《音楽初心者の僕がゲームの世界で歌姫とバンドを組んだら》Secret Track[R].1 期待と不安のβテスト 序幕
キッカケは本當に些細な事だった。
「マセレナードオンライン、βテストのお知らせ?」
ある日私の元に屆いたメール。それは昔からよく遊んでいたオンラインゲームの會社が新しく開発したゲームの、験會についてのお知らせだった。
「軽音楽がメインのオンラインゲーム、面白そうかも」
でありながら生粋のゲーマーだった私は、今まで見た事がないジャンルのゲームにすぐに興味が湧いた。しかもこの制作會社は、安心と信頼のある會社であることは、自分自が保証できる。
(期待してもいいのかな)
オンラインゲームをするのはすごく楽しい。でもその中では必ず何かしらのトラブルが起きてしまうのではないかという不安がある。私はオンラインゲームを新しく始めるたびに、その恐怖をじていた。
(私もまだまだ長してないなぁ)
でも私は今になって後悔している。どうしてこの時にじた恐怖から逃げ出そうとしなかったのかを。怖い事から逃げてしまえばあんな目にあう必要なんてなかったのに。
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けどそれは今後悔しても遅い。
何故ならこれは私の、新井莉里奈の後悔の語なのだから。
■□■□■□
マセレナードオンラインという名のゲームのβテストが行われたのは、メールが私の元に屆いてから一ヶ月が経ったある梅雨の日。私は慣れた手つきで起の準備を終えると、來る時にを躍らせながらその時を待った。
(軽音楽のゲーム……私には何が向いているのかな)
音楽の経験は多ある。だけれど軽音楽となると、楽かもしくはボーカルをやる事になるのだけれど、どちらもそこまで私に向いていない気がする。
でもそれは私に限った話ではないとは思っている。だからそこまで気を張る必要ない。私が私らしくこのゲームを楽しむのが一番。
(とにかくゲームを楽しむのが私のモットーだし、一々気にしている場合じゃないよね)
さあ行こう、新しいゲームの世界へ。
ログインする為に一度閉じた目を開くと、そこに待っていたのはゲームの世界、ではなく真ん中に何故かベッドだけがある質素な部屋のだった。説明ではすぐに始まりの街へ転送されるはずなのだけれど、これは一どういうことなんだろう。
(何かの不合?)
目の前に起きた事が理解できない私は、しばらくその場所で立ち盡くしていると、突然アナウンスの聲が聞こえた。
『ようこそマセレナードオンライン、βテスト版の世界へ。この度は參加していただきありがとうございます』
定型文をそのまま読んでいるだけの聲が、部屋に響く。何の変哲も無いこれを聞く限りでは、不合とかそういうのではない雰囲気だけど、これはチュートリアルの一環という事なのだろうか。
『あなたはβテストの參加者の中でもさらに特別な一人に選ばれたので、このような形でお呼びさせていただきました。決して不合ではないのでご心配せずにアナウンスに従ってください』
誰が聞いても明らかに怪しい容を続けるアナウンス。どうみても詐欺にしか聞こえないけど、この部屋には出口もないしどうしてかログアウトもできない。つまり逃げ場がない狀態。
(どうしよう、怖い……)
運営のアナウンスとはいえ、怪しい匂いしかしない。しかしそんな私の不安をよそに、アナウンスは定型文を當然のように読み続ける。
『あなた様にしていただく事は一つ。そのベッドの上で眠っていただくだけです。継ぎ目を開いた時には始まりの街へと転送されているので、どうぞ眠ってください』
「眠ってくださいって言うけど、本當に怪しい事はしないよね?」
不安が消えないせいでつい疑問を投げかけてしまう。當然返答はない。明らかに怪しい。でもβテストで何か悪いイメージを與えるような事を運営がわざわざする必要もないと思っている私もいる。
たまたま私がこのゲームで特別な一人に選ばれたと考えれば、何も問題はない。そう、深く考えすぎてしまったら、この先は長続きしない。
(ここはし不安だけど、素直に)
アナウンスに従ってベッドで眠る事にしよう。
始まりの街シンフォニーはβテストとは思えないほど沢山の人で賑わっていた。今私はその場所に長い髪をたなびかせて立っている。VRMMOのキャラクターは現実の自分の寫し鏡みたいなものなので、とくに違和なくをかす事ができる。
(違和があるとしたらこの髪のくらいだけど)
それ以外にはいつもの自分と何にも変わらない。つい先程まで変な部屋に飛ばされていた事以外には特に今の所はトラブルもないし、とりあえずまずはチュートリアルに従って行していくだけだけど……。
(まずは楽屋を見に行ってみようかな)
チュートリアルなんか放置して、とりあえずゲームの世界の楽を見てみたい。
「やっぱり新しく始めるゲームは新鮮だなぁ」
ついそんな事をぼやいてしまう。新しく見る世界にドキドキしながら近くにあった楽屋の扉に手をかけてろうとすると、
「あ、あの!」
突然誰かに聲をかけられた。
「は、はい!」
私はビクッとしながら聲をした方に顔を向ける。だけどそこには誰もいない。
「あ、あれ?」
聞き間違いかな。
「こ、ここ、ここです!」
と思っていると下の方から聲がしたのでそこに顔を向ける。そこには私より一回り小さいショートカットのの子が目を潤ませながら私をみていた。
「えーっと、もしかして迷子の子供ですか?」
「ち、違います!」
でも背の高さからしてそうとしか見えないとか言ったら、怒られるかな。
「もしかして私に用ですか?」
「は、はい! と、突然で申し訳ないとは思うのですが私とバンドを組んでくれませんか?」
「……え?」
それは突然の申しれと、突然の出會いだった。
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