《星の降る街》-024- 2996年11月4日 PM 14:13

親戚の家に行ってんな人たちとお話をしたんですが、やっぱり一か所にとどまって働き続けるのって、新しい事をしようとしている人にとってあまりいい環境とは呼べないなと思った今日この頃でした。

シズキちゃんとマコト君もんな人たちとれ合ってより長してほしいなって思います。

-軍事國家ゲウィネンブルク-

アジヴィーニェの塔 地下12階

重要會議室

高級のある赤いカーペットと重苦しさをじられる鉄の壁に囲まれた昇降機にて下へ下へと降りて行く。

ここはアジヴィーニェの塔。

軍事國家ゲウィネンブルクの中央に位置する、他の領地で言う王城のような場所。

外から見れば地上にそびえ立つ16階層の塔を囲むように造られた建築達により、広く大きい城のように思われがちだ。

だが実際には重要な報や資、技や人はこの塔を丁度逆さにしたような形、地下に16階層の施設があり、そこで重要なこと報のやりとりなどをしている、この都市の上層部の人々はほぼこの地下にいて地上には通信機により連絡を取って居る。

そして勿論この地の統治者もここに住んでいる。

「やぁ、マコト君。久しぶりだね。」

「お久しぶりです、エヴァリ総統。」

昇降機の扉が開いてすぐの所に、落ち著いた雰囲気の青年が笑顔で立っていた。

見た目は16かそこらの若者だがしっかりと支配者としての在り方、學や法などを學び正式に父親より現在の地位を継承したこの都市の総統。

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い頃より鉄火場をくぐらされて厳しく躾けられ、その腕自も贔屓なしに金剛石が嵌め込まれたバッジをけ取るほど。

「今日はいい日だ、私のお気にりの茶をれさせているんだ。久しぶりにゆっくり話しでもしよう。」

総統と呼ばれた青年は背を向けて正面の部屋に向かい長い廊下を歩いて行く、それに伴い近くにいた護衛の者達も青年の両脇半歩後ろをついて行く。

「マコト…総統って?」

「このゲウィネンブルクの一番偉い人だよ、名前はエヴァリューツィア・ゲウィネンブルクあんまり機嫌を損ねないよにね。」

「うん。」

「本人はエヴァリって呼んでいいって言ってるけど、彼からそう言われるまでは呼んじゃいけないからね!僕達がそう呼んでるのを聞いて真似した奴がいきなり殺されたから。」

マコトやカインですら張したような雰囲気を出していた為シズキも張してきた。

カイン、マコト、シズキの順で昇降機を降りて彼らの後に続き長い廊下を歩いて行く。

そして開かれている重厚な扉を超えると中には高級そうな造りの機の上に紅茶が三杯、そして椅子も3つ。

総統が座るのに1つとマコトとカインが座るのに1つずつの配置であった。

「さぁ、座ってくれ。」

エヴァリと呼ばれた総統は自らの席に座りながら2人に座るよう言ってきた。

マコトは僅かに眉間にシワを寄せてしまうが、その背中を僅かにシズキが押して座る事を催促しる。

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マコトはシズキの思いをじ取り席に座り、そしてその斜め後ろにシズキは立ち続けた。

「まずはマコト君、長期の任務ご苦労だったね。」

「はっ、ありがとうございます。」

「それとヨラン。」

「はっ。」

エヴァリは笑顔のままだが僅かに雰囲気が変わった。

何がとは分からないが、何か威圧を込めた雰囲気がじられた。

「マコト君の迎えには君が出たのかい?」

「はっ。」

「確かに、誰かに迎えに行けと言ったけれど、態々君が迎えに行かなければならなかったのかい?」

「はっ、我が國の大事な戦力を迎えに行く為に萬が一も無いようにと、この地の防衛にも戦力は十分なほどおりましたので、獨斷でいておりました。」

場の雰囲気がどんどんと張り詰めて行く。

広い部屋の中に何人もの人がいるのにもかかわらず、この場の沈黙は自分の耳鳴りが相手に聞こえそうな程張りつめていた。

原因を作った本人は涼しい顔で、その隣ではその張本人を睨むマコト。

エヴァリも口元だけを笑顔にカインを見つめている。

「………まぁいい。」

エヴァリが前のめりになっていたを背もたれに預けながら紅茶を一口飲む。

部屋に音が戻って來たような開放が訪れた。

シズキは若干気を落ち著けて肩の力を抜くが、それをエヴァリが見つめているのに気付いた。

エヴァリは若干口角を歪めて楽しそうな顔に見えた。

「舊友との仲は大切にするだ、暫くはゆっくりするといい。」

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「はっ、ありがとうございます。」

「それはそうと、マコト君。」

「はっ。」

エヴァリの目線がマコトに突き刺さる、次はお前の番だと言わんばかりに。

「訓練は怠らなかったかい?」

「はっ、自ら戦火にを投げることもしておりましたが、なにぶん爭いのない所でしたので全盛期程の力は出ないかと。」

「ふむ、ではその覚を戻すのにどれ程かかりそうだい、3時間かな?」

マコトは総統の無茶振りに若干眉間にシワを寄せてしまう。

「いえ、最低でも1週間は頂き…」

「1週間?」

再び部屋を不可視の圧に支配される。

エヴァリの目も睨むような鋭い目つきになりマコトの言葉が不服だと言わんばかりの態度になる。

「はっ、長く見積もってもそれくらいは必要かと。」

「………君は保守的になったな。昔はもっと野生の獣のような格だったのにね。」

マコトもその言葉に微妙な顔になる、褒められているのか何なのか微妙な所だ。

「ふふ、相変わらず表で読み易いのは変わっていないのだな。」

「……はっ、申し訳ございません。」

マコトは自分の頰に手を當ててまたもや微妙な顔となる。

「それで?メスに腰を振るだけの生活は楽しかったかい?」

途端にマコトから殺気が溢れ出す。

周りにいた護衛の者達も片足を半歩引き武に手を掛けていた。

それにも関わらず隣に座っているカインは我関せずと言った表で紅茶を飲み、エヴァリは口元を拳で隠してはいるもののにやけた口元が隠しきれていなかった。

「………。」

それを見たマコトはエヴァリの格を思い出す。

「……エヴァリ総統。」

「何だい?」

「私にも譲れないものというがあります。私にとっての彼はそれです。」

「ほぅ?彼とは一誰の事かな?もしや君と同じ屋の下に住まう名も知らぬメスの事を指しているのかな?」

「総統ッ!!」

「私には、そのようにしか報告が來ておらんがな。それとも正式な婚約でもした相手なのかな?」

相変わらずにやけ面で話し続けるエヴァリは面白くて仕方がないと言った聲で話し続ける。

「……しております。」

「口約束でかい?」

「………。」

「そんな程度の約束など簡単に違える事ができよう?」

「…そんな事は。」

「とっとと籍でもれたらどうだい?それともそれに値しない程度の相手なのかな?」

「…ッ。……違います、ですが互いの同意というものが必要でしょう。」

「ならば君は遊ばれているという事になるのかぁ…。」

「……総統。」

「ふふっ!まぁこの辺にしておこう。そこの者、発言を許可する。そなたは何故彼とは婚儀をあげない?」

エヴァリは目線だけをシズキに向けた。

シズキも先ほどの問答で腹が立っていたが相手はマコトの雇い主、ここで発させてもマコトに恥をかかせるだけだ。

シズキはしだけ怒りのをため息に乗せて外に吐き出してから答える。

「わたくしのわがまま故です、仕事にやりがいをじ始めモチベーションも高い狀態なのでもうし仕事を続けたいと言う理由から、返答を保留しております。」

えらく業務的なけ答えになってしまったが、彼にはこれで十分だったのだろう。

何故か笑いを堪えられないと言ったように肩を震わせていた。

シズキだけではなくマコトも疑問に思っていたがエヴァリは顔を上げた。

「ククッ……それでは…この地で婚儀をあげれば良いのではないかな?」

「はぁ…。それはどういう意味でしょう?」

「特別重要な報ではなかったしな……ククッ……ヨランの獨斷の意味が分かったよ。」

「はっ。面白そうでしたので。」

「「??」」

エヴァリとカインは互いに理解している様な雰囲気で、マコトとシズキだけがキョトンとした顔をしていた。

「婚儀にはその土地それぞれで特がある、それは築き上げて來た文化の違いや目的の違いによるものだ。」

「はぁ。」

「例えばキリアの寢床になっている彼の地では、婚儀の相手に制限はなく一夫多妻制であり、何かしら縛りがある事も無い。

だが我がゲウィネンブルクの地では一夫多妻制なのは同じだが、子を宿して良いのは互いの階級差が1未満の時のみ。

これは優秀な伝子を増やし殘す為でもあり、階級に合わぬ者ならば合う様に努力すべしと言う考えもあっての事だ。」

シズキはキリアという名にわずかに反応した、おそらくキリエリアの魔の事だろうと當たりをつけるが今はそれを聞ける狀況ではなかったため心に留めた。

マコトは大人しくエヴァリの話を聞いていた、今まであまり興味も持たず、さして重要な報では無いからこそ各地の文化の違いと言うのは中々新鮮だった。

そしてエヴァリはこの話の本題にる。

「そこで問おう、ヤマト領での婚儀の決まり事を答えられるかな?」

エヴァリはシズキに目を合わせてそう問うた。

「……一夫一妻制、子供の制限等も無かったはずです。」

「それと?」

「……?と、言いますと?」

シズキは意味がわからないと首をかしげた。

それが面白かったのかエヴァリはまた押し殺し切れていない笑い聲をあげる。

「そなたが結婚をしない理由だ。それはヤマトの地のみのだぞ?」

「えっ?」

「えっ!?うそ!?」

その途端周りの警護の者達に睨まれるがエヴァリ本人が楽しそうに笑っていたので不問となった。

「俺はてっきり仕事にそういうこだわりがあるのかと。」

「そんなの初耳よ!知ってたら他所で結婚するわよ!なんで教えてくれなかったのよ!」

「いや俺もそんなルール知らなかったし…。」

「ふクククッ!ふはははは!」

カインはニヤニヤし、エヴァリは腹を抱えて笑い、シズキは逆上してマコトは狼狽える。

圧のあった會議室はいつの間にか騒がしくなってしまった。

「ふふふ!……はぁ……、それで、マコト君はいつそこのをその席につかせてやるんだい?私は関係のない他人と席を共にする気は無いよ。」

マコトは答えを躊躇った、明確な意思をシズキから聞いていない、と思ったのだが後ろから椅子の足を蹴られた。

振り向くといかにも怒っています。と言いたげに眉間にしわを寄せ頰を膨らませていた。

マコト的には可いと思ったが伝えたい意図は分かったので真面目に答える。

「出來る事ならば直ぐにでも。」

「ほう、ならばそなた達2人に問おう。必ずや契りを結ぶと場で誓えるか?」

「はっ、必ず。」

「はい、必ず。」

2人は同時に答えた、一瞬の躊躇いもなく。

「ふふふ!聞いたなヨラン、もうこの2人はどちらとも逃げられんぞ。」

「ですが、口約束とは簡単に破れるものでは無かったのですか?」

「このゲウィネンブルクの王に誓ったのだ、違えればそれこそ王に狼藉を働いたという事になる。」

「ふふっ、る程、結婚しなければ國際指名手配ですね。」

エヴァリは話しながらも手で誰かに合図し、マコトの橫に紅茶のセットと椅子が用意された。

「初めまして、私はこのゲウィネンブルクの総統、エヴァリューツィア・ゲウィネンブルク。君の名を聞かせてくれるかい?」

エヴァリはシズキへと正面から挨拶をした。

「初めまして、エヴァリューツィア総統。私はヤマト領戦闘科第1部隊副隊長、マコトの婚約者、東城 靜樹です。」

エヴァリはニヤニヤとしながらもかけてくれと席を進めて來た。

シズキは椅子を引く時に、誰が見ても分かる程マコトへと近付いた。

「ちょっ!シズキ!」

「ふふふっ!いやはや、まさかマコト君がヨランよりも先に伴を迎えるとはね。しかもここまで好かれているのだ、不思議なものだよ。」

エヴァリは焦っているマコトをみてニヤニヤとしていながらも優しく笑った、だが紅茶を一口飲んで表を引き締める。

「さて、まずは友人の方は片がついた。次は例の下衆の話をしよう。」

エヴァリの雰囲気が変わった途端に3人とも意識を切り替えてしっかりと姿勢を正した。

「クロトニ・ブローマと言う男を覚えているかい?」

「確か、久留石博士といつも対立していた…?」

クルイシ?マコトと関係のある人か、とシズキは思ったがそれは後で聞こうと心に留めておいた。

「そうだ、あの男はあまり宜しくない思想の持ち主だとしてこの國から追い出したのだが、カラミタと言う男がそいつを拾ってしまってな。どうせすぐに獣の餌になる思っていたのだが甘かった…。」

「そのカラミタと言う男は何処に?」

「さてな、最近までは近くにいたらしく。先程巣を攻めさせたのだが、緑を20程失った。既に逃げられただろう。」

エヴァリはカップの中の殘りを一気に飲み干し、マコトへと視線を向ける。

「故に、追撃をしてもらいたかったのだが、まぁ仕方あるまい。」

「申し訳ありません。」

「構わん…それよりも、あのがお前達が來るし前に戻って來たよ、久しぶりに顔を見せたらどうだい?」

「…ええ、そうさせて頂きます。」

ちょうどその時エヴァリの後ろに控えていたものが耳打ちで何かを伝える。それを確認したエヴァリは立ち上がり、3人もそれに合わせるよう立ち上がる。

「私は次の用事がある、つかの間の休息、楽しかったよ。」

「「はっ。」」

「シズキさん、マコト君を頼むよ。」

「はい。」

扉の前で待機していた見張りが扉を開けてエヴァリは部屋を出て行く、慌てて警護のものが周りを固めて出て行き、それを3人は見送った。

「先輩、一応病み上がりなんですから大人しくしてください。」

「…るさいわね、っていうか…んたが合わせなさいよ!いってて!」

キコはアンジュにつかまりながらベットからを起こす。

散歩がしたいと言ったキコを車椅子に乗せるために手伝っていたのだが、キコ自立ち上がる事すら困難だとはおもわず、大人しく車椅子へ腰掛けた。

アンジュは部屋に備え付けのブランケットをキコへと手渡す。

アンジュはキコを連れて一階の裏庭、この治療棟にある緑地公園のような場所を散歩する。

季節は冷たい風が吹き、葉も枯れ落ちて道端を彩る頃。

緑など無い場所だがそれでも暖かくなれば緑生い茂る公園だ。

公園の中にはキコと同じように車椅子に乗ったとそれを押す男、それとその周りを子供達がはしゃぎまわって飛んだり跳ねたりしている。

「子供…いわね。私もしいわ。」

アンジュは無言で車椅子を押す。

サクッサクッと時折枯葉を踏む子気味いい音を立てながら。

「先輩は、子供は嫌いかと思いましたよ。」

「そんなことないわ。…しろ好きよ。」

「………。」

「…たしね、昔はお父さんが嫌で、家を飛び出して來たのよ。でも、今は…父さんが好き。」

キコは獨白の様に話し出す。

冷たい風がキコの肩下まである髪をなびかせる、その髪は暫く手れをしていなかったため、元が栗からピンクのグラデーションを起こしていた。

「私も、あんな家族を作りたいなって。いつか子供作ってお父さんの事をお爺ちゃんって呼んでやりたいの。お母さんとは結構連絡取ってるから、すぐバレちゃうかも知れないけど。」

キコは笑顔で楽しそうに自分の未來予想図を語る。

アンジュはそれを無言で聞き、車椅子を押して公園の周りを歩く。

「でも…案外その相手が見つからな…のよねぇ。私ってこんなに可くて家庭的なのに。」

「…先輩のワガママな所とか、後先考えない所とか、そういう所がダメなんじゃないんですか?」

思ったよりも棘のある口調になってしまった。

アンジュは自分でも驚いていたのだがキコも同様に驚いた様な表だった。

「…そんな言…方する必要無くなぃ?」

「……すみません。」

まるで子供の様にふてくされた言い方になってしまった。

アンジュは思いの外キコの事で揺しているのかも知れないと思った。

キコはアンジュの何か複雑そうな表を見てそれ以上の追求はしない事にして広がる青空を見上げる。

「まぁ…いわ、それより私を早く部屋に返して、寒…から。」

「……了解です。」

その後は音を凍らせたような靜かな空気の中、無言で車椅子を押して病室へとキコを送るのだった。

アンジュ君、まだあの子と言ってませんよね?

どうするんでしょうか?

作者は昔友達に借りたゲームのコントローラーを無くした事を未だに言ってません。

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