私が恥ずべき行為をしたと言いたいのか! ここには君が頼りにするノースブルックもコパーウィートもおらんのだ! その高慢さが命取りになることを思い知るがいい!」
頭にが上ったリンドグレーンは、クリフォードが義父であり財務卿のノースブルック伯爵と元第一艦隊司令で現軍務次であるコパーウィートの力を背景に自分を恐れないと勘違いした。
リンドグレーンはクリフォードが戦闘継続可能な狀態で艦を放棄し戦闘を回避したとして軍警察MPに拘束させ、旗艦の営倉に収監した。
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この件に関し、マイヤーズは戦闘記録を第三艦隊司令部に提出し、クリフォードの行為が正當なものであると主張したが、その戦闘記録はリンドグレーンにより握り潰された。また、副長であるオーウェル大尉などレディバードの乗組員たちは最後まで戦ったクリフォードを不當に拘束したことに抗議し、それが聞きれないと分かると獨自に行を開始した。
準士や下士たちは獨自のネットワークを持っており、そのネットワークを使ってクリフォードが不當に逮捕されたことを艦隊に広めていく。また、オーウェルは第一艦隊にいる元同僚の士に対し、負傷した機関長を助けるため、出を遅らせて救助に當たった話などを広めていった。
リンドグレーンは下級士や下士兵たちの行に注意を払わなかった。彼は怒りに任せてクリフォードを査問會議に掛けようとした。
査問會議は艦隊で行われるため、裏に処理できると考えたが、この報は下級士や下士兵たちによって他の艦隊に伝わり、その結果総司令部にも伝わった。そして、サクストンやハース、更には闘した第九艦隊司令エルフィンストーン提督らを激怒させる。
後に“烈風ゲール”と呼ばれるほど激しい格のエルフィンストーンは、旗艦インフレキシブル89の戦闘指揮所CICでこう言って怒りをわにしたという。
「砲艦で二隻の駆逐艦を沈めた勇者を卑怯者のリンドグレーンが裁くだと! いつから我が軍はゾンファと同じになったのだ! このような破廉恥なことが許されるはずがない!」
サクストンはハースに対し、「これほど愚かであるなら、直ちに解任した方がよいのではないか」と憮然とした表で言い、ハースもこの狀況に至っては軍の士気を下げる行為を見過ごすわけにはいかず、「対処いたします」と答えるしかなかった。
彼は腸はらわたが煮えくり返るほどの怒りを覚えていた。
(私が軍の士気を考慮して穏便に済まそうとしたのに臺無しにしてくれたわ。そうは言ってもここは敵地。まだシアメンから敵の輸送艦隊が戻ってくるには數日掛かるわ。でも、なくとも“クリフエッジ”の坊やを見殺しにするわけにはいかないわね。それこそ軍の士気に関わるから……)
ハースは第三艦隊の旗艦マグニフィセント08に自ら乗り込んだ。そして、リンドグレーンに面會を申し込む。
彼が司令室にいるリンドグレーンに挨拶すると、「休戦中とはいえ総參謀長が総旗艦を離れるのはいかがなものか」と嫌味を言った。それに対し、ハースは笑みを浮かべたまま、
「ええ、本來ならこのようなことをしている場合ではないのですけど。仕事を増やしてくださる方がいらっしゃるので」と嫌味を返す。
リンドグレーンは口では勝てないと思い、憮然とした表で「用件を伺おう」と話題を変えた。
「貴艦隊の士を貸していただけないかと思いまして。総參謀部は非常に忙しいので、優秀な若手の士を借りたいのです。艦を失った士ならお借りしても問題ないでしょう?」
「わざわざそんなことのために旗艦を離れたのかね」
リンドグレーンはそう嫌味を言いながらも、ハースの目的を理解した。
査問會議に掛けようとしているクリフォードを一時的に総參謀部付にして、自分の影響力が及ばないところに避難させようとしていると気づいたのだ。
「ええ、小が直接渉に來たくなるほど優秀な士ですわ。今回の會戦でも武勲を挙げておりますし」
「誰のことか分からんが、この狀況で遊んでおる士はおらん」と言って斷った。ハースはニヤリと笑い、
「では、遊んでいる士でしたら問題ないわけですね。この艦の営倉にいるはずですから、お借りしますわね」
「ま、待ちたまえ」とリンドグレーンは慌てる。
(いつの間に報が洩リークしたのだ……砲艦戦隊の穀潰しどもか……)
心で怒りを発させるものの、この狀況が危険であると気付く。しかし、冷靜さを失っている彼はハースに対し「そのような事実はない」と言い切り、
「あったとしても艦隊司令部の専権事項だ。総參謀部にとやかく言われる筋合いはない」と付け加えてしまった。
ハースはその言葉を待っていたかのように反撃を開始する。
「コリングウッド佐を処分するおつもりなら、それ相応の覚悟をなさることです。コリングウッド佐の戦闘記録は第三艦隊司令部・・・・・・・を通じて、既に総參謀部でも手しております。記録を見る限り、艦隊司令部の非合理的・・・・な命令に従って最後まで艦隊を支援した上、圧倒的に不利な狀況で戦していますね。そのような優秀な士を処分されるというのであれば、司令としての資質を疑わざるを得ません。総司令閣下も艦隊全の士気を下げる行為を認めるおつもりは無いと明言されました。それを承知の上で査問會議を開かれるのであれば、どうぞご隨意に」
それまでの笑みを消し、を排した聲でそう言い切ると、リンドグレーンの言葉を待つことなく司令室を退出していく。そして、その足で第三艦隊の參謀長ジャスタス・ノールズ中將に面會し、同じことを告げる。
「……提督の命令に従うなら貴も同罪ですよ。それでも忠誠を盡くしたいなら退役も視野にれておくことです」
ノールズはハースの言葉に戦慄する。彼自、今回の第三艦隊の行が友軍の損害を拡大させ、更には祖國を危うくするものであったことは理解している。そして、適切な助言を怠り、リンドグレーンの暴走を止められなかった責任を問われることも覚悟していた。それでも不名譽な除隊まで付き合う気はなかった。彼は副司令や旗艦艦長らに連絡をいれ、ハースの言葉を伝えていく。
リンドグレーンはそれでも査問會議を強行した。ノールズは反対するが、それでもリンドグレーンは納得しなかった。
直ちに會議室の一つが査問會議の場に決められ、判事役として參謀長と旗艦艦長、そして自らがその長を務め、検事役である軍警察MPの士が告訴狀を読み上げていく。
「宇宙歴SE四五一八年七月二十四日、C03GF004キャメロット第三艦隊第四砲艦戦隊所屬HMS-N1103125インセクト級レディバード型125番艦艦長クリフォード・カスバート・コリングウッド佐は戦闘可能な艦を放棄し、危機的狀況にある友軍を見捨てるという王國軍人にあるまじき行為を……第三艦隊司令部は本不名譽行為に対し告発を行うと共に、同佐に除隊を勧告するものである。証拠につきましては判事殿の個人用通信端末PDAに転送しておりますので、ご參照ください。以上」
クリフォードはその告発を他人事ひとごとのように聞いていた。
(問題になるとは思っていたが、ここまでとは……しかし、私は間違っていない。私がこの告発を認めるということは戦死した部下たちに申し訳が立たない。もちろん生き殘った部下たちにも……)
リンドグレーンは満足そうに頷くと、クリフォードに顔を向ける。
「佐、勧告に従う気はあるかな?」
その言葉にクリフォードはしっかりとした口調で「いいえ、提督ノーサー」と答えた。
「これほど明確な証拠があるのだ。ここで認めれば名譽除隊できるが、認めないならキャメロットに戻ってから軍法會議に掛けることになる。そうなれば不名譽除隊は確実だぞ。君の父上が築いたコリングウッド家の名譽も地に墮ちることになるのだ。どうだ、考え直す気はないか?」
貓で聲でクリフォードを説得しようとするが、再び「いいえ、提督ノーサー」とだけ答えた。
リンドグレーンが「なぜ認めん!」と激高すると、ノールズが「落ち著いてください。提督」と言って宥め、「佐、何か言いたいことはないか」とクリフォードに水を向ける。
クリフォードは小さく頷き、「はい、參謀長イエッサー」と答え、
「小は何ら恥ずべき行為は行っておりません。レディバード125號が戦闘能力を失った時刻である〇九二〇以降に退艦命令を出しております。これは航宙日誌ログに明確に記録として殘っております」
ノールズは「確かに主砲加速キャビティの損傷後に退艦命令を出しているな」と頷く。しかし、リンドグレーンは立ち上がり怒聲とも言える聲で糾弾する。
「詭弁だ。貴様は戦闘開始前にハードシェルの著用を命じておる。更にレディバードの掌砲手ガナーズメイトに対しては早期に持ち場を放棄させておるではないか!」
ノールズが「落ち著いてください、提督。この場は査問會議であり、発言は正確に議事録に殘ります」と警告する。リンドグレーンはその言葉に「了解した」と憮然とした表で答えて座り直した。
クリフォードはその糾弾に対する答えを考えてあった。そのため、すぐに反論する。
「船外活用防護服の著用は敵駆逐艦戦隊との戦闘が熾烈になると予想したためです。また、掌砲手たちを事前にDデッキに避難させた理由は集束コイルを切り離したため、主兵裝作室及び控室に常駐させる必要がないためです」
理路整然とした反論にノールズは目を見張った。
(英雄として祭り上げられただけの男かと思ったが、本のようだ。総參謀長のおっしゃるとおりだな……)
橫ではリンドグレーンが支離滅裂の言葉で罵倒していた。ノールズと旗艦艦長の心はその言葉を聞くたびに冷えていった。
リンドグレーンの罵詈雑言が止んだところでノールズが「そろそろ裁決を行ってもよいのではないでしょうか」と査問會議の終了を提案する。
リンドグレーンはその提案に鷹揚に頷いた。
「では、裁決を採るとしよう。コリングウッド佐の行為に不名譽な點があったか。參謀長の意見は?」
「小の意見は、ノーです」としっかりとした口調で反対の意思を表示した。その言葉にリンドグレーンは一瞬理解できず困するが、すぐに「どういうことだ! 私に逆らうのか!」と激怒する。
ノールズは小さく首を橫に振り、
「そのようなつもりは頭ございません。しかしながら、無実の者を貶めるような行為は、私の名譽に誓ってできないと申し上げます」
リンドグレーンは腹心の叛意に怒りに打ち震えながら、もう一度確認した。
「もう一度問うぞ。コリングウッド佐の行為に不名譽な點があったか。イエスかノーか」
その問いに「ノーです。閣下」としっかりとした口調で反対する。
リンドグレーンは顔を真っ赤にしながらノールズを睨みつけると、旗艦艦長に目を向けた。
「コリングウッド佐の行為に不名譽な點があったか。艦長の意見は?」
「小の意見も參謀長閣下と同じ、ノーです。閣下」とリンドグレーンと目を合わせないようにしながらも、はっきりとした口調で反対の意思を表明した。
リンドグレーンが発する前にノールズが引き取った。
「これで反対が多數となりました。コリングウッド佐に関する本査問會議の結果は問題なしということで。よろしいですか、司令閣下」
リンドグレーンは結果が信じられず、何も言えなかった。ノールズはそのまま閉會を宣言する。
「反対のご意見は無いということで本査問會議は閉會とします。佐、不愉快な思いをさせて済まなかった。我々は君が最後まで戦したことを正しく理解している。そのことは忘れないでしい。では退出してよし」
クリフォードは目の前で行われたことが信じられなかったが、機械的に「了解しました、閣下アイアイサー」敬禮を行って退室した。
殘されたリンドグレーンは呆然としたまま、座り込んでいた。そして、「貴様らは私を裏切ったのか」と呟く。その獨り言にノールズは靜かに反論する。
「私は査問會議を開くことに反対したはずです。こうなることは分かっていましたから。それをお分かりにならなかったのは閣下の方です」
そしてこう付け加えた。
「閣下以外、コリングウッド佐を処分することに賛同する者はいないでしょう。あれほどの活躍をし、メディアに注目されている人です。正當な理由もなく、私怨で処分すれば叩かれるのは自分の方ですから」
リンドグレーンは憎しみを込めた目を彼に向ける。しかし、ノールズは更に追い討ちを掛けた。
「今回の敵前での転進について、副司令以下の調書を作し始めました。これは総司令部の指示ではなく第三艦隊司令部として行っているものです。我々もあの時の命令に納得しているわけではありません。きっと公正な調書ができるでしょう」
「勝手なことを! そのような命令は出しておらん! 即刻中止するのだ!」
リンドグレーンは怒りに任せて喚くようにぶが、ノールズは「第三艦隊司令部の首席幕僚として責務を果たすだけです」と言って敬禮し、彼の前から去っていった。
司令部にすら味方を失ったリンドグレーンは失意のあまり、司令室に引きこもった。ノールズはそれを機に軍醫長に過労による神衰弱という診斷書を書かせ、総司令部に送付する。ハースは直ちに副司令に指揮権を移し、第三艦隊を掌握させた。
(これで面倒ごとが一つ減ったけど、こんな人が艦隊司令だなんて……メディアが知ったら大事おおごとになるわね。といっても何もできないんだけど……)
ハースはクリフォードを釈放させると、直接通信を行った。
クリフォードは僅か二日間で艦隊戦の激戦、指揮艦の喪失、更にはMPに拘束され、査問會議に掛けられるという激に憔悴していた。そこに総參謀長から直接連絡がったと聞き、當する。
(何が起きるんだろう……部下たちのところに戻りたいな……)
いつも通り笑みを浮かべたハースが映し出されると、きれいな敬禮で迎える。
「お疲れ様。リンドグレーン提督は過労で倒れられたわ。これ以上あなたに関わることはないわよ」
ハースの言葉に「はい、閣下イエス、マム」とだけ答える。その姿にハースは小さく頷き、本題にっていく。
「まだ正式な話ではないのだけど、総參謀部にあなたの席を用意したわ。參謀として私の手伝いをしてくれないかしら」
ハースの申し出はキャメロット防衛艦隊の総司令部付にならないかといういであり、総參謀長自らが勧スカウトしたという事実は今後の出世に非常に良い影響を及ぼす。
しかしクリフォードは即座に斷った。
「小には部下がいます。なくともキャメロットに帰還するまでは部下たちに対する責任を果たしたいと考えております」
ハースはその言葉を予想していたのか、即座に頷いた。
「分かったわ。でも、あなたは得難い才能を持っているの。ぜひともその才能を祖國のために使ってしいと思っているわ。だから、もう一度よく考えて」
クリフォードは、「了解しました、閣下アイアイマム」と言って敬禮した。
通信を切ったハースは「やっぱりディックの子ね」と呟き、士學校の同期であるリチャード・コリングウッドの姿を思い出していた。
《書籍化&コミカライズ決定!》レベルの概念がない世界で、俺だけが【全自動レベルアップ】スキルで一秒ごとに強くなる 〜今の俺にとっては、一秒前の俺でさえただのザコ〜
【書籍化&コミカライズ決定!!】 アルバート・ヴァレスタインに授けられたのは、世界唯一の【全自動レベルアップ】スキルだった―― それはなにもしなくても自動的に経験値が溜まり、超高速でレベルアップしていく最強スキルである。 だがこの世界において、レベルという概念は存在しない。當の本人はもちろん、周囲の人間にもスキル內容がわからず―― 「使い方もわからない役立たず」という理由から、外れスキル認定されるのだった。 そんなアルバートに襲いかかる、何體もの難敵たち。 だがアルバート自身には戦闘経験がないため、デコピン一発で倒れていく強敵たちを「ただのザコ」としか思えない。 そうして無自覚に無雙を繰り広げながら、なんと王女様をも助け出してしまい――? これは、のんびり気ままに生きていたらいつの間にか世界を救ってしまっていた、ひとりの若者の物語である――!
8 166【書籍化!】【最強ギフトで領地経営スローライフ】ハズレギフトと実家追放されましたが、『見るだけでどんな魔法でもコピー』できるので辺境開拓していたら…伝説の村が出來ていた~うちの村人、剣聖より強くね?~
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8 104僕は彼女に脅迫されて……る?
僕は彼女の秘密を知ってしまい。何故か脅迫されることになった。 「私はあなたに秘密を握られて脅迫されるのね?」 「僕はそんなことしないって」 「あんなことやこんなことを要求する気でしょ?この変態!」 「だからしないって!」 「ここにカメラがあるの。意味が分かる?」 「分かんないけど」 「あなたが私の秘密をしった時の映像よ。これを流出されたくなかったら……」 「え、もしかして僕脅迫されてる?」 「この映像見かたを変えたり、私が編集したら……」 「ごめんなさい!やめてください!」 こうして僕は脅迫されることになった。あれ? 不定期更新です。內容は健全のつもりです。
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