《極寒の地で拠點作り》プロローグ
 私、冬木柚葉ふゆきゆずはは、親友であり馴染の九條琴音くじょうことねの頼みでとあるゲームをプレイすることとなった。
「えーっと?これをこうして……」
 元々ゲームなんてあまりやらなかったので始め方とかその辺りは琴音に教えてもらった……けど、機械音癡な私はゲーム機の親機で行うゲーム機の設定の時點で既に詰まっている。
「うーん……どうすればいいんだろ」
 琴音に教えられたゲームは所謂VRMMOと言ったジャンルのゲームで、丁度貯まったお金の使い道を考えていた所だったからいい機會だと思ってゲーム機と一緒に買ってしまった。
「あー、もうわかんない!こうなったら適當に……」
 私にはし向こう見ずな所がある。だから面倒くさくなるとすぐにこう後先考えない行に移ってしまう。
「あっ、出來た!」
 ただ今回はそれが良い方向に向かった様で、無事設定を完了することが出來た。
 早速私は城のような建が描かれたパッケージからディスクを取り出し、親機に挿した。あとはヘルメットのような子機を裝著してボタンを押すだけだ。
「うー、張するなぁ……」
 VR技が凄い!というのは、一年ほど前から今も続いてるブームの影響で頻繁にCMや夕方のニュースでやっているせいか、私もよく知っていた。ただ、いざやるとなるとやっぱり張する。
「よし……じゃあ、VRMMOの世界へ!」
 覚悟が決まった私は頭に裝著した子機のボタンを押した。
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