宇宙暦ＳＥ四五一四年五月十五日　標準時間〇二時一五分

＜アルビオン軍重巡航艦ファルマス１３・戦闘指揮所＞

〇二一五

アルビオン軍キャメロット第五艦隊、第二十一哨戒艦隊所屬の五等級艦（軽巡航艦）タウン級ファルマス型十三番艦ファルマス１３の戦闘指揮所ＣＩＣでは、報士のサミュエル・ラングフォード尉が旗艦である四等級艦（重巡航艦）カウンティ級サフォーク型五番艦ＨＭＳ－Ｄ０８０５００５サフォーク５で指揮を執る親友クリフォード・コリングウッド中尉がどうくか必死に考えた。

（今の狀況を考えるなら、クリフは必ず手回避を命じるはずだ。その時のための通信手段を考える必要があるんだ。恐らくクリフも同じような考えだろうが、向こうは士が一人しかいないから、手一杯だろう。俺に出來ることはこれくらいしかないが、それでも奴の手助けになれば……）

サミュエルが考えた案は以下のようなものだった。

敵は先ほどの分艦隊との戦闘を解析し、こちらの回避パターンが全く同じだったことに気付いていることは確実である。そこから、対宙レーザーを使った通信方法を推定するのは容易であると考えた。

味方が通信に拘るなら、敵は人工知能ＡＩによる回避パターンを解析し、次の戦闘では格段に命中率が上がる。これを回避するためには、舵手による手回避が必須となる。この場合、味方同士でも正確な位置を推定できないため、ピンポイントで位置の特定が必要な送信する対宙レーザー通信は使用できない。

彼はクリフォードが戦闘開始の直前に手回避作を命じるであろうと予想していた。手回避が開始されれば、長文は報が途切れると意味をさないため、艦隊の意思疎通は不可能になる。

そこで、サミュエルは単純化した報なら通信が可能ではないかと考えた。彼は艦隊の各艦にナンバーを振り、パターン化された命令とセットで旗艦から送信することを提案した。

パターンＡアルファは百八十度回頭、Ｂブラボーは攻撃開始、Ｃチャーリーは加速停止、Ｄデルタは加速開始、Ｅエコーは旗艦に続け、Ｆフォックストロットは各指揮の判斷に委ねると言うものだった。

艦ナンバーは指揮の先任順位でつけられ、１ワンが軽巡航艦ファルマス１３、２ツーが駆逐艦ザンビジ２０、３ツリーが駆逐艦ウィザード１７、４フォウアが駆逐艦ヴェルラム６、５ファイフが駆逐艦ヴィラーゴ３２とされた。

アルファベット一文字と數字一文字であれば、対宙レーザーの集束率を下げれば、通信は難しくない。

また、この方法では敵に傍されても、一回だけなら敵に看破されない。だが、敵との接中に何度も命令を変えることは考えにくく、接敵直後だけ看破されなければ問題はない。

更にサミュエルは複雑な命令は混を招くと考え、六つのパターンに限定したのだ。

彼は艦長であるイレーネ・ニコルソン中佐にその案を提案した。

ニコルソン艦長は話を聞くとすぐに承認し、旗艦に送信するよう命じた。

送信してすぐに旗艦から、その提案を各艦に転送することが承認された。ニコルソン艦長はホッと息を吐いた。

（コリングウッド中尉は度量もあるようね。サフォークから各艦に連絡ではなく、提案した私から連絡させようというのだから。良い提案なら採用するということを、これで各艦の指揮に示すことが出來るわ。この戦いが終わったら、一度きちんと會って話がしたいわ。どんな人なのか……まあ、この戦いに生き殘れたらだけど……）

「サミュエル。艦隊各艦にあなた・・・の提案を転送しなさい。パターンＡアルファからＦフォックストロットの解説も付けておきなさい」

サミュエルは「了解しました。艦長アイアイマム」と答えて、報士用コンソールに力を開始した。

「ＨＭＳ－Ｆ０２０２０１３ファルマス１３より、キャメロット第五艦隊第二十一哨戒艦隊Ｃ０５ＰＦ０２１各艦に通達。現在使用中の対宙レーザー通信は敵に傍される恐れあり。戦闘中は通信管制を敷く必要を認む。本職は以下の提案を行うこととした。艦隊各艦に番號ナンバーを振り、旗艦からの指示を暗號化する……なお、本提案は艦隊指揮代行クリフォード・カスバート・コリングウッド中尉により承認された。ファルマス１３艦長、イレーネ・ニコルソン中佐。以上」

各艦から了解の通信がり、サミュエルは僅かに安堵の表を浮かべた。

ニコルソン艦長は目の前のコンソールを見つめながら、戦いになったときのことを考えていた。

彼はサフォークの損傷が確認でき次第、指揮権を得るつもりだった。

（人工知能ＡＩがサフォークの損傷を確認すれば、通信不能を理由に合法的に指揮権を得ることが出來る。この狀況で指揮を執ることに躊躇いが無いわけじゃないけど、先任士は私。だから、責任を取るのは私であるべきなのよ。若いコリングウッド中尉にこれ以上責任を押し付けるのは先任としてけなさ過ぎるわ……）

彼はコンソールから目を上げ、報士席に座るサミュエルに目を向けた。そして、自分が指揮権を得た後、報系故障対応訓練と部破壊者インサイダー対応訓練を直ちに中止できるよう、彼に準備を命じた。

「サフォークが損害をけたとＡＩが認めたら、すぐに私がモーガン艦長・・・・・・から指揮権を奪います。あなたはすぐに二つの訓練を中止できるよう準備をしておきなさい」

サミュエルは「了解しました、艦長アイアイマム」と言って、訓練中止申請を準備し始めた。

彼は準備をしながら、一年半前のトリビューン星系でのことを思い出し、旗艦で指揮を執る親友クリフォードのことを心配していた。敵拠點での戦闘で、クリフォードが味方を撤退させるために、自らを犠牲にしようとしていたことを思い出したのだ。

（クリフ、死ぬなよ。こんな戦いでお前の才能を散らすな。生きて帰ることを考えてくれ……）

■■■

＜アルビオン軍重巡航艦サフォーク５・戦闘指揮所＞

〇二一五

旗艦サフォーク５の戦闘指揮所ＣＩＣで指揮を執るクリフォード・カスバート・コリングウッド中尉は、メインスクリーンに映る味方の各艦と敵本隊との航跡を見つめていた。

航法員のマチルダ・ティレット三等兵曹の航法計算が終わり、艦隊全艦に合流する針路を命じていた。

（現針路で進めば、こちらが合流した後の約十三分後、〇二三三に敵と接する。それもほぼ真後ろからだ……）

ティレット兵曹の計算では、〇二二〇にサフォーク５を旗艦とするアルファ隊と軽巡航艦ファルマス１３を旗艦とするブラボー隊が合流する。

現狀のベクトルを維持して再加速するのだが、敵分艦隊を殲滅するためにアルファ隊の速度が大きく落ちており、星系最大巡航速度〇・二Ｃ速に達するのに約千百秒必要だった。

ちなみに、理論上、最大巡航速度を超えて航行することは可能だが、星間質との相対速度が大きくなると防スクリーンが過負荷になり、最悪の場合は艦が破損する。また、防スクリーンは艦首側の方が強く、後方から攻撃された場合は艦を反転させ、艦首側で敵を迎え撃つことになる。もし、この狀態で巡航速度以上になっていると、星間質が艦尾側の薄い防スクリーンを破って艦に損傷を與える可能がある。このため、撤退する側も最大巡航速度以上で航行することは稀である。

敵艦隊主力は現在味方の右舷側後方を橫切る形で速度を保っており、約三百秒の加速で、味方を追撃する針路に乗せつつ、最大巡航速度〇・二Ｃに達することができる。

一方こちらは加速を続けても、〇二三三では〇・一八二Ｃにしか到達しない。加速能の高い軽巡、駆逐艦を分離することも可能だが、敵も同じように分離すれば結果は変わらない。

つまり、艦隊が現針路を保つ限り、〇二三三に相対速度〇・〇一八Ｃで、ほぼ真後ろの左舷後方十度から攻撃をけることになる。

（味方のヴィラーゴとザンビジは戦力外だ。ウィザードも加速能が二十パーセント落ち、艦隊の機に追従するのが一杯というじだ。ファルマスも防スクリーンにダメージを負っているから、無傷なのは、このサフォークとヴェルラムだけだ……）

そして、追ってくる敵艦隊の報を確認する。

（敵の戦力は重巡航艦一、軽巡航艦一、駆逐艦三。それもすべて無傷の艦だ。更に後方から分艦隊の生き殘りの駆逐艦二隻が追い縋ってくる。まあ、この二隻が追いつくのはかなり後だから、今気にする必要はないんだが……）

クリフォードには更に懸念があった。

（恐らく敵はこちらの通信に気付いているはずだ。あれだけ接近されれば、防スクリーンの干渉を解析されているはずだ。つまり、こちらの通信は傍される可能がある……それを恐れて通信をやめれば、こちらは連攜できない。それより、こちらの回避パターンが人工知能ＡＩによる標準パターンしかできないこともばれているだろう。ＡＩの回避パターンは読まれ易い。つまり、次に攻撃をけるときはかなりの確率で命中するということだな……このままだとジリ貧だな……）

彼が狀況を憂慮していると、通信兵曹のジャクリーン・ウォルターズ三等兵曹がファルマスからの通信がったことを報告してきた。

「中尉サー。ファルマスより通信です」

クリフォードは「読み上げてくれ」と命じ、ウォルターズ兵曹は「はい、中尉イェッサー」と返事をしてから、通信文を読み始めた。

「ＨＭＳ－Ｆ０２０２０１３ファルマス１３より、ＨＭＳ－Ｄ０８０５００５サフォーク５へ。敵が一分以に接近した場合、艦隊の通信を傍される恐れあり。予め作戦プランを立案し、敵接近後はプラン名のみ通信することを提案する。行パターンは以下の案を提案……ファルマス１３艦長、イレーネ・ニコルソン中佐。以上です」

ファルマスのニコルソン中佐は、予め行パターンを設定しておき、そのパターンコードを送信するだけにしておくべきだと提案してきた。

（確かに合理的だ。六つのパターンを組み合わせれば、かなり自由度が増す。要は反転して攻撃するタイミングと、敵の攻撃を回避する機がばれなければいいんだからな……）

彼はウォルターズ兵曹に向かって、

「了解した。ファルマスに返信してくれ。容は“ニコルソン中佐の提案を承認する。各艦に転送せよ。”以上だ」

ウォルターズはすぐに了解し、返信した。

クリフォードはＣＩＣの指揮シートに座り、約十五分後に起こる戦闘について考えていた。

（敵が近づけば、こちらの通信を傍するだろう。更にこちらが回避を行えば、通信手段を失うことにも気付いているはずだ。接敵時の相対速度は〇・〇一八Ｃ速。こちらが先手を打って減速したとしても、この小さな相対速度では敵の意表を突くことは難しい……敵がこちらのきに疑問を持たない形で、味方に有利な機を行う方法はないのだろうか……）

クリフォードはメインスクリーンを見ながら、あることを思いつく。

（一分以に接近されれば、敵はこちらの通信を傍できる。そこで敵の裏を掻くことはできないか……例えば、サフォークが盾になって殘りの艦を逃がすというような……そうか、これならいけるかもしれない……）

彼は通信兵曹のジャクリーン・ウォルターズ三等兵曹に、

「全艦に向けて通信を頼む。敵が一分以にったら、サフォークが盾になるという通信を全艦に向けて送信する。これは敵に対する欺瞞報である。各艦はサフォークに思いとどまるよう通信を実施せよ……」

彼の作戦はこうだった。

敵に欺瞞通信を聞かせておき、味方が混している芝居を打つ。

そして、有効程距離の十五秒になる直前にサフォークが反転し、いかにも盾になるかのような機を行う。

（一分以にるのは〇二二二で、その前から通信管制にる。このタイミングで欺瞞通信をれれば、こちらの罠に掛かるはずだ……これで敵はサフォークに攻撃を集中しようとするだろう。こちらはそのタイミングで手回避を開始し、敵の初弾を回避する……）

他の艦はサフォークからの指示に従って反転し、敵に攻撃を掛ける。

（……味方がその直後に反転して最大加速度での減速を行えば、攻撃をける時間を短く出來る。戦開始時における敵の速度は最大巡航速度の〇・二Ｃ、こちらとの速度差は約〇・〇一八Ｃ。有効程距離十五秒に達する三十秒前から最大加速度で減速すれば、敵とすれ違うのに三百三十秒強。最終的には〇・〇七Ｃ程度の速度差になるはずだ。その後に敵が減速したとしたら、二百八十秒間程に留まることになる。つまり約六百秒が戦闘時間ということだ。この六百秒、十分間を耐えきらねばならない……）

彼は味方の艦の損傷を思い、どの程度の損害出るかと憂鬱になる。

（サフォークが敵の攻撃を引きけるとしても、それは初期の一部のみ。後は低相対速度での砲撃戦になる。こうなったら、ダメージコントロールが効かない味方に大きな損害が出るだろう……）

彼は損傷しているヴィラーゴとザンビジを退避させる方法を考えるが、敵分艦隊の生き殘りの駆逐艦二隻の存在が問題だった。

（ヴィラーゴとザンビジを逃がすにしても生き殘りの二隻が追撃してくる。やはり、分離させることは無理か……）

彼は指揮コンソールに映る敵艦隊の表示を見つめていたが、戦いに集中するべく、ＣＩＣ要員に指示を與えていった。

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＜ゾンファ軍重巡航艦ビアン・戦闘指揮所＞

〇二一五

ゾンファ軍八〇七偵察戦隊司令、フェイ・ツーロン大佐は旗艦ビアンの戦闘指揮所ＣＩＣでメインスクリーンに映る敵の航跡を見つめていた。

彼には余裕があった。この狀況では、味方が有利なポジションから攻撃出來ることは確実で、更に諜報部が功していれば、ダメージコントロールを行うことができないことも余裕を與える要因だった。

（どうやらジャンプポイントＪＰに向かうのを諦めたようだな。だが、この針路なら、十分に追い詰めることができる……教科書どおりの追撃戦だな。この狀況で逆転することは私でも無理だ。まして、ダメージコントロールを失っているなら、一気に戦力は落ちていく……）

そして、敵が対宙レーザーを使った通信方法を使っていることに歎していた。

（それにしても、敵には切れる奴がいるらしいな。対宙レーザーでの通信という方法は、アルビオンも使っていなかったはずだ。まあ、當然だろうな。多重化した通信システムが全停になるなど、普通は考えんだろう。しかし、この狀況でこんな手を考え付くとはな。それだけではない。こちらを罠に嵌めてきた。諜報部の報では敵哨戒艦隊に注意すべき人はいないとあったが、どうやらそれは間違いのようだ。だが、この先どんな手で來てもこちらの優位は覆らんがな……）

ゾンファ共和國軍の諜報部は、クリフォードがサフォーク５に配屬された報を摑んでいたが、二十歳の新米中尉であり、ほとんど注意を払っていなかった。

そのため、サロメ・モーガン艦長を暗殺したスーザン・キンケイド佐と同じシフトにっていると知っていても、それを現場のフェイ大佐に伝えてはいなかった。

正確にはシフト表は渡されており、フェイにも確認することができたが、諜報部から特段の指摘が無く、フェイも誰がサフォークの指揮を執っているのか気にしていなかった。

フェイ大佐は軽巡航艦バイホ――鶴――のマオ・インチウ艦長に回線を繋いだ。

「先ほど連絡したが、敵の通信手段は対宙レーザーだ。つまり、敵が通信手段を確保するためには、手での回避運が不能になるということだ。これで敵を殲滅することが出來る」

マオ艦長はそれに対し、やや懐疑的な言葉を返してきた。

「敵がそのことに気付いていないとは思えませんが。敵にはレーザーを通信に使うことを思いつくような切れ者がいます。決めて掛かるのは危険ではありませんか」

その言葉にフェイも同意する。

「確かにそうだな。敵が通信手段を捨てて、思わぬ手に出るかもしれん。気付いたことがあれば、何でもいいから提案してくれ」

マオは「了解しました。大佐」と言って敬禮し、通信を切った。

二隻の軽巡を失ったことから、フェイ大佐には最後の軽巡の艦長であるマオの力が絶対に必要だった。そのため、マオを信頼していると示す必要があった。

（マオの言うことは考えられないわけではない。だが、敵が打てる手はない。ほとんどないと言っていいだろう。油斷さえしなければ、こちらの勝利はかん。そのための大前提は、味方のやる気をどこまで引き出すかだ。分艦隊を見棄てたと思っている奴が多いから、その辺りには細心の注意が必要だろう……）

フェイは麾下の各艦に向け、檄を飛ばす放送を行った。

「八〇七偵察戦隊の各員に告ぐ！　我々はティアンオ――分艦隊旗艦でサフォークと二隻の駆逐艦の攻撃により沈められた軽巡航艦――、チュマイ――ファルマスのスペクターミサイルによって沈められた駆逐艦――、ツアン――ヴェルラムのファントムミサイルにより沈められた駆逐艦――の三隻を失った。また、ヤンズ――ファルマスらブラボー隊の攻撃で大破した軽巡航艦――は行不能に陥り、回復の目途は立っていない」

彼はここで一旦言葉を切り、聲量をし上げ、自信に満ちた聲で続けていった。

「だが、分艦隊は敵に大きな損害を與えてくれた！　それだけではなく、我らの作戦遂行のために敵をき出してくれたのだ！　分艦隊の的な行により、敵の命運は我らの掌中にある！　後は勝利を摑むのみ！　分艦隊の仇を討つぞ！　司令部の指示に従い、各員に與えられた任務を遂行せよ！　勝利をこの手に！」

フェイの言葉に旗艦ビアンの各所から歓聲が上がった。そして、それは他の艦でも同じだった。

フェイはそれを知り、勝利を確信した。

（味方の士気は高い。そして、敵に取れる策はあまりにない。つまり、私の勝利は確定しているのだ。後はそれを完璧な形で再現するのみだ……）

彼は部下の索敵擔當者に命令を下す。

「敵のレーザーによる通信に注意しておけ。検知でき次第、解読しろ」

索敵員は未だ距離のある敵の通信は傍できないと報告した。

「距離的にもうし接近する必要があります。最小出力で使っているようですから、一分以が検出限界だと思われます。敵の通信傍は暗號解読に回した方が良いでしょうか？」

フェイは鷹揚に頷き、「暗號は使えんよ。すぐに解読結果を報告すれば良い」と言って、周囲に聞こえるように話し始めた。

「敵の通信を傍できれば、こちらの勝利は更に確実になる。一時間もすれば、勝利の報告を本國に送り出せるだろう」

彼はそこで笑顔を見せ、

「ここで敵を倒せば、一ヶ月後には勲章と休暇が貰えるはずだ。だが、浮かれるのは敵を殲滅してからにしてくれよ。よし、全艦戦闘準備だ！」

ＣＩＣに笑い聲が広がり、気な聲で了解の応答をしていた。

ゾンファ艦隊には自分たちの勝利を疑う者は誰もいなかった。